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文學少女
深く昏く、誰にも見られない底に。
落ちて、落ちて行く。
彼らは私の作品を見つけてくれるだろうか。
私が居なくなったあと、きっと私の作品は表に出されるに違いない。
かの有名な文豪たちも死んでから有名になったり、死後も読み継がれている。
作品や読者の中で生きている。
その時代に生きていなかった人々でも知っている。
だから私も彼らのように永遠の命を得るのだ。
そこに”いない”のに”生きてゐる”
存在していないのに確かに人々は知っている。
そんな”モノ”に。
だから、私は死ぬ不安も苦しさも後悔もなかッた。
妖は誰も見た事がないのに誰もが知っている。
サンタクロースも、見たことある人は少ないのに共通認識されている。
そう。私は”其れ”になるのだ。
遺伝子よりもずっと強くて、拡散する。
何年、何十年、何百年と生きる。
永遠になるのだ。
私は『文學少女』永遠の瞬間を生きるモノ___