第5章 - 最初の任務
最初の作戦は、私たちの一歩一歩に明らかに緊張感が漂っていた。僕、アレックス、そしてアルファチームの他のメンバーは、マシュー軍曹とともにG.S.A.P.の基地で準備を整え、何が待ち受けているかに備えていた。
「チーム、聞け！」マシュー軍曹が力強い声で指示を出した。
「ゾーンAの近くの森林地域で不審な動きがあるとの報告があった。調査する必要がある。プロセスはみんな知ってるな。焦らず、警戒して、必要以上のリスクは取るな！チームとして動け！」
アレックスと僕はお互いに視線を交わし、少し不安ながらもワクワクしていた。これまでの訓練とは違って、現実のミッションは全く違うものだと感じていた。最も厳しい軍事訓練を受けたとはいえ、実際の現場はそれとは別物だった
私たちは軍用車両に乗り、こんな任務のために改造された車で目的地へ向かった。アルベロウンへの道は長く感じたが、進むにつれて周囲はますます静かになった。午後遅く、私たちは報告された場所に到着した。そこには沈みかけた太陽の黄色い光が差し込んでいた。
「軍曹、到着しました。次は何ですか？」私たちの一人が緊張した表情で尋ねました。
「準備を整えて、森へ行こう」とマシュー軍曹は恐れることなく答えた。
「これは偵察ミッションだ。攻撃は、こちらが攻撃されない限り、しない。状況にとらわれるな。安全を守りつつ、目的を達成しろ。」
その言葉に従い、私たちは森の中へと進んでいった。木々が高くそびえ、葉が密集していた。足元の小枝がパキパキと音を立て、風が吹くたびに周囲はますます不気味に感じた。鳥の鳴き声はなく、ただ静けさが続いていた。
「通信は常に確認しておけ。我々が何を発見するか、わからんからな。」マシュー軍曹が警告した。彼の声は重々しく響いた。
私たちはさらに森の中へ進んだ。途中、異常はなく、足跡だけが新たに地面に刻まれているようだった。
２時間ほど歩いた後、私たちは広場に出た。森の中に突如として現れた、広大なクレーターがそこに広がっていた。
「これは...？」私はそのクレーターを見て、息を呑んだ。広く、深いクレーターで、その周囲の地面は熱く感じられ、まるで最近できたばかりのようだった。この場所の異常さを感じ取ることができた。
「これは普通じゃないな。」マシュー軍曹が真剣な口調で言った。
「みんな、警戒しろ。この場所が何か関係しているかもしれん。全員、隊形を保て。」
私たちはクレーターに近づきながら、周囲の様子を確認した。地面は湿っていて、奇妙な臭いが漂っていた。このクレーターが自然災害からできたものではないことは明らかで、何か異常な出来事があったことを感じさせた。
「近づくな。」マシュー軍曹が注意を促した。
「まずは遠くから調べろ。このクレーターが何か未知の活動に関係している可能性がある。」
私たちはその周りを調べ続けたが、異常は何も見つからなかった。クレーターは非常に大きく、その原因が何であるかは全く分からなかった。
「軍曹、どうしますか？」アレックスが疑問の声を上げた。
マシュー軍曹は少しうなずき、クレーターをじっと見つめた。
「調査を続ける。表面だけでは見えない何かがあるかもしれん。全員、安全距離を保て。」
私たちはさらに近づき、調査を続けた。クレーターの中には、大きな岩がいくつか散らばっており、まるで意図的に置かれたかのように見えた。しかし、そこに生物の姿はなく、ただ…
中央に立っているロボットの姿があった。
私たちは一斉に武器をロボットに向けた。
「何だ、あれは？」アレックスが言った。マシュー軍曹はそのロボットを分析しようとしたが、恐怖の表情を隠せなかった。彼の銃が手から滑り落ち、足が震えている。
「それは...スキャヴェンジャーだ。みんな！！後退しろ！！コードブラック！コードブラック！！」マシュー軍曹が叫んだ。私は「スキャヴェンジャー」が何なのか全く分からず、ただ立ちすくんでいた。ロボットは3メートルの高さで、空を飛んでいた。ロボットが背中から2つの砲を取り出した。
ビュー！ビュー！
そのロボットは攻撃を始め、私たちのチームに向かって炸裂する弾丸を放った。爆発が起こり、私はすぐに反応した。こんな強力なロボットと戦うことは無理だと感じ、必死に逃げることに決めた
ビュー！ビュー！
空気を裂くような音が鳴り響き、私たちの前方の隊員たちは弾丸に命中し、瞬時に後方に吹き飛ばされた。私は何人かが地面に倒れ、燃え上がっているのを目撃した。彼らは反応する暇もなかった。
アレックスが私の横で必死に走っていたが、間に合わなかった。大きなレーザー爆発が彼を直撃し、彼のボディアーマーを容易に貫通した。彼の体は数メートル飛ばされ、その後激しく地面に叩きつけられた。血が地面に広がり、アレックスは動かなくなった。
「アレックス！！！」私は叫び、彼に向かって走り出したが、恐怖とパニックが私の動きを止めた。こんな状況では、アレックスを助けることができないと理解していた。スキャヴェンジャーがあまりにも強力すぎて、私たちはどうしようもなかった。
私は大きな木の後ろに隠れ、銃を握りしめた。周囲を見ると、私だけが残っていた。私たちのチームは一瞬で壊滅してしまった。スキャヴェンジャーに立ち向かう力はなかった。
「ハーヴ、お前は黙っていてはいけない！」心の中で声が響いた。
「お前は負けられない！今、死んだらすべてが無駄になる！」
私は銃を取り、スキャヴェンジャーに向かって撃った。しかし、それらの弾丸は全く効き目がなかった。ロボットは回転して空中を舞い、弾丸がその硬い金属から反射されただけだった。
ビュー！
別のレーザーが放たれ、私は避けようとしたが、それが私の隣の地面に命中し、爆風で顔が吹き飛ばされた。私は地面に叩きつけられた。
「ハーヴ…」私は弱々しい声を聞いた。足を失った兵士が血を吐きながら私に言った。
「アレックス！！」私は再び叫び、彼の前に膝をついた。彼は大量の血を吐き、弱々しく私にスマートフォンと...拳銃を渡した。私はそれを無視し、彼の体を支えた。
「お願い...生きて...」アレックスの声が弱くなり、息も途切れ
くそっ！くそっ！！くそっ！！！
この見知らぬ世界で、訓練中ずっと共にしてきた仲間を失おうとしている！
アレックスは必死に拳銃とスマートフォンを俺の手に押し付ける。彼はゆっくりとうなずき、血を吐き続ける。 「戦い続けろ...ハーヴ...」アレックスは微笑みを浮かべ、そしてその瞼を閉じたまま動かなくなった。 「アレックス！！！」俺は全力で叫んだ。 ドサッ！ 耳元で何かが着地する音がした。振り向くと、スカベンジャーと呼ばれるロボットの姿が目に入った。
「お前...」俺はアレックスから託された拳銃をしっかりと握り、ロボットに向けて構えた。
ピュン！ 一発、ロボットの頭部に向けて発砲したが、小さな弾丸は弾かれただけだった。
ピュン！ 二発目を放つ。しかし、効果は同じだったが、俺は止まらなかった。ロボットが俺に近づいてくる。
「うおおおおおお!!!!」俺は叫びながら引き金を引き続けた。
ピュン！ピュン！ピュン！ピュン！ピュン！ 金属音が連続し、拳銃の弾丸が尽きたことに気づいたが、それでも俺は止まらなかった。
突然、体内に未知の力が湧き上がるのを感じた。俺はフェイスガードを外し、目を見開き、近づくスカベンジャーを見据えた。逃げるわけにはいかない。ここで終わらせるわけにはいかない。戦わなければ、生き延びるために。
「死ねえええ！」俺は叫び、ロボットに向かって連射した。左目が満月の光を超える輝きを放ち始めた。
ドン！ 初めての一撃で、ロボットが後退した。小さな破片がその体から飛び散った。
「どうだ？！これでもくらえ！」俺は強烈な蹴りを放った。ロボットはそれを避け、熱い空気を切り裂くだけだった。ロボットは俺に背を向け、歩き始めた。
「おい！どこへ行くんだ、鉄くず野郎？！」俺は怒りに満ちて叫んだ。まだ終わっていないんだ！！
スカベンジャーは俺の言葉を無視し、上空を見上げ、翼を広げて飛び立った。俺は空中に浮かぶロボットを見上げた。二つの砲塔が展開され、一つの大きな砲塔に合体した。俺は暗い空を見上げ、スカベンジャーの砲口が明るく輝き始めた...
ドォォォォォン！
驚異的なレーザーが空に向かって発射された。5秒も経たないうちに、夜の空は真っ赤に染まった。
その大爆発は、とてつもない力を放った。轟音が大地を揺るがし、夜の空は赤く燃え上がった。一瞬のうちに、静かだった森の雰囲気は混乱に包まれた。
ゾーンAの街では、夜の活動をしていた人々が一瞬立ち止まり、色を変えた空を見上げた。スマートフォンでその奇妙な現象を撮影する者、呆然とする者、恐怖で叫ぶ者——それぞれが異なる反応を示した。
彼らは、かつての黒い空が血のように赤く染まり、やがてレーザーの雨が降り注ぎ、その下にあるすべてを破壊するのを目撃した。
街の建物は揺れ始め、窓ガラスは粉々に砕け、道路は瓦礫と塵で埋め尽くされた。
建物の外にいた人々は避難場所を求めて走り回ったが、安全な場所などどこにもなかった。驚異的な力を持つレーザーは、高層ビルをなぎ倒し、たった一撃でインフラを破壊した。
私は森の真ん中に座り込んでいた。体は弱り、手には重く感じる武器を握りしめていた。心臓は速く鼓動し、血管を血が駆け巡っていたが、私の目は燃えるような赤い空から離れることができなかった。
座った場所から、レーザーの攻撃が残した破壊の痕跡が見えた。かつて壮麗だった建物は瓦礫と化し、人々はパニックに陥りながら避難場所を探していた。しかし、私は……ただそこに立ち尽くしていた。
「何が起こったんだ……？」
私は心の中で呟いた。
この感情をどう表現すればいいのかわからない。以前はただの普通の男だった私が、今や予期せぬ災難に直面している。
わずかな力を感じ始めたばかりの私が、これほどまでに凄まじい破壊を目の当たりにする——果たして、これに立ち向かえるのかさえわからない。
「すべてが……速すぎる……」
心の中でそう呟くと、その声が頭の中に響き渡った。私は、たった今経験したことを受け入れることができなかった。
スカベンジャーの一撃が空を赤く染め、周囲のすべてを消し去った……たったそれだけのことで。街全体が、罪のない人々が、一瞬にして消え去った。
私は頭を下げ、頭が脈打つのを感じた。なぜこんなことが起こるのか？なぜ私がここにいなければならないのか？私はただの人間だ。理解を超えた世界に巻き込まれただけの。
傷つき、血まみれになった両手を見つめた。私の中にあるものは何なんだ？なぜ突然あのような力が現れたのか？そして、なぜ……なぜ私はそれをコントロールできないのか？
戦おうとするたびに、より大きな破壊を目の当たりにする。私は人々を守る英雄になるはずではなかったのか？しかし、私がしていることは何だ？私はただ、この破壊を目の当たりにしているだけだ。
「なぜ……なぜ私なんだ？」
私の声はかすれ、風の中に消えるささやきのようだった。遠くで泣き叫ぶ声が聞こえる。家を失い、家族を失った人々の声だ。これらすべてが私のせいなのか？
私はただ、以前の生活に戻りたい。もっと単純で、戦争や残酷さから遠く離れた生活に。しかし、今この状況を見た後、私はまだ以前の自分に戻れるのか？
私は深く息を吐き、目を閉じて心を落ち着けようとした。
「立ち上がらなければ。戦わなければ。」
心の中でそう繰り返した。しかし、立ち上がろうとするたびに、肩に言葉にできない重さを感じた。私は目の前の敵とだけ戦っているのではない。恐怖、混乱、そして喪失感とも戦っているのだ。
「これはもう私だけの問題じゃない。外にいるすべての人々、この地球のためだ……今やめるわけにはいかない。」
しかし、その声は私の心の中に戻り、私を苦しめた。
「私は……できるのか？」
気づかないうちに、太いレーザーが私の頭上に降り注ごうとしていた。座り込んだ私は、倒れた木が私に向かって倒れてくることに気づかなかった。
すべてが……こんなに早く終わるのか？
