表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/17

シュークリーム事件

あまり細かい事を気にしない女性上司が、料理が出来ない女性社員に言いました。

「あなた、料理くらい出来なきゃ一生独身よ」

言われた彼女が怒って言い返します。

「いいじゃないですか。誰にも迷惑かけていないから」

女性上司が更に厚顔無恥な顔でのたまいます。

「あなた、強すぎるのよ。だからいつまでたっても結婚出来ないんじゃない、男性が守ってやろうって気にならないから」

独身女性は切り返します。

「私は男に守って貰おうとも、料理で男に媚びようとも思いません」

周囲の方が焦り、仲裁に入ります。

「もういいじゃないですか、○○さんが独身で迷惑している人なんて、この世にひとりもいないんだから」

女性上司が厚顔無恥な顔で言い切ります。

「だって、日本は少子高齢化じゃない、この人が結婚して子どもを産めば少しは良くなるじゃない」

「そういう問題じゃないですよ」

「いやいや、そういう問題なのよ、だからあなた早く結婚しなさいよ」

「○○さん、もうやめましょうよ、その話、楽しくないですよ」

「早くしないとマルコー押されるわよ。高齢出産のハンコ」

「ほんと、やめて下さい」

言われた彼女が、啖呵を切りました。

「あと一言たりともそういう事を言ったら、迷惑行為で訴えますけど良いですか?」

あまり細かい事を気にしない女性上司がやっと黙り、すっと会社から出て行きました。

周囲はほっとします。

しばらくして戻ってきた女性上司は、シュークリームを山のように買ってきてひとりずつに配りました。

済まなかった、と思っているのは分かりますが、だったら散々失礼な事を言って申し訳なかった、とか言った方が良いのに、と思っていると、

料理が出来ない彼女にはふたつあげていました。

ふたつあげればいいってもんじゃないよ〜、と心配していると

料理が出来ない彼女は、食べもせずにそのままゴミ箱に放り込んでいました。


周囲は寒々しい空気の中、黙っているしかありませんでした。


(明日に続きます)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ