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果実  作者: らと
2/5

アルヒポリ

私を呼ぶ声。

凶暴な意思、疲弊した意思。

あなたの意志を知覚できる場所。

でも、忘れてしまう。

日が登り始めた頃、物音で目が覚めた。

彼らはテントを片付けている。

私も、テントを片付け始めた。

途中からサクラと小柄な男の人が手伝ってくれたが、全て片付ける頃には日が完全に出てしまっていた。


「こりゃ、参った……少し急ぐぞ。」


昨日と同じく不機嫌な彼女は、伸びをした後


「……まぁ、いつも通りだな。」


そう言って、彼女は1人で歩き出した。

それに皆は続く。


しばらくは今後の話をしたり、色々聞いたりした。

この世界のルール、今向かっている国、それから、サクラの仲間の紹介。

この世界には魔力という未知のエネルギーが満ちていて、それを魔力回路に流し込むことによって魔法を組める。

流し込む回路によって発現する効果が違い、それは言葉と思念によって切り替える。

練度が高ければ、それをせずに発動することができるらしい。

魔法は魔色で分けられており、その色は黒、紫、赤、青、黄、緑、白があり、それぞれ適性があるが、今は魔法学が発達したおかげで、適正関係なしに魔法が使える。


今向かっている国はアルヒポリという所で、この大陸における最大の国。

大陸大結界の中心地であり、政治力、軍事力共に負けることの無い経済の中心地。

多くの行商、冒険者、研究者、その他技術者が集まる場所である。

彼らの拠点もその国にある。


そして、仲間たち。

彼の名は「シオン」

主に後方からの援護や回復などを扱う。

適正魔色は紫。

彼はサクラの幼なじみで、冒険者になる時に、


「お前は危なっかしいからついて行く」


と言って着いてきた。

それから仲間に加わってから少しして、冒険者になったようだ。


彼女の名は「ヒスイ」

主に両手剣に炎を纏わせて戦う。

適正魔色は青。

彼女は酷く転生者を恨んでいる。

理由は、語ってくれないそうだ。


最後に「サクラ」

適正魔色は白。

前衛で、ヒスイと共に敵を斬るらしい。

父親が冒険者だったらしく、そこそこ有名だった。

父親はそんなことを一言も語らなかったが、誰かが語ってことが耳に入ったらしい。


そんな話をしていると、城壁が見えてきた。

日はその城壁に隠れ、辺りが暗くなった。

それから数分ほど歩いて、門前まで辿り着いた。


「身分証を」


サクラは門番にカードを差し出した。

その時に何かを話した後、門番は慌てて、1歩引いて私たちを通した。

私だけが引き止められたが、顔を見るだけで特に何も無く通された。

門をくぐり抜けるとそこは色んな建物があり、広い道を埋め尽くす程人が行き交っていた。

そこで今後分の食料と消耗品を買い、武器を新しく買うことになった。


店の中に入ると、客が1人と店主が居た。

サクラが両手剣を見ている間、他に何かあるかと見ていた。

不思議な感覚の客を見つけた。

その客は刀身の黒い短剣を持っていた。

フードを被っている隙間から顔が少し見えた。

深く引き込まれるような黒色の目に、真っ黒で綺麗な髪をしていた。

そのまま見ていると、こっちの目線に気づき、急いで短剣を購入し出ていった。


「なぁ、お前はどっちがいい?」


後ろを振り返ると、サクラが片手剣を2本掲げていた。

片方は、湾刀、もう片方は直刀だった。

湾刀の方は少し重く持ちにくかったので直刀の方にした。

それから宿を借りた。

今日一日中歩き回って足が痛かったので、そのままベットに倒れ込みふと私の事を考えてみる。

しかし、抗うことは出来ず、ゆっくり視界が黒く染まっていく。

そしてそのまま、意識は深く沈みこんだ。

ちょっとした、設定を少し書こうかと。

「サクラ」

いつも使ってる大剣は魔道具で、黄色系魔法の衝撃波、白色系魔法の破壊、青色系魔法の身体強化等が刻まれている。

その剣は、金銭感覚がまともなら触れることすら避けるような価値がある。

それは、魔力を魔晶合金に吹き込んで作っているからであって、その技術者が世界に数人しかいない。

しかし、魔力を吹き込んだ金属は回路が焼き切れにくくなり、その分多くの魔力を流し込める。

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