ソウルと女神と異世界転移
初めまして!カクレクマノミです。
めちゃくちゃな文ではあると思いますが、ぜひ楽しんでください!
それではーーーGO
「なんだここは…」
俺は気づいたら真っ白な空間にいた。
視界の奥にぼやけたなにかが見える。明るすぎて明順応が追いついてないのか。
「ようこそ!死後の世界へ!マツダ ソウルさん」
ぼやけたなにかが話しかけてきた。なぜ俺の名前をしっているんだ?声からして女性だろう。しかし声にノイズのようなものがかかっている。不思議な感覚だ。
しかも死後の世界などとふざけた事を言っている。夢…にしては妙にリアルな感じがするな。
自分の体をひと通り見てみるが目がぼやけてよくみえない
「お前は誰なんだ?」
「私は偉大なる女神よ!お前だなんて失礼極まりないわね!今回は許してあげるけど次からは女神様と呼びなさい!まったくもう定時過ぎてるから帰りたいのにノルマがあと一人で最後がこんな礼儀知らずとは,,,ほんと嫌だわー」
ふーん女神も定時とかノルマとかあるんだな。じゃなくて女神!?痛い奴だな。。口も悪い
「俺は死んだのか?死んだ理由に心当たりがないのだが?」
一応聞いてみる。正直な話最近流行りの異世界ものに憧れてはいたのだ。現実なら現実で悪くないなと思う。現世に未練なんてないしな。そう思うと今の状況が楽しく思えてきた。
「そうよ!あなたは死んだの。そしてここは死者を輪廻の輪にて転生させる場所…名を死者を転生させる場所略して神界よ!」
なんだその今すぐ輪廻の輪に乗せて転生させた方がいい名前は。女神とやらが自慢げに言っているがどこにその要素があるのかわからん。略になってないし略だけでいいしツッコミどころがたくさんだ
というかノイズがひどすぎる。聞き取れはするがストレスだ。目のぼやけもなおらないし。
「なぁお前の声のノイズどうにかならないのか?目もずっとぼやけていてよくみえないんだが。」
「はぁ?そんなはずないでしょ?この美貌と美声がわからないの?この空間は死者に合うように作られてて逆に生きてるものには...観測...できない...」
だんだん女神の声が小さくなっていく。
パチンッ
指パッチンのような音が聞こえた瞬間視界のぼやけがとれた。視線の先に純白のドレスを着た美しい白髪の女性がなにやらうつむいたまま立っていた。長く綺麗な髪が顔を隠している。うつむいたままでもわかるほどの美女だ。確かにこれなら自分で美貌なんて言っていても文句はないだろう。
「どう...?」
女神がうつむいたまま聞いてきた。ノイズもきれいになくなっていて透き通るような声だけがきこえた
「へ、へい。ぼやけもノイズもきれいになくなったでござる。ありがとうでやんす。ぐへへ」
いきなりの美女に驚いてキャラも忘れて気持ちの悪い返事になってしまったが何一つ動揺していない冷静な男をよそうことができた。そうだろう?そうだと言ってくれ。。。
変なことを考えていると女神が顔を上げた。
「え、、、?」
確実に美女なのだ。美女なのだがなぜかとても青ざめた顔で変顔をしている。いや、これは変顔ではない。苦笑いだ。レモンを丸ごとかじったような顔で苦笑いを浮かべている。
「どうかしたのか?早く俺の死因を教えてほしいんだが」
女神の顔に驚いたがキャラを取り戻し俺は尋ねた。
みるみるうちに女神の顔に涙がたまっていく
「ごめんなしゃ~~~~~~~い」
泣き出したと思ったらつぎは謝りだした。土下座からどんどん土下寝に変わっていく。いや、これはある意味失礼だろ。いきなりのことに頭が追い付かない。
「ソウルさん、あなた、、まだ死んでないの」
少し顔を上げて女神は言った。
「どういうことだ?一から説明してくれ」
ーーーーーーーーーーーー少し前ーーーーーーーーーーーー
どこまでも白が続く空間に白髪の女神と一人の男がいた。
「じゃああなたの来世はキチョウね!冬にも強い蝶々だったはずよ。詳しくはしらないけど」
「ちょ、蝶!?ちょ!ちょまーてよ!ちょ、、、」
「じゃあいってらっしゃーい。よい来世を~」
女神は人差し指を上に向け呪文を唱え輪廻の輪を出した。
太陽のように大きく(実際はもっと小さい)赤いその輪は男を吸い取った。吸い取られる間男は何の抵抗もしなかった。できなかったのだ。その輪の美しさに見とれていて。
「はぁ~おわった~。ちょっちょちょっちょうるさかったわね。」
女神は少し伸びると時計を見る。
「げ!もぅこんな時間じゃない!ノルマまであと一人。めんどくさいけどさっさと終わらせちゃいますか」
女神は現世を見ることのできる鏡。創造主の鏡を取り出した。死んだ者の魂をこの鏡から取り出すことができるのだ。
「さーて死にそうな子はいるかなーん?この子。。」
鏡には男が映っている。この男こそ「マツダソウル」なのである。
年は18歳 中肉中背 黒髪 特に特徴のない男だ
「あーバイトつかれた。一人暮らし始めたはいいものの中々たいへんだな。これじゃいつか過労死しちまう。あ、最近寝れてないせいか一気に眠気が、、、」
バタッ、
「ぐーぐー」
最近働きづめの毎日だったせいで倒れるように眠ってしまったソウルだが女神は
「あ!倒れた!さっき過労死とか聞こえたしきっと死んでしまったのね。ていうかもう時間すぎてるしこの子でいいわ。名前はマツダソウルね。よし!」
“魂の回収”
「なんだかこの魂取りずらいわね。少し力を強めて、ふんっ」
スポン
「よーし今日の最後の仕事も頑張るわよ!」
ーーーーーーーーーーーー現在に戻るーーーーーーーーーー
「というわけなの…」
「それでただ眠っただけの俺の魂を勘違いして取ったと」
「はい。すみません。。」
「はぁ」
俺はため息をつく。なんだこの女神は。仮にも神の仕事がこんなに適当でいいのか?あんまりかわいく見えなくなってきたなこいつ。
「まぁ間違いは誰にでもあるんだ。俺は気にしてないから元の体に戻してくれ。別に未練はないが死にたいってほどでもなかったしな。勝手に魂取られたのはいい気分ではないが、怒るほどのことでもないさ」
俺はイケメン顔負けの笑顔女神に笑いかけた。寛大な心で許してやろうと思う。
「実はもう生き返ることができないわ。現世からこちらに魂をとることはできても、こちらから現世に魂を送るのは輪廻の輪を通さないと無理なの。でもソウルの魂は死んでる人のものじゃないから輪廻の輪にのることも不可能なのよ。さらにここは神界。人間の魂ではそう長くはいられない。長くいれば魂が浄化されて消滅してしまう。」
女神は元気のない声でそう答えた。続けて
「でもそうよね!間違いは誰にでもあるものよね。怒ることでもないならよかったわ!実はソウルも異世界ぐへへとかかんがえてたんでしょ?うふふソウルが寛大な方でうれしい。てへぺろてへぺろ」
女神は元気を取り戻しミスをなかったことにしようとしている。
俺は般若顔負けの顔でにらんだ。寛大な心で殺してやろうと思う。もう微塵もかわいいと思わない。何がてへぺろだ。殺すぞ。
「じゃあどうすんだよ!現世に戻れない。転生もできないんじゃどうしようもないじゃねぇか」
さすがにあせってきた。つい声を荒げてしまう。
「一つだけ方法があるわ。異世界転移よ。」
女神は落ち着きを取り戻し冷静に答えた
「異世界転移?」
「ええ。ソウルの体をこちらに持ってきて魂と体をくっつけて異世界に転移させるの。」
「なぜ現世に転移じゃダメなんだ?」
「転移は言わば魔法。ソウルのいた現世(地球)には魔法なんてものなかったでしょ?わたし達神の力をもってしても現世への魔法の行使は難しいの。だからこそ魔法の存在している異世界にしか転移できないわ。創造主の鏡はどの世界でも覗けて干渉することができるけどこれは神よりも上の存在。創造主が作ったもので扱えはしても世界を覗きものを引き寄せる以上のことはできないのよ。でも簡単に転移できるわけではないの。危険もある。どうしても一瞬神界に体が通るから異世界に無事ついたとしても体と魂になにかしらの影響があるかもしれない。下手したら消滅するかも...それでもやる?」
女神はこちらをじっと見たまま立っている。あくまで俺に決めさせるつもりのようだ。
「お前はどうするんだ?」
「ソウルがもし転移を選ぶならついていくわ。生きてる人の魂を取るなんて大犯罪だもの。どちらにしてもここにはいられないのよ」
いろいろ難しいことを言われたがとりあえず転移しないと消滅することだけは確実なんだ。可能性が0じゃないなら選択肢は一つしかないだろう。俺は決意とこぶしを固め女神に言う。
「異世界転移を頼む!」
女神はうなずく
「わかったわ!この女神ルミエール様にまかせなさい!」
女神ルミエールが人差し指を上に向けるといくつもの魔方陣が現れた。そのとたん、ただえさえ白い空間に白い光が充満した。
「すげぇ…」
とてもきれいで温かい光に包まれて意識が薄れかけていく
薄れかけてきた意識の中で思う。
めっちゃかっこつけてたけど、こんな状況になったの全部あいつのせいだよな。あのくそ女神め…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
広大な草原の中で目を覚ます。どうやら転移は成功したらしい。
ここから異世界転移者の俺マツダソウルと疫病神(女神)のルミエール異世界転移記がはじまる。
このたびは「魂と女神の異世界転移」を読んでいただきありがとうございます。
直したほうがいい場所や今後のアドバイスがあればぜひお聞きして改善していきたいと思っています。これからも何卒宜しくお願い致します。