自惚れてはいないけど自惚れは敵
マジで鑑定とかほしい。悪ふざけで呼んでみる。
「おーい。鑑定さ〜ん」
当然だが応答がない。別のありそうな名前で呼んでみる。だが賢者や賢人しか出て来ない。ダメモトで呼んでみる。
「お〜い。賢者さ〜ん」
『はい』
「!」
応答があり思わずビクる。
「賢者さん?」
『はい』
本物だ。
「賢者さん。ステータスが見たいんだけど」
何か目の前に出て来た。
サイズインセクト LV15
体力 50/50 スタミナ 80/80
攻撃 30 特殊攻撃 20
耐性 20 特殊耐性 10
スキル
持久力 毒耐性 ハンター 変異 核喰らい 毒皮 毒液 毒牙 蜘蛛糸 保護色 鱗 顎 筋力
称号
血縁者捕食 乞食 空き巣 卵泥棒 罠師
雑魚だし、何か凄い事なってるし。
そんな時だった。
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妙に焦げ臭い。火だ。生物の天敵だ。そして人間が見える。この状況を打開するためにもう一度ステータスを見る。
「…賢者さん。変異って何」
『体を変異させる』
変異の説明を聞き、まずは火に耐えれる体に変異させ、火を纏わせる。
「あと、いつの間にかじゃなくて、なんだ、その、いちいち報告してくれ」
『受諾しました』
火を纏ったまま鎌で斬りかかる。
『火耐性を獲得しました。火属性攻撃を獲得しました』
戦闘にいた人間の胴体を仲違いさせる。そして再び体を変異させ、鎌に毒を纏わせる
『毒鎌を獲得しました。レベルが16に上がりました』
攻撃してきた人間を切り裂き、人間がもがき苦しむ。いつの間にか回り込んできた人間を視野の広さを活かして拘束し縛る。縛っていた人間は圧迫死し、もがき苦しんでいた奴は死んだ。
『レベルが18に上がりました。猛毒を獲得しました』
一段落したが、すぐさま増援が来た。そして毒鎌で斬殺していく。
『レベルが19に上がりました』
『レベルが20に上がりました。リッパーインセクトへ進化可能です。進化を実行しますか』
「あぁ。するよ」
急な眠気が襲って来るが、気合で吹き飛ばす。
身体が一回り大きくなる。蜘蛛糸をきつく縛っていたため、大きさに対応出来なくなり弾け飛ぶ。体色が赤と黒の禍々しい色に変わり、脚やら鎌も禍々しい物に変わっていく。
『進化が完了しました。ユニーク進化特典で、切れ味、鋼鉄皮を獲得』
人間がリッパーインセクトに進化した瞬間、逃げていった。報復は終わったが、逃げられても面倒なので切り裂く。
姿は蟷螂だが、精神は人間。だがメチャクチャ動いたので腹が減っている。なので心頭滅却。これは縄張りを荒らした外敵と自己暗示をかける。
人間を貪りながら一通りスキルを確認した。何かヤベーのがあった。だが疲れたので寝た。
『…命令を受信。個用スキル。記憶をダウンロード。スキル。記憶を獲得。個用スキル。再現をダウンロード。再現を獲得』