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shot out ~ハンドボール物語~  作者: ヤン・ウェンリー
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第六話:BEGINning

地方大会や地区大会は開催されているみたいです。

観客の居る大会が行われるまで

感染に気を付けて、試合や運営をしてくださいね。


それでは、涼太を交えた練習風景を御覧下さい。

 再開したアップはそれぞれで別れて開始した。

 もう一度身体をほぐして、温めた涼太はコートの端に立った。

 スタンディングスタートで3歩だけダッシュする。

 繰り返した次にはクラウチィングスタートで5歩まで、次第に強さを上げた。

 横に龍乃助が来て「今からハーフコート位まで競争出来る?」

「コートの半分だよね?大丈夫です。」

「まだ言葉は固いなぁ~、勇斗合図!」


 勇斗の合図でスタート、終わった龍乃助の合図で勇斗達がスタート。

 四人で順番を入れ替えて何本か走った。

「涼太は俺と比べてどんな感じ?」

「やっぱりスタートから速度に乗るのは、勇斗位まで有るよ」龍乃助が答えた。

「最速の称号はとられるかぁ~」

「涼太君、次は慣れていない切り返しだ。捻挫に気を付けて。」と友希が注意してくれる。

「勇斗、見本行こうかぁ。」龍乃助が声をかける。

 3歩ずつジグザグに走って行く。

 最初はゆっくりと、回数が増えてくると、腰を落として鋭く動く

「涼太君、これは守備につながるトレーニングになる。前の二人の様に手を広げて壁を作ろう。」

「あっれ?、返しにくい。」

「足を広げて、腰を落とす。次の動作への切り返しを意識して。」

 友希のアドバイスを守って、なんとかこなす。

「次はバックステップで!」

 勇斗達の動作を見てから行うが、さっきよりやりにくい

 歩幅はとってないはずなのに…

「二人はクロスステップを踏んでる。あれは慣れないとね…だからこっちのキーパーが使うステップを見て。」

 なんとか切り返してバックステップが踏める。

「素早く!最後は腰を落として、切り返しに備える!」

「あっ、はい!」足がついてくれる。


「今度は手が下がってるよ。鬼ごっこで通さずの壁作って下がって牽制するイメージ。」

 次に備え息を整えている涼太に友希がコツを指南する。

「あっ、うん。」

「一回だけ僕が前で攻撃側をするから、イメージを焼き付けて。」


 通さないように、ジグザグに下がる。

 手を広げて壁を作る。反芻するように呟きながら涼太はこなした。

 息が上がる。バックステップの無い陸上とは違うアップは少し身体に悲鳴がくる。


 龍乃助がボールを持ってきた。

「今度は肩をつくるよ。」

 5m位のキャッチボールを始める。

 昨日を思い出して、龍乃助に返す。

「ちゃんとキャッチ出来てるね…」

「昨日勇斗と少ししたんだ。」

 納得した龍乃助が「球を散らすから、正面に入って取ってね。」

「うん、わかった。」

 右に左に動いて、球を取る。だけど返す球筋が安定しなくなる。

「どうだい?利き腕と反対は返しにくいだろ?」

「うん、どうしてわかるの?」

「みんな同じだからね。じゃあ逆で返す事出来るかな?」


「逆?」

「ラテラルパスって名称で外に流す。見てて。」


勇斗と龍乃助が逆を向いているのに鋭いパスワークをしている。

右足が出ても、左足が出てても利き腕を返してパスをする。


「えっ!」

勇斗達が利き腕とは逆でのパスも混ぜ混んでくる。

どんな向きでも返す二人を観ていると、友希が声を掛ける。

「これで敵と反対向きでパス回しが出来る様になる。」

「うん。」

「まずは返す様にしてみよう。」

ボールを持った足を出して、横を向いた状態で投げる。

正面で受けて、逆手で動作をする。


利き腕はヒュって感じが出来るが、逆手は山なりなってしまう。

何か右と左で対称に成ってる気がしない。

「勇斗、龍乃助、左右に並んで。」友希が指示を出す。

「お前は?」龍乃助が問う。

「正面に入るから、たまにパスをくれ。」


たまに友希がボールをもらう事で見本になる。

「涼太君、君がパスをもらう時は僕は敵だ。叩かれないように気をつける事、パスを出す前に味方の位置を把握する事。ここに注意してもう少しやろう。」


正面に居る友希を見ながら、パスを出してみるが乱れて横に居る勇斗や龍乃助が慌てて居るのが分かってしまう。

少し申し訳ない気が頭をかすめる。


勇斗が手を止めた。

「最初から上手には出来ないよ。逆手で球を落とさないだけでも大したもんだよ。」

龍乃助も「こっちからのパスだって落としてないしな、慌てて無い。ひとつひとつこなしていこう。」

「だけどそれってキレイにパスしてくれるからじゃ…」

「涼太君、それは違うよ。試合中はどうしてもパスが乱れる。乱れてももう一度やり直せる、それが大事なんだ。上手く無くても、ボールを落としても、敵ボールにしない事。心に止めて置いてくれ。」

友希が真っ直ぐこっちの目を見て心得を教えてくれる。


「ありがとう。覚えておくよ。敵に渡さないだね。」


みんなが笑顔で頷いてくれる。

大事な事をひとつひとつ覚えていこう。

ここに居る仲間が教えてくれる、ハンドボーラーへの道を涼太はそれを追いかけて行くだけ、

先が長いのはもう分かっている事だから…


国体は中止だけど

冬の選手権がある競技は全国大会するのかな?

とりあえずWRCのジャパンラリーは中止。

国際規格、国際大会の日本開催はまだまだ先だ

オリンピックはまだ……決まってない。

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