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shot out ~ハンドボール物語~  作者: ヤン・ウェンリー
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第五話:PLANning

早くハンドの試合が見たいけど

どうもならない。どこの省庁が指針出してくれるんだよ~

 全員集合した菖原(あやめはら)高校ハンドボール部新一年生達

 口火を切ったのは、長ズボンを穿いてる友希だった。


「みんな揃ってるし、アップの前に話し合いしようか。」

「そうだな、まずは特攻隊長 勇斗君。涼太君の成長計画を皆に披露してくれたまえ。」龍乃助が勇斗をあおる。


「龍乃助、お前なぁ…、まあいいわ…そこは、うちの新戦力涼太は中学の時は、陸上でハードルと高跳びをしてたそうだ。」

 勇斗の紹介で皆の視線が涼太に向く。

「あっ、うん、やってたけど市の大会で賞状は…もっ、もらったけど、次の西三大会は予選通って、決勝をやっただけだよ…」

「それ充分スゴいから」好伸が涼太を讃える。

「んっ、それってどっちの話だ涼太?」次に浩樹が思った事を口にする。

「あっ、走高跳びの方!」涼太が慌てて答える。

「じゃあ、ハードルの方は?」続いて竜馬が質問を重ねる。

「そっちは…市内の準決勝で…敗退です…。」涼太の視線は下がる。


「ちょっと待ってくれ。」再び友希が発言した。

「涼太君、市内のハードルは何人選手登録してるんだ?」落ち着いた口調で聞いてくるのはまだ発言していなかった慎一だ。

「詳しくは知らないけど、百人は居たよ…。」顔を上げた涼太がそう言うと、みんなは視線を交差させている。


「それってスゴいよね…?」目を丸くした龍乃助。

「そりゃスゴいだろ?、この中でその陸上大会に出たとして同じ成績出せるか?」浩樹も驚きが隠せない…

「さっきの柔軟体操の柔らかさは…そこか…」感心した顔は好伸だ。

「勇斗!お前ならそれぐらいの成績残せるのか?」最後に竜馬が聞いてきた。

「わかんないけど、たぶん無理、逆にハードルなら市内で成績残せるのか位で、高跳びはそこまでいかないかなぁ…」

 慎一が周りを見回していた涼太に質問をする。

「涼太君、垂直跳びって?何センチ?」

「えっ、あっ…あ、70センチに届かなかった位だったよ。」


 これは決定だ。皆の顔に宝物を見つけた様なワクワク感がにじみ出ている。

「おいっ、涼太、キミのタッパは180は有るよな!」龍乃助が横に来て、自分と比べている。

「去年計った時は届いてないよ。だけど止まった感じも無いんだ。」

「よしっ!これで高さの勝負も計算出来るかな…」友希はうなずいている。

「涼太!どうだ、俺もここまでとは思って無かったけど、皆もスゴい顔してると思わないか?」

「うん。どうして…?」

「まずはその身長、これで壁が出来る。これで友希の負担が減るんだ。」そう言ってたのは慎一だ。

「俺とジャンプしてくれればシュートコースを制限出来るって事、バレーのブロックは目で見てわかる一番の防ぎ方だなぁ。」

 涼太が気付く様に説明してくれたのは浩樹。


「そして陸上の経験値はスゴいよ、だってコートの端から端のダッシュしたら、誰が勝てる?」周りに聞いてる好伸。

「この中で1番早いのは勇斗。勇斗勝てる?」竜馬が勇斗の方を向く。

「今ならね、涼太がハンド覚えたら、五分か?わからんなぁ…」

「って事は、速攻の枚数が増える…楽しみになるなぁ」好伸は楽しそうだ。


「そしてセットプレーは涼太を基点使えば…」龍乃助が

「そう、攻撃の幅は広がる。」勇斗が繋げる。

「シュートが出来るなら…」浩樹が言えば、

「ダブルの選択肢も取れるってわけだ…。」ニヤニヤが止まらい勇斗だ。


「って事は、涼太君の加入は、皆のプレーの幅を爆発的に増やせる可能性を秘めまくってるって結論で良いかな?」友希が全員の顔を見渡す。

「そう結論づけて間違いないね。」頷く慎一。

「よろしく~涼太!」龍乃助は抱きついてきて、背中を叩きまくる。

「あ、あっ、うっ、…うん。よっ、ろ、しっ、く」声が出せない。

「龍乃助!ちょっと強い、その辺にしとけよ。」勇斗が叩くのを止めてくれた。


 龍乃助から逃れた涼太は息を整えた。

 そしてずっと抱えていた疑問を口にする。

「みんな、春休みから参加してるんだよね?」

「ああっ、そうだよ。涼太君。」代表して友希が答える。

「それにしては、みんな仲が良いと言えば良いのか、中学は違うはずだよね?」

「そっ、俺達全員、中学は見事にバラバラ。」手を広げて、今度は竜馬。


「だけど、杉田先生が市の代表チームとして、部活以外で集めたクラブチームとしてプレーしてたんだ。」慎一が納得のいく説明を入れてくれた。


「一年生の練習試合から、顔を合わせて二年半位か、知り合いの友達?ライバル?ってところから、最後の一年位同じチームでプレーしてるからかな。」浩樹が懐かしむように話してくれる。


「そこで涼太の加入は、まず守備の感覚を覚えてもらおうと思う。」勇斗が説明をする。

「そして次は速攻に参加してもらわなきゃだな。」好伸が続ける。

「そこからオフェンスのパターンにも入ってもらわなきゃ」と慎一。

「ちょっと待て、キーパーからの視点も少し学んでもらわなきゃ呼吸が合わないぞ。」いつもは冷静な友希まで興奮し出してる。

「最後には俺との最強のダブルポストを組んでもらうか~。」「まてまて、涼太はこの身長なんだ!上をしてもらう事も出来るって。」浩樹や竜馬までこの始末だ。


「勇斗…これって…」

「はっはっ、皆が涼太の体格見て、ポテンシャルを知ると、こうなるわなぁ~」

「涼太頼むぜぇ、俺らはアイツらに勝ちて~からよぅ。」龍乃助にまた肩を組まれた。


「ああっ、そうだよ龍乃助。これからだ。友希~続きを始めようや~。」

 勇斗は終わりの無い涼太の生かし方を言い合ってるメンバーに、終了を告げた。


 まだ始まってない、これから始まる。チームの行く末に想いを馳せて…

文部科学省はオリンピックやる気有るのかなぁ?

早く対策しないと、グダグダなオリンピックになりそうだ( ̄▽ ̄;)


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― 新着の感想 ―
[一言] 私も中学生時代にハンドボールをやっていたので(超弱小校でしたが)、懐かしく思えます。ああ、身長がもっとあったならばなあ……。
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