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shot out ~ハンドボール物語~  作者: ヤン・ウェンリー
1/15

プロローグ:START

処女作品の上での初投稿になります。

勝手がわからず、四苦八苦しています。


皆さんの感性に合えばよろしいのですが…

それでは御覧下さい。

 桜舞う春の朝、涼太は目を覚ました。

 いつもの天井、見慣れた配置の部屋、唯一の違いはハンガーに掛けられた真新しブレザーの制服

 ベッドから起き上がった涼太は最初に窓を開け、気持ちいい春風を入れてブレザーに袖を通して、バックを引っ掛けて階段を下りた。


 準備を整えて「いってきまーす」と言うと、奥の方から

「今日は何時に帰って来るの?」と母親の声が飛ぶ。

「誰かと仲良くなったとしても、夕方までには帰ってくるよ」

 と玄関を閉めながら返事をして、祖父からの入学祝いのロードバイクに跨がって、春の穏やかな通学路を颯爽と駆け抜けて行った。


 涼太の三年間通う菖原(あやめはら)高校は愛知県の川沿いに有る私立高校で、男子校でもある。

 山合に住んで近くに高校が無いため、少し離れた公立高校とこの学校が距離的な選択だったが、駅が有るこの高校を選んで今後の行動範囲拡大を涼太は目論んでいた。


 入学式が終わりホームルームが始まるまで、やれる事が少ない涼太はボゥーとスマホを眺めていたら、前の席の生徒に話しかけられた。

「オレは樹神(こだま) 勇斗、若園中学から来たんだ!キミは?」

「僕は新谷 涼太、旭中学出身なんだけど…分かる…かな?」

 山合の学校から来た涼太には、勇斗が知ってるか不安だった。


「あっ分かるよ。さすが行ったことは無いけどここから北の地区になるよね?」

「そう、なる…ね…」と少しビビって答える涼太、

「お前さんこそ、うちの中学知ってるの?ここからだと反対方向になるのに…」と笑いながら答える勇斗に

「電車が通る路線沿いの学校は、受験高校見てる時に知っただけなんだけどね」と笑って返す。


「そうか…まぁ1年間よろしく」

 屈託のない笑顔と共に、手に差し出す勇斗に

「ああ、よろしくね」握手を返す涼太


 後に高校屈指のコンビと知られる二人のファーストコンタクトだった。


 ホームルームが終わって、勇斗が振り向いた。

「涼太は中学の時、部活何しとったん?」

「陸上でハードルと高跳びしとったけど」

 驚くまではいかないが不惑の笑みを浮かべる勇斗。

 180近い身長と肩幅の広い体格はそうは見えないらしい。

「小さな中学だったから、選択肢が無かったんだよ」と涼太は答える。

「そういう勇斗は、中学は何部だったんだ?」とさらに返す。


 勇斗は待ってましたと感じる笑顔で

「オレはハンドボール部、ここもハンドするために選んだんよ」と応えた。

「ハンドボールってフットサルみたいなコートで、バスケの様なドリブル出来るスポーツだよね?」

 その答えを聞いた勇斗は軽い笑みを浮かべて

「まぁ知らない奴から見ればそれで合ってる…」

(ルールが解ってないなら……そうなるわな…)と思いながら勇斗は続ける

「確かうちの学校、陸上部無かったよね?どうするのそのへん?」


 涼太はまだ漠然としか考えていないから、答えに躓く

「…まあ大学には行きたいから、特進コースだけで決めたし…、本当は電車に乗ったりする学校に行けたら、学習塾とかバイトするとか…有ったかなぁとは思ってるんだけど…」

 表情に困りながら答える涼太に、勇斗は満面の笑みを携えて、

「そっか大学に行くの決めてるなら、間でハンドしてみないか?」

「へっ?」目が点になる涼太

「ハンドボールを…僕が…?」話が繋げられない

「そう。その体格で、運動もしてるなら体幹も出来てそうだ!」

 勇斗は目線を上下させて、涼太を品定めしながら続ける。

「更に言えば、学習塾やバイトを1番に考えてるなら、この学校って選択肢は外れるはずだ!」

 今度は顔に指差しをして、決めゼリフの様に言ってくる。

「と言うことで高校三年間を有意義に過ごせる提案を、俺はお前さんにしてるってわけだ…」

 今度は目を瞑って、顔を上下させながら納得してる態度で語り掛けてくる。

「説明は理解出来るんだけど…誘う理由になるの?」

 涼太は戸惑いながら、言葉を返す。

「もちろん。イヤなら現時点で断る…だろ?」

「そうなんだけど…」

「実はもう1つ有るんだが、聞くかい?」

 頷く涼太を見て勇斗は言葉を発する。

「インターハイに出たい!!」

「それは理由?」

「悪い、理由じゃないな。俺の希望になるね、今年集まるメンバーでは少し実力と人数が足りない。だから誘いたい。」

「分かると思うけど、僕はハンドボールしたこと無いよ。」

 お互いに苦笑を浮かべはいるが、目は真剣だ。

「そんな事は解ってるさ。ただ県内の実力者は、中学の時に誘われて県外の有名高や直近の優勝高に入学する。」

「ここに集まるメンバーは優勝経験が無い連中や、この近辺での経験者でチームとなる。」

 口も開けず見つめる涼太、続けても良いサインと受け取って勇斗は

「だから新しい力を引き入れる。俺は直感的にお前さんを見て出来る姿が浮かんだ。これなら理由になるか?」


 勇斗の言葉に、声が出てこない涼太との間に、開いた窓から春の始まりを告げる桜の花びらが抜けていった。


どこまでチートらずに出来るのか?

先が見えてませんが、これから現状のルールや過去の経緯を調べて

試合部分に生かしていければ、と感じながら進めていく予定です。

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