スコル王国第二王子夫妻の少し早い夏休み
帝国歴345年6月の中旬、妻シルヴィと愛娘エルビラが待つ自身の邸宅に戻ったスコル王国第二王子ニコラスは、夕食の席で
「来週から旅行に行くぞ」
と彼の妻に宣言した。
「旅行?」
「ああ。半分は公務だけど、もう半分は休暇だ」
二人が結婚した直後にも、公務を兼ねた旅行に行った。もう2年以上も前のことだと気づくと、時間の流れの早さにニコラスは驚かされる。
だが、今は自分の感情よりもシルヴィの反応のほうが重要だった。
彼女は完全な休暇ではない旅行と知って、どう思うだろう。それでも喜んでくれるだろうか。それとも、煩わしいと思うだろうか。
たまには完全な休暇でシルヴィを連れ出すことができたらいいのだが、しかしそれはこの国の王子であるニコラスにはなかなか難しいことだった。
ニコラスは少なからずどきどきしながら妻の反応に注目した。
シルヴィは笑顔で
「それで、今度はどこに行くの?」
とニコラスに尋ねた。
興味と好奇心が浮かんだその顔を目にして、ニコラスはひとまずほっとした。
「シュニークという港街だ」
「港街? じゃあ、海があるの?」
「ああ、そうだよ。ぺリオン海に面した街だ。後で地図を見せるよ」
「うんっ」
大きくうなずいた後、シルヴィは
「楽しみだわっ」
と続けたから、ニコラスはますます安堵した。公務込みの旅行であっても喜んでくれる妻を、彼はいとおしく思った。
二人は夕食を食べ始めたが、その時の会話はもちろん来週からの旅行についてだった。
「旅行でメトゥネから出るなんて、すごく久しぶりな気がするわ」
「………そうかな? 先月視察でベールに行ったじゃないか」
ニコラスが事実に即して述べたところ、シルヴィは
「それは旅行じゃなくて完全なる公務でしょ!?」
と口を尖らせた。
彼女の機嫌を損ねないように、ニコラスは即座に
「そうだな」
とシルヴィに同意した。
それが功を奏し、彼女はそれ以上ニコラスに反論しなかった。
「でもまぁ、確かにスコル国内を旅行するのはものすごく久しぶりだよな~。ひょっとして、2年前にスフォンテに行って以来か?」
「そうね。去年はいろいろと忙しかったし………」
二人はそれぞれ頭の中で、去年のことを思い出した。
去年、つまり帝国歴344年は、二人にとっていろいろと慌ただしい1年だった。
まず、新年早々、エルビラを妊娠中のシルヴィが老婆に襲われ、その老婆の処遇を巡って彼女はニコラスと激しく対立した。
その際にニコラスが不用意な発言をしてしまい、それに激怒したシルヴィは彼に心を閉ざしてしまった。
ニコラスは謝り倒し、何とか彼女の許しを得た。
その罪滅ぼしに、ニコラスはシルヴィの二人の妹テレーズとソレーヌをスコル王国に招待した。二人を引率したのはニコラスの士官学校時代の先輩のヴィクトールだった。
それが確か2月のことだっただろうか。
その後、5月の上旬にシルヴィは無事に女の子を出産した。それが二人の愛娘エルビラで、生まれてからもう1年経った。
待ち望んでいた子供の誕生はニコラスの胸を震わせた。エルビラが生まれた時の感動をニコラスは忘れられない。そしてその日以来、1年以上経つのに、彼は毎日幸せをかみしめている。
翌月、シルヴィの父でありニコラスにとっては舅に当たるナルフィ大公ユーリが彼の子供のビセンテ、テレーズ、ソレーヌと一緒にエルビラを見るためにスコル王国に来てくれた。
その時に、ニコラスとシルヴィはテレーズとヴィクトールが婚約したことを知らされた。二人が恋仲だったなんて全く知らなかったニコラスとシルヴィは度肝を抜かれた。
ということで、10月に帝都ローゲのナルフィ家別邸でテレーズとヴィクトールの結婚を祝うパーティーが開かれた。それに出席するため、ニコラスとシルヴィはローゲに赴いた。そこでシルヴィは家族に、ニコラスは学生時代の親友たちに再会することができ、二人にとってとても感慨深い時間だった。
このように来客があったり、ローゲに行ったり、その合間に公務もあったりして、それにエルビラの成長という彩りが加わったため、ニコラスとシルヴィにとって344年はあっという間に終わってしまった。
対照的に、今年は公務はいくつかあったものの、来客はなかった。公務以外の用事でどこかに行くこともなかった。去年に比べれば単調な、刺激の少ない日々が続いていた。
それもあり、二人、特にシルヴィは、少なからず非日常の時間を求めていた。
そんな時にニコラスが旅行に行くと言ったため、シルヴィはわくわくした。
おまけに、今回はエルビラも一緒だ。それがシルヴィの胸を余計に弾ませた。そしてそれはニコラスも同じだった。
今まで公務で家を空ける際、二人はエルビラを連れていかなかった。1歳にもならない赤ん坊を長距離移動に巻き込みたくなかったからだ。
これがエルビラを連れての初めての旅行になる。家族の思い出を作るいい機会だ。
二人は子供のようにはしゃいで出発の日が来るのを待った。
****
一週間後、ニコラスとシルヴィ、それにエルビラは王都メトゥネを出発した。
とはいっても、当然ながら、三人は三人だけで出かけたのではなかった。女官のアマリアとエリカ、エルビラの乳母、ニコラスの侍従たちや護衛の騎士の一団が付き添った。
一行は五日かけて目的地のシュニークという港街に到着した。その道中、街道沿いにある町や村を訪れ、第二王子夫妻を熱狂的に迎える民たちとちょっとした交流を持った。これがスコル王族であるニコラスとシルヴィに与えられた公務だった。
そしてシュニークにある王族の別荘に入り、テラスに出て海を見下ろしたシルヴィは、目の前に広がる光景に言葉を失った。
シュニークの港はぺリオン海に接しているのだが、シルヴィの実家ナルフィ家が治めるシャルナルク一帯の海辺とは違い、その地形は入り江だった。しかも切り立った崖に沿って建物が並んでいる。ナルフィ南部の海沿いとは違い、砂浜はない。
しかしシルヴィが驚いたのは、地形ではなかった。
彼女は海の色に仰天したのである。
シルヴィが幼い頃から何度も遊んだシャルナルクの海は、まだら色だった。深緑に見えるところもあり、青く見えるところもあった。その天然のグラデーションが何度見ても美しいのだ。
それなのに、砂浜で遊ぶ時に見る海水は透明なのだ。
幼心に、シルヴィは不思議に思った。手ですくっても、入れ物を使ってすくっても、海水は透明なのに、水平線のほうを見ると海はどうして青や緑に見えるのだろう。
実は彼女はいまだにその理由を理解できないので、今も疑問に思っている。
ところが、このシュニークの海だってまだら色をしたぺリオン海の一部のはずなのに、シルヴィの眼下に広がるのは、大量のラピスラズリ色の絵の具を溶かした水を流し入れたような濃い群青色をした海だった。とにかく群青一色で、そこに色の濃淡は全くなかった。
目に飛び込んできた鮮やかな青色が息を呑むほどに美しかったから、シルヴィは驚きと感動とで言葉が出てこなかったのだ。
「………どうだ? きれいだろう?」
海に見とれて固まっていたシルヴィの背中に、エルビラを抱っこしていたニコラスが控えめに声をかけた。
ニコラスがシルヴィの隣に立つと、彼女はちらりとニコラスを見たが、視線をすぐに海へと戻した。
「ええ………」
感嘆のため息とともに発せられたシルヴィの感慨を含んだ声に、ニコラスは満足した。自分が美しいと思う景色をシルヴィも同じように思ってくれたことが彼には嬉しかった。
「こんな色をした海がこの世にあるなんて、知らなかったわ………」
一面の群青色から目を離さないまま、シルヴィは呟くように言った。
「これがシャルナルクと同じぺリオン海だなんて、信じられない………」
「ここは南からの海流と北からの海流がぶつかる場所だから、とれる魚の種類も豊富なんだ。夕食が楽しみだな」
ニコラスが言ったとおり、夕食はとれたての魚介類がふんだんに使われた豪華なものだった。
シルヴィたちはおいしい食事に舌鼓を打ち、たっぷりの潮風を浴び、ゆったりとくつろいでこの街で五日間過ごした。
****
ニコラスはシルヴィに旅の詳細を明かさなかったから、彼女はこのまま王都メトゥネに帰るのだと思い込んでいた。
けれどシュニークを出る前日、ニコラスは
「メトゥネに戻る前に、ヒュトラという村に寄る」
とシルヴィに告げた。
「………その村は、ここから遠いの?」
「いや。馬車で北に二時間くらいかな」
「なら、そんなに遠くないわね」
「ああ。そこで三日過ごして、それからメトゥネに帰ろう」
「分かったわ」
わざわざその村に寄るということだから、その村で公務があるのだろうか。そんなことを考えつつ、シルヴィはうなずいた。
翌日、馬車に乗り込むとすぐに、ニコラスは車窓のカーテンを引いた。
「このあたりはスコルの中でも夏が来るのが一番早いんだ。日差しもきついから、カーテンを閉めたほうがいい」
「ふぅん」
窓に広がる景色を見たかったシルヴィは少し不満に思ったのだが、
「エルビラが日焼けしたらいけないだろう?」
とニコラスが続けたから、口をつぐんだ。エルビラのためなら仕方ない。
「なぁ? エルビラ~っ」
ニコラスは彼のひざの上にのせた愛娘の顔を覗き込んだ。
エルビラを抱っこしている時やエルビラに話しかける時、ニコラスの鼻の下はいつも伸びている。声もいわゆる猫なで声というものになる。
他の女性相手にこうなるのならシルヴィはニコラスに幻滅してしまうだろうが、血を分けた娘が相手なら許容範囲内だ。
そんなニコラスと父親に抱っこされてきゃっきゃと上機嫌に笑うエルビラを見ていると、シルヴィも優しい気持ちになり、彼女はふふっと笑った。
馬車が進むにつれ、シルヴィは次第に眠気を覚えた。シュニークを出る前に昼食を食べ、満腹の状態で馬車に揺られ続けたから、眠くなるのも無理はなかった。おまけにカーテンを閉めているせいで景色に変化がないため、シルヴィは退屈し始めていた。
先ほどニコラスに抱き上げられて興奮気味だったせいか、彼のひざの上に抱かれていたエルビラもぐずることなくあっさりと眠りに落ちた。エルビラの寝息がいっそうシルヴィの眠気を誘った。
「眠いのか?」
あくびをしたシルヴィに、ニコラスが尋ねた。
「ん……」
「じゃあ、寝ればいいよ」
ニコラスに昼寝を勧められるとますます眠くなって、シルヴィは
「ん……」
とかろうじて返事をした後で目を閉じた。
シルヴィはエルビラを抱っこしているニコラスにこれ以上負担をかけてはいけないと思い座席にもたれかかったのだが、本人が眠った後で一度馬車が大きく揺れた時に彼女の体はニコラスの方向へと倒れた。
正直なところニコラスも少々眠気を覚えていたのだが、自分の左肩にシルヴィの頭が優しくぶつかった衝撃で、彼の眠気は吹き飛んだ。
ひざの上に最愛の娘をのせ、自分の左肩には最愛の妻がもたれかかっている。
そして二人ともが平和な寝息を立てている。
1歳の娘はもちろん、彼の妻もあどけない寝顔をしている。
二人のかわいらしい寝顔を見ているとニコラスの胸に二人へのいとおしさが込み上げてきて、彼は思わずふっと笑みをもらした。
娘と妻の平穏な眠りを妨げないためにも、ニコラスは身動きしないよう努めた。
ずっと同じ体勢でいると疲れるし、何より自分の体には妻と娘の体重がかかっている。
だが、ニコラスにはその窮屈さが嬉しかった。
ああっ、もう……、本当に幸せだ………。
ニコラスの胸はじーんとした。
守るべきものが自分のすぐそばにいる。
彼女たちの重みは、彼女たちを自分が守るという責任感そのものだ。決して軽くはない。
しかし、その重みがかえってニコラスの夫として、あるいは父として彼女たちを守り抜くのだという覚悟をより強固なものにしてくれるのだ。
ヒュトラの村はずれの古城に到着するまで、ニコラスは身じろぎすることなく、嬉しい窮屈さを耐え抜いた。
****
王家所有のヒュドラの古城に到着すると、シルヴィは目を覚ましたが、エルビラは眠ったままだった。
エルビラを乳母に任せ、ニコラスとシルヴィはお茶を飲んだ。
そしてその後で、ニコラスはシルヴィを古城の屋上へと誘った。
「屋上からの眺めが最高なんだよ」
そう言って屋上に出ると、ニコラスが期待したとおり、シルヴィは目を大きく見開いて
「わあっ!!」
と歓声を上げた。古城がひまわり畑に囲まれていたからだ。
どの方角を見ても、地平線に至るまで、見渡す限り一面のひまわり。全ての花が日光を吸収しようと太陽のほうを向いていた。
その光景は、控えめに表現しても圧巻だった。
「うわぁっ!! すごいっ!!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねながら驚きを表現するシルヴィの手を、ニコラスはぎゅっと握った。
「どうしてもこの景色をお前に見せたかったんだ」
「うんっ、確かにすごいわねっ!」
ひまわり畑を見つめたまま、シルヴィもニコラスの手を握り返した。
「あっ、もしかして、だから馬車のカーテンを引いたの? 私を驚かせるために……?」
「ああ、そうだよ、エルビラを日焼けさせないようにするっていう理由も嘘じゃないけどな」
夫の憎い演出に、シルヴィの胸が温かい喜びで包まれていく。
「馬に乗ってひまわり畑を回ってみないか?」
ニコラスの提案に、シルヴィは元気よく
「行くっ!!」
と即答した。
「じゃあ、行こう」
「うんっ!」
二人は手を繋いだまま、今度は城の玄関へと向かった。
上から照りつける日差しや熱から体を守るため、ニコラスは地元の民が使うつばの広い帽子をかぶり、シルヴィはショールを頭に巻いた。
これで準備は万端だ。
シルヴィは自分で馬に乗れるので、一人で乗馬する気でいた。
しかしニコラスは一頭の馬に先に跨ると、
「おいで」
とシルヴィに向かって手を伸ばした。
「ええっ!? 私一人で乗れないのっ!?」
シルヴィは驚きと失望で目を丸くしたが、ニコラスは
「たまにはいいだろ? ほら」
と再度彼女を促した。
「………………」
シルヴィはしぶしぶ手を伸ばし、ニコラスが引っ張り上げてくれるのに身を任せ、彼の前に横乗りした。
彼女は少々納得がいかなかったのだが、ニコラスが馬を走らせ、ひまわり畑の小道を進んでいるうちに、そんなことは忘れてしまった。
上からぎらぎらと照りつける太陽の光は熱く、空気は乾燥している。
けれどそんな環境の中でもひまわりは堂々と立っている。
その力強い姿に、シルヴィは何だか感動してしまった。
「ひまわりって、もちろんきれいなんだけど、でもそれだけじゃなくて、見ていると元気が湧いてこない?」
ひまわりからもらった熱い気持ちを夫と共有したくて、シルヴィはニコラスに話しかけた。
「ああ、そうだな」
まるでお前みたいだ、とニコラスは心の中で付け加えた。
シルヴィは元々は、フェーベ大陸一の大国ティティス帝国の皇室に次ぐ高い身分の貴族令嬢だった。
だが、彼女に似合うのはばらやゆりといった貴族的な花ではない。まさにこの城を囲むように咲き誇る、無限の生命力を感じさせるひまわりだ。
ニコラスは士官学校に入学する前にこの地を初めて訪れ、このひまわりで溢れる景色に感動した。それは彼の記憶にしっかりと刻み込まれた。
そしてシルヴィと恋仲になった後、この光景を思い出すと、彼はいつも同時にシルヴィのことを思い浮かべた。
だから彼はこの景色をシルヴィに見せたかったのだ。
7月の初旬に満開になるひまわり畑。ひまわりの花がこの地方に夏の到来を告げる。
この地方がスコル王国の中で一番最初に本格的な夏を迎える。この地方から他の地方へと夏は広がっていくのだ。
だからニコラスとシルヴィは、このスコル王国の中で、本格的な夏をいち早く体感しているということになる。
熱い気持ちが込み上げてきて、ニコラスは手綱を引いて馬を止まらせ、抱き寄せた愛妻のくちびるを塞いだ。
ニコラスが強く押し当てたくちびるを離すと、シルヴィが探るように
「どうしたの? 急に……」
と彼に尋ねた。
「お前にキスをしたいと思ったからしたんだよ。悪いか?」
開き直ったような口調で、笑いながらニコラスはシルヴィに訊き返した。
「悪くないけど………」
「そりゃそうだろ。他の女にしたならともかく……」
愛する妻にくちづけるのは夫としての当然の権利だ。責められるいわれはない。
だから彼はもう一度シルヴィに深くくちづけた。
ニコラスは突然シルヴィにキスをしたことで、彼女が少なからずときめいてくれることを期待したのだが、残念ながら彼が思ったような展開にはならなかった。
彼女の赤い目はニコラスを挑発するようにきらりと光った。
「エルビラもいる身で他の女にこんなことをしたら………」
シルヴィが言い終える前に、ニコラスは彼女の言葉を遮る。
「分かってる。俺は捨てられるか殺されるかのどっちかだろう?」
ニコラスがそう答えると、シルヴィは満足げにふふっと笑った。
「そうよ」
そしてシルヴィは両腕を伸ばし、ニコラスの首に触れた。
「どっちにするかはその時の気分次第ね」
シルヴィはニコラスの首を囲んだ両手に一瞬だけ力を入れた。浮気したら首を絞めるという警告なのだろう。
その後でシルヴィはニコラスに抱きついた。
ニコラスもシルヴィを抱きしめ返し、再び彼女とくちびるを重ねた。
大丈夫だ、シルヴィ。
俺はこの幸せを自分から捨てる気はないからな。
彼女にそう伝えたい気持ちと、このままシルヴィとキスをしていたい気持ちがニコラスの中で戦い、結局後者が勝ってしまった。
だから彼は、心の中で何度も繰り返す。
浮気なんてするか。
俺は絶対にお前とエルビラを大切にするから。
灼熱の太陽がニコラスの肌をちりちりと焦がすように、彼にとっての太陽であるシルヴィは彼の心を焦がし続けている。
そしてニコラスにとっては、その状態が心地よかった。これからもずっと焦がされていたい。
無数のひまわりたちに見守られながら、灼熱の太陽の下で、二人は情熱的に互いのくちびるを貪り合った。