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彼女がヤンデレになった理由

作者: はーと♪

おひさー!元気にしてた?


 俺の名前は 涼宮 涼 ピチピチ?の22歳だ。最近のお気に入りは、ミサンガとかをする事だ。突然だが、俺には20年来の付き合いがある幼馴染み兼彼女がいる。


 あっ、リア充爆発しろ!って思った人も居るかもしれないが、意外と大変な事も多いんだぜ?なんたって可愛いからな!


 待て、待て、待て!違うんだって。自慢・・・も少しは入ってるけどさ、ほら可愛いからこそ厄介事に巻き込まれやすいだろ?


 聞いてくれよ!この前なんてさ、ショッピングモールで買い物とデートを兼ねたんだけどさ、不良の3人グループに絡まれたんだよー。


 それで、「ねぇちゃん可愛いね!こんな冴えない奴より俺達との方が楽しいよ、一緒に遊ぼうよ。」なんて言ってきたんだぜ笑笑


 それを聞いた時思わず内心笑っちゃったよ笑。このご時世で、人目のつきやすい場所で漫画でしか言わないような台詞吐いててよー、あの面白さは1ヶ月は持つわ〜


 でよ、俺の笑い声がどうやら漏れてたらしく、不良のリーダーっぽいやつが俺に絡んできてさ、一触即発?みたいなのになりそうな瞬間、彼女の本性のお出ましさ。


 「おい、お前らウチの涼に少しでも触れたら殺すから。殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」


こんな狂気じみた言葉を吐き出してんの、それに彼女が殺すを連発しながらカバンの中に手を突っ込んでナニカを取り出そうとしてるのよ。


 よくみると、それは銀色の物で、光に反射していたから、たまたま分かったんだけど、ナイフだったのね。ソレ


 んで、ガチでヤりにいきそうだったから、慌てて俺が不良に謝って彼女の手を引いて帰ったんだよねー。


 その後、何であんな事しようとしたのか聞いても無言で何も答えてくれないの。


 あっ、まだ似たような話があったわ。


 近所でさ、ひったくりの事件があったのよ。それがさ、なんと俺と彼女が散歩している目の前で起きたの笑


 俺は、比較的足が速い方だから犯人には追いつけそうだったから、彼女に一言告げて追いかけようとしたんだけど、それを彼女が許してくれなかったんだよね。


 いくらヤンデレだからって、ひとときも離れたらダメなのか・・・


 俺は彼女にいささか厳しめの視線で訴えたのだが、彼女は知らんぷりをして、「これで良いのよ」と言いたげな雰囲気で佇んでいた。


 彼女に引き止められた俺と、犯人との距離は致命的に開いてしまったため、もう追いつくことは不可能だ。はぁ、せっかくの犯人逮捕のチャンスを逃してしまった。


 俺の正義観に反する〜〜笑笑


 なんで彼女はヤンデレになったのだろうか?中学・・・いや、高校生までは普通の健気で素直な女の子だったのにな


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜彼女視点〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


私の名前は、仙道 神楽 突然だけど、私には同い年の凄く、、、いや、世界一・・・宇宙一カッコいい彼氏がいる。

その愛しの彼の名前は、涼宮 涼


 彼は、少しチャライ。このチャラいというのは、見た目の話では無く、口調の話だ。彼には悪気はないのだろうけど、口調のせいで、話すこと全てにおいて、やる気が欠如している様に捉えられる。


 もちろん、見た目は清潔感も抜群で、芯もしっかりした人だ。ただ、めんどう事に首を突っ込む事が常人よりかは多くて、やや危なっかしい性格をしている。


 彼曰く、「俺の正義観に反する事を見て見ぬ振りは出来ないからな!」なんて言うが、私的にはこの性格は何がなんでも治してほしい。何故なら、この性格のせいで



ーーーーーーー彼はよく死ぬからだ



 もう彼は何回死んだのだろうか。初めては大学1年生の夏。


 私と彼は、海に海水浴をしに行った。その海は比較的有名でサーフィンをする人や家族で遊びにくる人も多い。そのため、ライフセイバーの人数も多かった。のにも関わらず!彼は呆気なく死んだ。


 理由は、幼い子どもを沖まで助けに行ったから。彼は沖に流されていった子どもを一目散に見るや否や駆けつけた。


 無事彼は、子どもの所まで辿り着き帰ろうとした瞬間に彼に大きな波が押し寄せた。


 「涼!!」私は自分でも驚くほどの声量で彼の名を叫んだ。


 その波は滅多に起きないほどの大きさで、周りの人は、必死に逃げていた。


 私と、恐らく流された子どもの親だろうか、、、3人だけが茫然自失といった状態で、土筆のように立っていたのだが、駆けつけたライフセイバーに促され、後ろ髪を惹かれる思いで、砂浜を後にした。


 その波が落ち着くと、海面から、子どもと、子どもが必死に掴まっていた浮き輪だけ姿を現した。


 私の横にいたライフセイバーと、流された子の親は喜び、急いで駆けていったのだが、それとは対照的に、私の気持ちは沈んでいた。


 何故なら、肝心の彼の姿は何処にも見当たらないからだ。


 私は、恐ろしくなった。


 「何故?」「なんで?」「海水浴なんかに来なければ」「なんでライフセイバーに任せないのよ」「なんで子どもは流されたのに助かって、涼は帰ってこないの?」「あぁ、これは悪い夢なんだ」


私は様々な考え脳に駆け巡らせた。それから数分しても彼は帰って来ない、、、


 「ねぇ、涼。いつもみたいに笑って話しかけてよ、一緒にまた出掛けようよ。」


 だが、彼は来なかった。私はやったら現実と向き合った


ーーーーあぁ、彼は死んだんだ。


 私は、その事実を理解した瞬間に震えた。


 そして、意識が急速に黒色に塗り替えられ、ついには倒れた。


 "おい、人が倒れてるぞ!誰か運ぶのを手伝ってくれ!"


"救急車よべ、救急車!!"


完全に意識がなくなる前に、誰かが叫んでいた気がするが気のせいだろう。


 ねぇ、涼。私もそっちに行くね!待ってて!


 

 私が、目を開けると飛び込んで来たのは白い天井と見慣れた両親の顔だった。


 両親は、開口一番にこう言った。


 「辛かったね」


私は意味が理解できなかった。何が辛いの?私と彼が海水浴に行っただけじゃない。なんでそんな暗い顔してるの?というなんで私は病院にいるの?


 私は両親に尋ねてみた。


 「ねぇ、なんで私は病院にいるの?というか涼君は?一緒だったでしょ?」


「それはね、神楽。貴女が海で倒れたからよ。あと涼くんは・・・亡くなったわ。貴女が眠っている間に海から死体が見つかったのよ。」


え?涼くん?うそだよね?死んでないよね?え、え、え、え?


 「う、そだよね?そんなはず無いよ。涼くんは生きてる!死ぬはずなんかない!!」


「よく聞いて!神楽。涼くんは死んだの!辛いと思うけど現実を受け入れて!」


「いや、受け入れないから!いや、いや、いやーーーーー」


私は声が枯れるほど叫んだ。やがて、また意識がプッと途絶えた。


 私は気絶してから、1日以上寝ていたらしい。これは看護師さんから聞いたものだ。ナースステーションまで聞こえるほどの声だったらしい。


 私は現実を受け入れたと同時に、何も食べれなくなった。

いや、食べても吐いてしまうのだ。体が受け付けてくれない。


 私はみるみる痩せ細っていった。彼が死ぬ前は52キロあった体重も、今では39キロ程度しかない。いずれ餓死してしまうだろう。


 そんな時に、普段は寡黙な父から声をかけられた。


 「お前まで死んだら悲しい。だから・・・頼むから生きてくれ。また笑った顔を見せてくれ」


そう父に言われ、私ははっとした。


 辛いのは私じゃない。両親も自分の子どものように涼と接していた。両親は表には出してないだけで、私と同じように深く傷ついているのだと。


 私は、その日を境に無理してでも食べ物を口に入れていった。最初はもちろん吐いた。だか、吐いても食った。


 そんな生活を送っていくうちに体重も元の数値に近づき、無事退院も果たした。それから彼の居ない日々を過ごしながらも、少しは笑顔を作れるようにはなっていた。


 あの水難事故から1年。彼の一周忌だ。私と両親、それから彼の両親と一緒に、彼のお墓をお参りに行った。


 私は、もうこの世には存在していないであろう彼に向かって、現在の近況や彼への想いを心の中で告げた。


 何事もなくお墓参りは終わり、後は帰るだけだったのだが、私はふと彼のお墓が気になり振り返った。すると、彼が気に入っていたミサンガが地面に落ちていた。


 おかしい、お参りにの時は落ちてなかったはずだし、だとしたら彼の両親が落としたのだろうか。私は、ミサンガを彼の両親に届けようと触れた瞬間、視界がブレた。


 うっ、いたたたた。頭が少し痛んだ。はぁ、何だったんだろう。


 私はそんな事を考えていると、足の裏に伝わる感覚がアスファルトのような硬さでは無いことに、違和感を覚えた。


 みると、下は砂浜ではないか。私は慌てて顔を上げ周囲を見渡すと、広がっていたのは一面の青。


 それに、服装も変わっている。あの日の服装だ。


 私は期待した。まさか、あの日に戻れた?


 深めの思考をしていると、懐かしい声が私にかかった。


 「おーい、神楽。何でそこに突っ立ってんだよ笑、早く海に入ろうぜ!」


あぁ、彼だ。顔を見なくても分かる。間違いなく涼の声だ。


 私は、勢いよく振り返り、声の主に抱きついた。


 「涼、涼、涼、涼!!あいだがづだよぉ」


 私は人目も気にせずに大泣きしてしまった。しょうがないだろう。死んだ彼が目の前で生きているのだから。


 「ちょっ笑笑、ふざけてる?しかも泣いてるし〜笑笑どうしたの?」


そう言いながらも、彼は私の背中を撫で続けてくれた。


 落ち着いた私は、彼に事情を説明しよう、と思ったのだがやめておいた。どうせ信じてくれないだろうし。


 それよりも、彼が生きている事が嬉しいし、このままずっと前に一緒にいたい。そのためには、海難事故に遭わないようしなければ。


 海に入らせなければいい。しかし、無理だろう。彼は入る気満々だ。ならば、私が事故をなくさねばならない。


 彼は元気よく海に入っていき、それを私は全力で追いかけた。そして、私は見つけた。あの子どもを。


 私は、比較的浅瀬にいる子どもを、大波が来る前に避難させようとした。もちろん私1人では無理なので、涼にも手伝って貰った。


 すると、案の定子どもを連れて引き上げた私と涼が砂浜に着いた後に、あの大波はやってきた。


 それを見ていた涼が、「ひゃーでっけぇな。あれ喰らったらひとたまりもねぇぜ!」なんて言っていたが、実際にひとたまりも無かった。本当に恐ろしい波だった。


 私は無事に彼を生きたまま海水浴場から連れ出すことに成功し、それから一年ほど経った。


 私は、涼といる生活が幸せだ。これからも一緒に生きていく、そう思っていた。


 その日、私と涼でショッピングモールに買い物兼デートをしにいった。


 その帰りに、私に3人の身なりは小汚いくせに、くっさい香水をプンプンさせた不良みたいな奴等が私に絡んできた。


 そしてこう言ってきた。「ねぇちゃん可愛いね!こんな冴えない奴より俺達との方が楽しいよ、一緒に遊ぼうよ。」


 どの面が言っているんだと私が内心思っている時に、横から笑い声がした。涼である。  


 不良達もその笑い声が聞こえたのか、私から涼に標的を変え絡んで行った。


 流石に、こんな人目のつくところでは何もしないだろうとタカをくくり、傍観していた私だが、奴等は私の考えの斜め上をいった。


 リーダーっぽい男が、涼の顔を殴ったのである。それでもリーダーっぽい男は拳が止まらない。流石にこの状況が不味いと感じたのか、取り巻き2人は止めようとしたのだが、リーダーっぽい男は頭に血が昇っていて、聞く耳を持ってない。 


 殴る事およそ数分止めに入った大人たちによって、涼を殴りつけた男は取り押さえられた。


 私は慌てて、彼に寄り添った。彼の周りは血だらけだった。私は最悪な未来を描いた。


ーーーーまた死ぬのではないか


 誰かが救急車を呼んでいたらしく、駆けつけた救急隊員によって彼は運ばれていった。私も救急車に乗せてもらい彼に付き添った。


 結果からいうと彼は死んだ。


 顔の骨も砕け、失血量も多く助からなかった。


 私は悔やんだ。またか、また彼を助けることが出来なかった。だか、2回目だからだろうか。一回目よりもすんなり受け入れる事ができた。


 そして、また彼の命日。奇跡が起きた。


 また、ショッピングモールで買い物兼デートをしに行った日に戻っていた。


 デートをやめようと言ったのだが、涼が反対した。どうやら行き先は変えれないらしい。


 私はショッピングモールに行く前に、鞄に包丁を入れた。あいつらを最悪ヤるためだ。


 そして、その時がやってきた。


 状況はあの不良達が前から歩いて来ている最中であった。そして横には涼がいた。私は彼を見て酷く安心したと同時にあの不良を殺してやろうとも思っていた。


 そしてあの日の通りに、ゴミ供は私にナニカを喋りかけて来た。が、そんなものは耳に入らない。涼に何かしたら殺す。殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す


 愛しの彼は私の事をヤバイ人のように見てきたけど、良いの♪宇宙一愛している貴方を生かすため♡じゃあヤるね!


ーーーーシネッ!


 私は鞄から包丁を取り出そうとした瞬間に、愛しの彼に手を引かれた。


 嬉しい!彼がこんなにも私を思ってくれてるなんて!!はぁーー、好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き


 その後も何事もなく、最悪の1日を乗り切った。それから2年の月日が経った頃、私と彼は散歩をしていた。


 2人で愛を語っている時に、目の前からおばあちゃんの悲痛な声が聞こえてきた。


 どうやらひったくりにあったっぽい。すると私に一言、行ってくる!とだけ伝えて犯人を追いかけて行った。


 それから1時間が私が彼に電話しても、繋がらない。そして、一通の電話が入った。涼からの電話だと思った私だが、実際は警察からだった。


 内容は、涼がひったくりの犯人にナイフで腹を刺され亡くなった。というものであった。


 その時の私の気持ちは、悔しさでも悲しさでもなく、怒りであった。


 冗談じゃない。何回涼を失えば良いのだと。彼女はぶつけようの無い怒りを募らせたまま一年の歳月を過ごした。

  

 そして、あの現象が起きた。


 場所は散歩の途中であった道だ。


 すると、目の前でひったくりが起きた。その瞬間彼は犯人を追いかけようとしたが、私は止めた。


 もう失わせないぞ。と


 恐らく私は怖い顔をしていたのであろう。


 涼は私に何故?という目線を送ってきたが、私は無言を貫いた。


 それから30年一回も涼は死んでいない。


 「おーい、神楽。朝ごはんまだー?」


 私の名前を呼ぶ愛しい人が目に入った。はー、好き好き好き愛してる♡朝からそんな呼ばれたら興奮しちゃう♪


「今持っていきますよ♡あ、子ども達を呼んできてくださる?」


 そうそう、私には彼との愛の結晶が3人誕生した。そのうち2人は既に成人し、残りの1人は大学生で今も家に住んでいる。あぁ、愛しい愛しい我が子達。


涼の次に可愛い♡


 「オッケー!」


彼はもうすぐ50になるとは思えないほどのチャラけた口調で返事をした。


 「本当に何も変わってないんだから」


私はあの日から、心を鬼に変え、涼に接していた。側から見ればヤンデレと言われるだろう。だが、それで良いのだ。彼と私の関係を邪魔する原因は排除しなければならない。


 これからもソレは続くだろう。



  END



 


 


 

 



ハッピーエンドかバッドエンドか分かりませんね笑笑

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