教えて、フェアベルダ先生!!
ダンジョンで感情を稼ぐ……。ということなので、どれがいいだろう。怒りとか喜びとかかな。でもまずは基礎づくりからだね、ポイントが大きな改築には足りなすぎる。
生物を集めるために水場をもうちょっと増やしてみるか。
ダンジョン拡張の中の機能を使って水場を作る。二千ポイントで作ることができるみたい。ついでに沼地のような場所も作ってみた。
「やっぱり感情といえば信仰等は振り幅が大きいですよ、それによって戦争なども起こるほどです。人間を狙うのが良いでしょうね、彼らは小さなことで大きな感情を生み出しますから」
と、思いついたようにフェアベルダが言う。長いしベルダって呼ぼうかな。
なるほど、確かにそれはいいかもしれない。月に一度生贄を捧げるとかにすれば絶望とか憎しみとかの感情も稼げそうだ。
「じゃあ国でも作ってみるか、生贄と引き換えに快適な暮らしができる国とか良さそうだねべルダ、なかなかいい考えだね」
「お役に立てたようで光栄です」
と、かしこまって言うが尻尾は大きくフリフリと揺れている。
かわいいやつだ。
さて、まずは生物の暮らしやすい環境を作るか。狩りの経験状生物は暮らしやすい場所に集まるということを学んでいる。
なので気温を変更、常に生物が生きやすい温度にしてやる。これはポイント五千ポイントだった。だが、これは後々聞いてくるはずだ。温度が一定の場所に生物がいっぱいいるイメージがある。
後二千ポイントは拡張の虫スポーンと、土壌強化にした。
土壌強化は少し作物が実りやすくなるらしい。草が多いと、隠れ蓑にも使えて草食の生物も結果的に肉食の生物も増える。更に、虫の餌にもなる。
これで後は放置だね。やることないし。
その間に、まだ追加の知識だけでは、なんだかピースの足りないパズルの様に穴だらけだ。何というか想像力だけでは全体がきれいに見えてこないので、教えてもらおうかな──。
そして今日から少しづつ、この世界について僕よりは詳しいであろうベルダに話を聞いて教えてもらおうかな。
教えて!! フェアベルダ先生!!
「今日は、この世界の支配者達について教えます──」
そう、いつも通りかしこまって語りだす。
この世界は、七帝という存在によって支配されていました。しかし、彼等は年をとり衰えていきました。
その結果神の力を借りたという非力で虐げられていた人間どもが勇者というものたちを異世界から呼び出しました。彼等は力は弱いですがとてつもない魔力と、知識で七帝を討ち滅ぼしました。
その後人間は、勇者を王とした三つの国を作りました。そしてそれらは独自の進化を遂げました。
まずは、太陽の国。ここには肌が黒い者たちが多く暮らしていて、陽気な人間が多いです。現状に満足しているようで危険は積極的には犯しません。
毎日賑やかで活気がある街が特徴です。食べるための魔獣や、攻めてきたモンスターは高い身体能力で屠りますが基本的に我等モンスターには干渉してきません。
彼らのことは食べ物などを献上してくれたり、体を磨いてくれたり、崇めてくれたり、好きなので食べないようにしていました。
次にホワイト王国。白い肌が至上主義の国で、他の民族を奴隷にしています。彼等はモンスターが落とす魔石を目当てに、モンスターの領域やダンジョンにどんどん踏み込んできます。
他の国にも侵略戦争を仕掛けるほど強い野心を持っています。
たまにこの国の肌の色で決める考えは間違っているんじゃないかという革命者が出てきますが、だいたい不審な死をとげます。
彼らは白い肌の人間以外を家畜と認識しているものが多いようで、あまり好きではないのですが、味は美味しく身も多いので積極的には食べていました。
そして黄金の国。彼らは平たい顔をしていて、姿勢が悪いです。ネガティブなものが多いですが意思が強く、他人を思う心を持っていて文明が最も進んでいます。
尖った能力を持ったものが多いです。それで発展したのでしょうかね?そして堅物である点もあります。そして余計な事はしない主義を持っています。
彼らは農耕民族のようで、あまり肉は食べません。なので基本的には外には出ず、中で農業と技術革新に勤しんでいます。
彼らとモンスターの領域で出会ったことはないです。
現状この中でホワイト王国が最も大きく、武力が高くこの国の王がこの世界の実質的な支配者と言っても過言ではないでしょう。
この国を滅ぼすだけの力を持つモンスターもこの世界にはいますが、のんびりした者たちが多く、食って寝てます。
この現状に納得できなかった知能はあるが武力のないモンスターは、その命を使って七帝の意思を継ぐ者たちを生み出し、今それぞれ力を増してきているということです。
ん?一つ不思議に思ったことがある。どうやって人間の国に潜入したんだ?
そんな心のうちを読まれたのかはわからないが、こういった。
「あぁ、私人間化できるんですよ。それで知れました」
試しにやってもらうと髪の短い人間に変化した。
直毛の目にかかるかかからないかぐらいの黒い髪に、凛とした大きな黒い目。少しふっくらと丸い顔、透き通るような白い肌に、高くはないが整った鼻。体長は一メートル六十といったところか。そして、僕が見た人間と違ってぺたんこな胸と、弱々しい細腕。
とっても、うまそうだ。
「これでは、人間の国に主は釣れていけませんね」
と、苦笑された。
まぁ、しょうがないね。
人化の術を手に入れても多分欲望に負けて食べて、バレて集団で殺されるだろうな。
今日の授業を終えた、色々学べたなぁ。そろそろ巣作りでもしようかな。人間の知識もえて、凄くいい巣が作れそうだ。それに、安心できる寝床というのはいいものだ。
狩りのコンディションにも関わって来るからね。
そういえば今日は狩りに出てないな、やりたいことがいっぱいだ。
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今日は休日でちょっと頑張ってみました。プロットなどはないので、アラが目立つと思いますがとてつもなく苦手で失踪したくなるのでご了承ください。