はらぺことかげ
さて、どうも鬱蒼とした森からお送りしています。ドラゴンに近づいたトカゲです。
なんと驚きの事実がわかったんだよ。ステータスとやらが見えるようになりました。トカゲの頃は見えなかったんだけど、あの心臓を食べた効能かな?
では大公開しちゃおう!! トカゲ諸君驚くなよ!!
ステータス
血塗れトカゲ(幼体)
体力E
攻撃力E
魔力G
防御力F
速度E
知能S
技術B
運B
スキル
噛み付きE、索敵S、奇襲A、隠密C、強襲A、罠作成A、粘着唾G、血毒D、筋力上昇B、殺意S、知略A、無限胃袋S、魔力奪取S、能力奪取S、賢者S
称号
狩り達人、罠達人、キリングマシーン、暴食ノ帝、覚醒者
といった感じだね。高いのと低いのの差がひどいね。
スキルも高かったり低かったりするね。まぁ、ざっと五十年は生きてるからこれぐらいでもおかしくはない……のかな? わかんない。称号が物騒だけど気にさないでおこう。
そして、おそらくスキルは常に発揮されるのかな?特に念じたりステータスを触ってみても何も起こらない。
ちなみにステータスは自分以外の物には透けるけど、自分は触ることができる。だから、盾にはできそうにないねー。
とりあえず今日もやることは狩り。そして食事。狩った獲物は全て食べるようにしてるから大食漢だ──と思ってたけどスキルのおかげだったのかも。
まぁ、いっぱい食べたほうが調子いい気がするし大きくなれる気がするから起きてるときは狩りか、索敵か、食事をしてる。おおよそ五十年ずっとね。
最近誰かと喋りたい意識が高すぎてこんな感じで、脳内のトカゲたちに語りかけるようにしている。──少し寂しさが和らぐんだ。
さて、今日も狩りに出ようか!!
今日の獲物はこの方!!雀。
俺は鳥だけは絶対に許さねぇ、一匹残らず殺して食らい尽くしてやる。
という目的を持っているんだけど、前は罠にかけても蹂躙されるだけだったから手を出さなかった。だが、今は違う。殺せるだけの攻撃力、そして巨体がある。
茂みに隠れて気配を消して、ミミズをつついている雀目掛けて、飛びつく。
思った以上の速度がでてちょっとびっくりしたのは内緒。
しかし、しっかりとその牙は届いた。そして、そのままに咀嚼。うむ、うまい。仇敵ではあるが天晴なり。
まだまだ食うぞ──。
そして数ヶ月して、煩いほどに鳴いていた鳥の、獣の、虫の、全ての鳴き声が森から消えた。代わりに鳴り響くのは巨大な何かが木々をなぎ倒しながら進む音。
そこにいたのは、体だけで三メートルはあろうかという巨大なトカゲ。その口は真っ赤に染まり、強烈な死の匂いを運んでくる。
そのトカゲの鋭い眼差しは遠くを見つめていた。
あぁ、お腹すいた。
その森の上位捕食者となった彼は、いつも通り目に入った食べられそうな生物を片っ端から食べた。
しかし、その体は狩りの効率を数十倍に上げた。そして喰らえば、喰らうほどに大きくなる無尽蔵のブラックホールはこの森のボスストーンベアーさえも、捕食対象に認識した。ちなみに普通に噛み殺して食らった。
そして、腹の足しにもならないような小さな生物以外を数ヶ月で食べ尽くしたのだ。
すると、目の前に突然に二足でたつ体には毛が生えていないのに妙に頭の毛が長い猿が現れた。
「もう勘弁してください……。私のダンジョンのモンスターは全滅です……。まさか野生の生物が──」
なんか鳴いてたので食べた。とてつもないかん高い声を上げたが、気にせずに食べた。断末魔の中で一番うるさかったかも。
うん、ぷにぷにして美味そうだったけど、これは美味いな。猿よりもうまいかもしれない。今度見つけたら積極的に食べようかな。いや、とっておいたほうがいいか今現に食べすぎてお腹空いてるわけだし。
そしてもしゃもしゃしていると、大きな円形の石に当たる。これうまいんだよな。ある程度大きいのには結構入ってることが多い。
ガリッとかじると、いきなり脳内に知識が入ってきた。
猿の鳴き声が理解できるようになったり、色々だ。
「あなたは低位のダンジョンを支配しました。これより、ダンジョンを運営していただきます。運営すれば美味しいものもきっと食べられますよ。行いますか?」
はい
いいえ
そんなの決まっている。お腹が減ってるんだ、はい、だ。
累計100pvありがとうございます。そして、ブックマークありがとうございます。やっぱり気力上がりますよね。
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後、いつか空白の五十年の分も閑話などでかければいいなと思います。
無双シーンだけ切り取ってますけど結構苦労トカゲなんです。彼。