とりあえずトカゲの話をしよう(トカゲ談)
お読みいただきありがとうございます、これからも末永くお願いします。
冗談はさておき、失踪グセがあるのでしないようにします。
やぁ!!君はトカゲ生活満喫してるかい?
僕はそこそこ満喫してるよ!
でも、みんな思わないかい?
同じ爬虫類でもドラゴンってズルくね?ってね。
いや、もちろんトンボはカリッとうまいしバッタは肉厚ジューシーさ。
今のトカゲ生活にも満足してる。
でも!俺たちを虐げるあの鳥共に一矢報いたいだろ!!
僕がそう思ったのは…ちょっとここらで物語を語ってやろう。
昔々あるところに、トカゲの夫婦がいました。
その夫婦は子宝に恵まれ、みんなで幸せに暮らしていました。
みんなでカブトムシを取りに行ったり、みんなで木に登り周りの景色を楽しんだり、子供達がじゃれ合ってたら喧嘩に発展して夫婦が止めたり。
そんな、なんでもない日々を……夫婦は心から愛していた。
それがずっと……ずっと続けばいいなって。
だが、奴らが現れたのはトンボを取ろうと家族で狩りをしていたときだ。
いつも通り連携を組んで、上から、下から、波状攻撃を仕掛け一斉に飛びかかった。
その、一瞬だった。
空が真っ暗になり……バサバサっと羽音がなった。次の瞬間には、そこには、何も残っていなかった。
いや、そう言うと語弊があるな。
残ったのは黒い羽と、何本かのトカゲの足と、血にまみれた赤黒い地面。そして……絶望の色に目を染めた子トカゲ。
その時、子トカゲは思った。
力が欲しい、家族を助け出すためのあいつに追いつける翼が!敵を取るために焼き尽くせるブレスが!そして鳥など寄せ付けない威圧感が!!
それを兼ね備えた昔家族と空を見上げた時に一瞬動けなくなり、必死に逃げたその一瞬で、目に!脳裏に!焼き付く赤い威圧感と堂々たる威風を持つドラゴンのように……なりたいと。
それと共に元からドラゴンに産まれた彼らをズルいと羨ましいと……。
おっと物語はここまでだ。僕はあと一年ほどで寿命で死ぬだろう。
でも、その話を聞いて……ドラゴンになりたいなって思ったんだ。
笑うかい?でも、僕はみたんだ光を放ったトンボが、石を体にまとった一メートル代のトンボになったのを。
僕らには可能性がある、きっとね。だから、死ぬまで俺は諦めないって誓ったんだ。
一応働いてはいるので不定期更新です。