↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハーフライフ  作者: スノウ
57/237

佐藤さんの家


テーブルに戻り、何処どこに家を買うかで揉めている二人に話しかけた。


会話を聞いていたら「ニューヨークが良い。」だの「スイスの方が良いわよ。」だのと訳が分からなくなって居たので、止めるには丁度良いタイミングではあった。


「実は細貝さんがね、何回か殺されかけたらしいんだよ。」


僕はそう切り出した。


「それ本当の話?」 瑠奈は唖然あぜんとして僕に聞き返した。


「らしいんだ。 僕は後1時間位しかこの世界に居られないから、まもる事出来なくてさ。」 と言うと。


「私たちに護衛しろって言うんでしょ?」 


みのりがストローをくわえてもてあそびながらそう言った。


「先生にも秘密打ち明けて、金魂で『結界』張らせれば良いじゃない。」 と、瑠奈は「なんでそれに気付かないかな?」と言う目付きで僕にいった。


「それも考えたんだけど、君達みたいに使い慣れてないとさ、部屋の中とかでいきなり結界を拡げたりしたら、、」


「家が内側から吹っ飛んじゃうかもねw」


みのりは笑いながらそう言った。


「確かに細貝先生は凄腕すごうでだけど、ネクタイとかいつも曲がってるし、チャックとか半開きだし。 不器用そうな気はするわね。」


瑠奈は眼鏡を直しながら、溜め息混じりでそう言った。


僕は事務員の佐藤さんの住所を書いたレシートを、瑠奈に渡しながら「頼むね、瑠奈。」とつぶやいた。


ポケットから金魂を取り出すと、二人に5個づつ渡した。


「これ、どうしたら良いの? おにいちゃん。」


キョトンとした顔で僕を見ながらみのりは聞いてきた。


「暗殺だとか物騒な手を使う相手だから、二人とも必要だと思った能力が欲しかったら『魔魂』で手に入れて良いからね。」


僕は、本当に良いのだろうかと悩みながらもそう言った。


「僕にとって二人は、本当に大切だから、、」


この言葉は本心だった。






僕はスマホのナビを使いながら、事務員の佐藤さんの家を探していた。


あまり高度を取って飛んでいると、自分が今、表示されたナビのどの上空に居るのかが分からず苦労した。


佐藤さんの家は松本市近郊の、四賀村と言う過疎の進んださびれた村に在った。


山裾やますそにあるその家は、周りを森に囲まれた古びた洋館だった。


今にもチェーンソーを持った大男が、いだ人の顔の皮で作ったマスクを着けて出てきそうな、そんな不気味な雰囲気が漂っていた。


「いやぁ 遠い所を来ていただいて恐縮です。」 と、洋館の玄関のドアの、細く開いた隙間から顔を覗かせながら、細貝弁護士はそう言った。


「昨日佐藤さんの車に乗せてもらっていた時に、狙撃されましてね。こんな隙間からすみませんね。」


彼はドアを開けながら、僕を手招きした。


「先生、蚊が入りますから早く閉めてくださいね。」


奥から声がして、佐藤さんが現れた。


「突然来て、すみません。ちょっと先生に渡したい物があって。」


僕は相変わらずの佐藤さんの無愛想さに、思わず言い訳じみた挨拶をしていた。 顧客なのに、、


僕は時間も無かったので、手短に異世界の事から始まる自分の境遇を話した。 そして妹と元彼女が今夜護衛に来る事も話した。


「まあ確かに白鳥さんも妹さんも、銃で撃たれても怪我さえされなかったですからね。そう言う不思議な事も、世の中にはあるでしょう。」 彼はうなずきながらそう言った。


「佐藤さーん、あの、お客さんの寝室って」 と細貝弁護士が廊下の奥に向かって言い終わる前に、、


「もう二人分、ご用意出来てます。」


事務員の佐藤さんは、廊下の奥から無愛想な声でそう言った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。