三つの道
目の前には、不気味な廃墟のような雰囲気を出している図書館があった。
「いや、なんつーか雰囲気あるよな~な?海斗?」
「そうだな、本当に何か出てきそうだ」
背後から変なのが出てきても違和感はないレベルだ。
「だ、大丈夫かな~?」
後ろから不安な由美の声が聞こえてきた。
「三野さん、大丈夫っすよ~」
柳がすかさず言った
「なんなら、俺のそばにいてくださいよ!」
「大丈夫 気持ちだけ受け取るね~」
「ところで、どうやって入るんだ?」
俺は二人の空気を裂くように言った。
「え、あぁ、確か裏口から入れるって聞いたことあるぜ」
「こんな夜なのに裏があいてるのか?」
「あぁ、どうやらあいてるみたいなんだぜ、あくまで噂だけどな~」
「じゃあ 行ってみようよ~」
「そうだな、由美足元気をつけろよ?」
「俺には?」
「知らん、転べ」
そんなこんな茶番を混ぜつつ俺らは裏口を見つけそこがあいてることに気付くと中へ入っていった。
「いっそ雰囲気ましたなおい~」
「ちょっと怖いかも…」
そういってる由美は震えていた、いやちょっとじゃないじゃん。
「とにかく、一冊の本を探そうぜ 手っ取り早く手分けでさ」
「て、手分けするの?わ、私は大丈夫だけど?」
「じゃあ、手分けするか前か左右だな」
ここの図書館は思っていた以上の広さなので由美には頑張ってもらおう。
「じゃあ、俺は前行ってくるわ~またここで落ち合おうな~」
そういうと柳は暗闇に消えていった。
「案外勇気あるな じゃあ由美は右を頼めるか?」
俺は子供にお願するくらい優しく問いかけた。
「分かったよ、怖いけど行ってくるね」
「あぁ またここで会おうな」
軽く由美の頭をぽん っとたたいた。
「うん!謡くんも気をつけてね」
「あぁ じゃあまた」
そういって 俺と由美はそれぞれ左右へむかった。