目の前に
「…きた!」
メールを送ってしばらく友人の一人から返事が返ってきた。
「「お~、ちゃんと見てたぜ なんつーかあんま印象無いの多かったな そんであの図書館の一冊だけか、お前と同じく、何かわからんが確かな違和感は感じた。」」
… やっぱり友人も何か感じたらしい しかし一人ではまだ確信を持つには早い。
ピロリーン
「また来た えーとなになに…」
「「こんばんは、謡くん えーと違和感?んー…違和感かな?でも見ていて不思議な感じにはなったよ あの図書館の一冊ってやつは あはは まぁもしかしたら勘違いかもしれないしね」」
また ちょっと内容や感じたものは違えども、だいたいは同じだな
その後も着々と返事が届いた。一人を除けば皆違和感らしきものを感じたという。俺一人ならまだしもこうも一斉に違和感を感じては何かがおかしい。
俺は いろいろと考え皆に返信をした。
「「気づいての通りこのメールは一斉送信してあるんだ、そしてさっきのメールの答えはほぼ皆 同じだった。偶然ならいいけど、こうも大勢が一気に同じ違和感を感じてるんだ、何かおかしくないか?」」
こういった内容を送った。もちろん返ってくる答えは驚きや考察、そして不安だった。
「「おいおいまじかよ なんか俺興奮してきたわ(笑) でもさ、なんの違和感分からないんじゃあまだなんとも言えない気がするけどな」」
それだ 確かに一斉に違和感を覚えたとはいえ違和感の中身がそれぞれ全く違う可能性もある、でも俺はどうも皆同じ種類の違和感だと感じてしまう。
そんな思考を繰り広げているうちにまたメールが鳴った。
「「これって偶然なのかな?謡くんも思ってるかもだけど、多分皆の違和感は同じだと思うんだなんとなくだけど(笑)それで提案!皆でその図書館行ってみない?」」
図書館か…確かにこのもやもやを消したいのもあるが、何よりこの好奇心が俺を突き動かす。
俺はすぐさま友人に返事を返した。
「「俺も違和感は皆同じだと思っている、そして提案の話だが賛成だよ 皆にも連絡とるからあいてる日程を教えてくれ。」」
そしてすぐさま、ほかの友人にも連絡をした。友人は皆図書館に行くことに関して賛成しており、3日後に一人欠席の4人で行くことになった。
「ふぅ…でもなんだろこの感じ」
俺は皆との連絡が終わった直後妙な気持の渦に巻き込まれた、コーヒーとミルク、白と黒、善と悪のような真逆の感情。
「虫の知らせなのか、はたまた好奇心なのか…」
…だめだ 無駄に思考を張り巡らせても、ぐちゃぐちゃに混ざっていくだけだ。
「寝よう」
この結論が一番最前だと俺は考えついた、もう0時過ぎてるしな。
リビングの電気を消し自分の部屋のベッドへ向かい俺は その闇へ意識を消した。
それからの日はあまり覚えていない ずっと同じことを考えていたのだろう ほとんど覚えていないうちに当日の夜になっていた。
「じゃあ 行くか…」
無気力な体を使い待ち合わせの公園へ向かう。
……
「おーい、謡くん~!」
突然の声かけに肩をビクつかせてしまった。
「お~、由美かずいぶん早いな」
三野 由美俺たちに図書館探索を提案した女子だ。
「そんな事ないよ~、ただちょっとうずうずしちゃってさ…//」
「そうか、ちなみにほかの連中はまだか?」
そうここにはまだ、俺と由美しかいなかった。
「あ!」
ここでなにかを思い出したかのように由美が声をあげた。
「謡くん、季菜ちゃん親がうるさいからこれないって…」
「そうか じゃあ3人で行くことになるのか…」
「そうなるね~」
誰かと話したことがよかったのか、無気力だった体にはなんとなくだが、精気が戻ってきた気がする。
「ん~…謡くんと話したらなんか体が軽くなったよ~」
「あぁ、俺もだいぶ楽になったよ」
「俺は今きたばっかでらくじゃないぜ」
話に混ざるようにちょっと遠くから 遠藤 柳の声がした。
「なんだ 柳きたのか」
「遠藤くん遅いよ~」
俺と由美が軽く追い打ちをかける、だが遠藤は頭をかきながら
「いやー すまんすまん 寝てたわ」
と満面の笑みを見せながら言った、相変わらずだ
「じゃあ、そろったし、多少休憩してからいくか」
俺の提案に二人はおkをだした。
それから10分くだらない会話をした…本当に楽しい時間だった
それから、俺らは歩いて図書館の目の前へ着いた…