プロローグ
人類の7割が宇宙に移住して半世紀以上が経った。今や、人類の3割しか地球に住んでいない。地球に存在する国は3年前の戦争で大きく変わった。ヨーロッパを除くユーラシア大陸はソ連旧ロシアとアジア連立共和国旧中華人民共和国が二分し、北アメリカ大陸は北アメリカ合衆国旧アメリカ合衆国が占領し、南アメリカ大陸は南米連合が占領し、アフリカはアフリカ連邦が1つに纏め、ヨーロッパはEU連合が納めるように変わった。その中でオーストラリアと日本は変わることはなかった。この国々がそれぞれ、宇宙の惑星に国を作り、国民の何割かが、そっちで生活している。
3年前の大戦。第三次世界大戦。この戦いにより世界の科学技術は急激に進歩した。特に戦闘兵器は特に発展した。新たな技術である人型巨体スーツが今でも各国で研究が進んでいる。人型巨体スーツ、これを各国はモビルスーツと呼ぶ。モビルスーツは他の兵器とは格が違う。機動力、破壊力、性能、全てが今までの物とは別格である。
第三次世界は酷かった。経済成長を果たし、治安も安定したアフリカの国々が戦争を開始、それに乗っかりロシアと中国は領土拡大に勤しみ、アメリカはカナダを攻め、ブラジルはチリやアルゼンチンと戦争して最後は大陸を全て得る。結局、大国しかないようになった。唯一、日本は台湾と一部の島国を無償で併合した。中国は日本を狙って、攻め込んで来たが、日本が作り出したモビルスーツによって見事に撃退した。そのモビルスーツは他国が作ってきたものとは全ての性能において3倍以上上回っていた。これを操縦したエースパイロットが当時12歳であったことは軍と一部の政治家しか知らないことだ。
その少年の名前は矢城和哉。今年から軍のパイロット養成学校に通う15歳。普通の学校に通っていれば、高校1年生だ。パイロットとしての技術は軍でナンバー1。エースパイロットの名も貰っている。そんな少年が何故、パイロット養成学校に通うのかというと、学校生活も楽しめという元帥の言葉があったからだ。因みに矢城の階級は大佐だ。3年前の活躍によりそれまでは少佐であったが二階級特進して大佐になった。
矢城は今年から3年間休暇と位置付けて学校に通うことになっている。元帥の学校生活を楽しめと同様に今の学校の生徒の質を調べてくることも1つある。パイロット養成学校を卒業するとモビルスーツの操縦資格が貰えるが、これは他の方法でも貰うことが出来る。それは有名な操縦者から許可を貰う方法だ。有名な操縦者に操縦を見てもらい、それで判断して貰う。矢城の場合は後者で既に資格は持っている。さらに見たのが元帥という絶句するほどの異例な人に見て貰っている。矢城はもう、学校に通う必要は本当はないのだ。
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矢城は小さい模型を見ている。黒く染まったモビルスーツ。これは矢城が操縦しているモビルスーツを模型の大きさに縮小したものだ。全体が黒でそこに赤いラインがが入っている。各国はこのモビルスーツを死神という。モビルスーツは一部で機体とも呼ばれている。
矢城は対人戦闘にも優れている。拳銃や格闘術など、様々なことに優れた言わば、超人に近いところがある。
この話は人間離れした矢城が1つのモビルスーツに乗り、戦争を止めたりなどのして、葛藤やその他で悩み苦しむ話です。