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魔術と科学 使者と契約者そして監視者  作者: アンライク
第二章 正体不明の殺人鬼
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7話 もう一人の物語

「さてと、これ以上離されたら見失うな」


「おい!ちゃんと説明を―――――くっ!!」


御影が質問をするが既にギルスが作り出した移動用の魔術にかき消され、御影が再びそこを見るとだれいなくなっていた


「何が起こってるんだ?ここは」


御影はただ屋上から空を見上げてそう呟いた

そしてこの水面下では一体何が起こってるのか?

フラリスの使者は何故この人工島に来たのか?

そんな疑問が御影を満たしていた



◆◇◆◇◆◇



支援射撃部隊の隊員の一人である三崎(みさき)(ゆう)()は目の前を逃走する英霊を追いかけていた

近接格闘部隊は既に散開していて負っているのは支援射撃部隊だけだ


「なんで俺が――――」


怒りの声を抑えつつ、両手に一つずつ持っているF2000を似せて作られた突撃銃を握りしめた

支援射撃部隊は主に後方からの支援と敵を誘導させるための誘導射撃しか行わない

故に近接武装は最小限にしかつけられていない

しかし勇雅はそのことに苛立ちを見せていた


・・・・なんで俺が後方の支援射撃部隊なんだ!?


勇雅は歯ぎしりをしながら目の前の目標との距離を一気に詰めた


『お、おい!?ストーム3!!勇雅!待てこら!!』


勇雅の耳には部隊の副隊長の声が聞こえるが勇雅はそんなことで止まるはずもなく両腰部につけられているスラスターを吹かせた

そして右手にある突撃銃を廃棄し左腕に収納されている剣の柄の様なものを取り出した

その柄から紫色をした魔力が剣状に生成されていく

マーシャルブレードと付けられた剣を持ってまるでスケートリングで滑るようにホバーで目標を追いかける


『ストーム4、5!!両翼から建物を使い挟撃。俺はこのままこの馬鹿を追う!!』


『『了解!』』


男女の声が重なり合い勇雅の後ろをついていた三機の魔動霊装の内、二機が左右へと散開する


「一人で充分だ!すっ込んでろ!!」


そう叫ぶと両腰部のスラスターを地面に垂直に立たせて一気に飛ぶ


「誰が適役か教えてやる!!」


そしてスラスターを最大まで加速させて目標にきりかかった

その目標は逆手に持った短剣でマーシャルブレードを防ぐが重力落下とスラスターの加速によって予想以上に重く、短剣ではそらすことしかできなかった

そしてそのまま勇雅が叩きつけたマーシャルブレードは舗装された道路に突き刺さった

それを好機とみた目標は短剣を持ち直し、ためらいなく喉元めがけて短剣を走らせた


「なめんなー!!優男!!」


勇雅は突き刺さったマーシャルブレードをそのまま走らせ道路をえぐりながら目標へと下から切る

しかし目標はそれを横へと並べていた足を縦へと並べ替えることによって態勢を縦に変えることで避けた

マーシャルブレードの衝撃波は近くにあったビルの上層階の窓ガラスを容赦なく破壊した

目標はそのまま後方へと長く跳躍した


「待ちやがれ!!」


再び勇雅が飛ぼうとしたが目の前の目標に異変が起こった

目標は大きくマントを広げた

そしてそのマントの中どこからともなく霧が発生した


『対宝器ミサイルが切れたか!?下がれ!!ストーム3!!』


「その程度で!!」


左手に持っていた突撃銃を向けスコープバイザーのロックオンマーカーが目標を補足する

魔力を内包するこの魔動霊装は魔力によってスコープバイザーから送られる情報によって射撃補正と反動補正を行ってくれるのだ

勇雅はそのまま突撃銃の引き金を引く

無数の呪殺式八型魔弾が目標に向かって飛んでいく

しかしその目標はマントから出てきた霧に囲まれ確かな手ごたえは得られなかった


『ストーム3下がれ!!』


「ここまで来て下がれるか!!」


そのまま勇雅は霧の中に飛ぼうとしたが目の前に突撃銃を持った手に阻まれ飛ぶ機会を失った

その人物を見やると腰まである長い艶やかな金髪が勇雅のスラスターによってなびいている


『ここら一体の避難は完了している。これ以上無駄に追い続けこれ以上被害を増やすわけにはいかない。これは隊長命令だ』


「ぐッ!!」


『ストーム1からストーム各機に通達!この場はいったん撤退し、再度準備が整い次第攻撃を仕掛ける』


『隊長!!前!!』


ストーム4と思われる女の声が聞こえる

勇雅もそれに従い前に視線を移すと


「霧が消えてる!?」


『逃がしたか・・・・・・』


勇雅はさかさまに持ったマーシャルブレードをそのまま地面に思いっきり突き刺した

その衝撃で道路に亀裂が走る


「くそが・・・・・!!」


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