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10話 悪神との初日

「はぁー」


御影は高等区から学制区へ行くモノレールの中である


「今思ったんだが常にお前は辛気臭い顔をしているな?今日は特に」


御影は今から学園に行った時のことを思うと再び重いため息が出てしまう

ロキが今来ている服装は夕奈が通っている御影と同じ学園の中等部用の制服だ

夕奈とは違いいろいろな部分が発達してしまっているが故に上のセーラー服は半分へそが見えた状態でありスカートはもはや足の付け根が見えそうな状態だ

ちなみに夕奈は今日日直で先に行ったのだ。まあ普段から友達と行く奴なので御影と一緒に行くということはない

流石にそんな状態でモノレールに乗っていれば否が応でも目が行ってしまうというものだ

目立ちたくない御影だったが流石に自分の降神契約相手をすっぽかすわけにもいかないため学制区の学園前の駅で停車するときに開く扉の方に移動していた

それでもやっぱりロキは目立つのだ

そもそも前提が間違っており、百人いれば百人が振り向くであろう美貌を持つ女子がいるのだ。男子はもちろんのこと女子もロキのことを見ている

ロキはそんな視線が来て落ち着かないのかそわそわしながらこちらを上目遣いで聞いてきた


「やっぱり変か?」


「いいや、別に着方自体は変じゃねーよ。ただお前は物珍しいんだよいろんな意味でな」


そう言って御影は壁に肘をつけて手は頭を支えるようにして窓から外の流れゆく景色を見た

これから変わって行くであろう日常を想像しながら数日間で何度したであろうため息を吐いた

モノレールを下りた御影達が一番最初にあったのは


「よぉー。今日は女づれか?」


と背から肩を組んできた人物、御影の第一親友である戸浦・将門だ


「はぁ・・・その方が一体どれだけましだったか・・・・・・・」


「ん?そりゃどういう意味だ?」


全く意味が解らない、といった風なので右手にできた物を戸浦の前にかざした


「おいおい、これって―――――」


感心したように声を上げた戸浦は御影の背後にいるロキを見て


希少異能者(スキャラシティーコントラクト)かよ!!」


「朝からうるせーな。もうちょっとその声の音量を下げろ」


希少異能者という言葉を聞いて不意に数人の生徒がこっちを見た

悪目立ちだな、と思いながら御影は学園に歩を進めた


「しかしすげーな。お前が希少異能者ってお前もすげーもん引き当てたじゃねーか」


朝からこのテンションはどうかと思うがどうやらこのテンションは希少異能者が友達にいたこととその使者がとても美人で綺麗な美貌と言うのが累乗してしまったのが原因だと推測する

本来、降神契約は男なら男の使者を女なら女の使者を呼び出すはずだが、時たま神の中には姿かたちを変える神もいるためこのように男が女の使者を呼び出すこともあるのだ。まあ御影の場合は例外だが

そうしているうちに学園の校門が見え、校門の前には―――――


「ゲッ!」


「あー、新学期そうそうだからいるわな。風紀委員が」


しかし御影が目に留まったのはそこではない。その中心にいるブロンドヘアのポニーテール、しかも毛先がまとまっていないのは――――――


「ああ、風紀委員長だわ。お前が好かれている」


「どちらかというウザがられているが――――――」


御影はしぶしぶその門の端を通ろうとしたが


「おい!」


という声に反応してしまい御影は身体をビクッと跳ねあがらせてしまった

戸浦がガードしているため御影は見えないであろうと思ったがそれも浅はかだった

しかも戸浦自らは面倒そうなのでという理由でさっさと校舎の中に入って行った


「一昨日は随分おちょくってくれたな」


女のくせに顔は中性的で男か女かわからないような感じだが、怒った時はそこら辺にいる男子生徒よりも怖い


「あ、あれは、ちょっと仕事でして―――――」


「まあ、話しは生徒指導室で聞くか・・・・・」


私事情で使っていいのか?とも思ったがここで口答えするとさらにお説教が長くなりそうだったので後ろにいるであろうロキを見ようとしたが


「あれ?」


後ろを見てもあの美貌持ちの少女はどこにもいなかった

御影は風紀委員長にずるずるひかれどこにそんな腕力があるんだ?と思いながらもロキを探したがどこにもいない


「ちょっと待って!待ってください!風紀委員長」


「あっ!?まだ何か言い訳する気か!?」


「いや、連れがいないんです」


「連れ?お前降神契約もしてないのに連れなんかおるわけが―――――」


そう言うと風紀委員長は自分が引っ張っている手を凝視した。それは一昨日にはなかったものがそこにはあったからだ


「降神契約の紋章・・・・・」


それを見た風紀委員長はため息をついて手を離した


「さっさと見つけて来い。授業に遅れたら指導時間追加だからな」


どのみち指導はあるんだなと思いながら御影は風紀委員長に会釈をして走りだした

振りかえりざまに見た風紀委員長の笑顔があまりにも衝撃的だったのは忘れることができなかった

あの面白いものを見つけたという感じの笑みは


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