表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私が見たもの  作者: 人鳥
番外編
10/13

あの日『彼とボク』

 ここからは『私が見たもの』の番外編となっています。

「私は後悔しない。これも世界の規則だ」

 これは彼がボクに向けた言葉。しかしながら、彼の表情を見ればそれは嘘だと分かる。だからボクは意識的に彼を追い詰める言い方をしてみた。

「本当にキミはそれで後悔しないのかい? 本当に本当に本当に、だね? 言っておくけど、もしも嘘だったとしたらボクは怒るよ? 全身全霊をもってしてキミに怒りをぶつけるだろう。ただ勘違いしないで欲しいのは、それは決してボクがキミを見放すわけでもなければ、縁を切るといった馬鹿げたことじゃない。ボクはそれを言える立場じゃないからね。平凡な言い方をすれば、それは君の事を思ってこそということだよ」

 彼はわたしに無表情で謝った。こういう奴さ。何事にも無関心を装い、悟りを開いているかのようで、実はただただ諦めているだけの小さな奴。けれど、ボクは彼のことが好きなのだった。

「別にいいんだよ。あの時ボクの家に来てくれなかったことなんて別にどうでも良いさ。キミが財産を二度も失ったことを、本当のところはどうでも良いと思っているのと同じでね。おっと、これは失礼。言い方が直截的過ぎたね。ボクはこういうところがいけない。注意しなくちゃいけないと思ってるんだけどね。どうしても直截的過ぎる言い方になってしまう。許しておくれよ? 今回のことも、どうか許してくれ」

 やっとの思いでへらへらと笑いながら彼に謝って、ボクは家路に着いた。


 ××××――××××。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ