表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

第五幕:師の心は弟子は知らず

第五幕まで公開できました。

もっと語りたいけど、言葉が多すぎて


なんて語るべきか分からないです。

やあ、君。哲学って何かな。洞察のために必要なのか、生き方を問うために必要なのか。ボクには分からない。

君には、わかった?


第四幕は、ソクラテスと哲学者が二人で大衆食堂で舞踏汁を飲みながら、少しだけ話した様子を見た。


ソクラテスは、

哲学者に生きてほしいだけなのに、

状況は悪くなる一方だ。

ここに連れてきたのは、

哲学者にある事を、

させたかったからだ。


そして彼女の考えてた通り、

哲学者は一人の女を見つけた。

ソクラテスを攻撃するために。

哲学者の壊れた魂は、

屈辱を忘れない。


暗褐色の髪をした暗い女を、

二人の卓に連れてきた。

彼女の名はクリュシスと言って、

平民層の女性だった。

この名は、黄金を意味する。

哲学者にとって、まさに意味がある。

「哲学で、人は稼げるのか」と、

不敵な笑みを浮かべて哲学者は、

ソクラテスの生活を非難した。

「対話でお金がもらえるなんて、夢みたい」というと、哲学者はさりげなく、ソクラテスが弟子から金を恵んでもらって、贅沢な生活をしていると非難させた。

平民層の女を使って。

ああ、これがとても残酷だとは、

哲学者は少しも考えてない。


ソクラテスの目は伏せられた。

もう彼を見ないようにした。


哲学者は、満足そうにソクラテスの卓から離れた。クリュシスと共に。

彼は哲学よりも、黄金を選んだのさ。

なぜかって?

その方がマシだからさ。


ボクらは、哲学者とクリュシスの後を追わなきゃいけなくなった。


ボクはソクラテスの方を見た。


彼女は、追いかけたそうにしてた。

哲学の道に、哲学者を側に置きたかった。哲学者と話したかった。

でもソクラテスが彼と共にいたら、

彼は、いずれ殺される。バカな弟子たちに。

ソクラテスが彼に「破門だ。出ていけ」と言ったら、

彼は殺されただろう。

バカな弟子たちに。


いずれ、彼女はバカどもに皮を剥がされる。言葉を持っていた事で。

それが呪いになるんだ。


彼女は歴史には載らない。

女だから。


遠くない未来、彼女の日常はめちゃくちゃにされる。いつも通りの日常からの破滅だ。

ボクは語らない。


これは、哲学者が知らない事だ。

ずっと気づかない。


ボクらは、彼女と別れた。

(こうして、第五幕は貝のように沈黙して閉じられる)



こうして、哲学者は師のもとから離れました。

次回は、彼が運命的な出会いを果たします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ