第十三幕:神々の住まう神殿にて
神々の目が見つめる中で、
ボクらは見ていて、見られている。
キレイは汚いーー
やあ、君。いま、ボクらは神殿の中にいる。大理石の床がどこまでも奥へと伸びていた。七段の階段があって、その上に女神がいた。女神の後ろには闇があり、その中で無数の目が見え隠れする。
アフロディテの姿は、女のソクラテスと、ほぼ同じ姿をしていた。
女神は美しいウェーブががった金の髪をして、ものすごい曲線美をもって、豊満な乳房を揺らしてる。
第十二幕では、
哲学者が愛する人を求めて、
星の舟を使って、
女神の所へ来たんだ。そして、女神と話をしている。
彼女の着てたペプロスよりも、
もっと薄衣で、すっけすけだぜ。
髪も肩まで伸びている。
神さまがだよ。あの神は不老不死じゃないかも。だってさーー待て。
あの神が、何か話しかけてきた。
「汝らは何者か。
ーーどこから来て、どこへ向かうのだ?」と女神はたずねた。ゆっくりと。子供に聞かせるように、ね。
前にも、ボクは同じセリフを言ったかな。
「俺は哲学者だ。名と故郷を捨て、貴女に会いに来た」と彼は叫んだ。
「貴女へと会う方法を、
俺の愛する者が、
俺に物語として伝えた。」
彼は一息ついた。
「だから、俺はここにいる。呼ばれたんだ。」
哲学者は左手を彼女に向けた。
女神は目を細めた。
そうして、唇の端を上にあげた。
笑っていた。
「そうか、呼ばれたか。だが、私は呼んではいない......」女神は言葉を一旦飲み込む。それから、話しなおした。
「それに、人間には愛想が尽きた。」女神は話し始める。
「神々は人を愛してた。弱いお前たちを。心から。信頼していた。
ーーだが、これから先はそうはいかない。お前たち人は我々をなかったことにした。いや、なかったことにする。」と微笑む。嘲笑だ。
「ーーバカな連中だ。狭い範囲でモノを考え、悪魔に魂を売り渡したのさえ気づかぬ。そういう者が増えていく。ーー詩人は言葉を紡ぐが、
紡いだ言葉は、
垂れ流された尿以下なのだ。
物語も同じこと。
誰の心にも響きはせぬ」
女神は、神殿の奥へと戻ろうとする。
「帰るんだ。哲学者よ。そして、神とあったことを忘れよ。永遠に。
汝には、ただ生きてほしい。これは本心だーー」
ここで女神は、自分が口走った言葉に疑問に思った。
女神は、地上の過去をなくしていた。
だから、自分の言葉に違和感を感じてた。
哲学者は、彼女を見つめた。
そして、こう返した。
「貴女は何者か。
ーーどこから来て、どこへ向かうのだ?」とね。
女神はポカンとしてたよ。
自分の言ったことを返されたからね。
女神「アフロディテ」の中で何かが変わり始めていた。
次の話では、ボクらは女神の中に誰を見る?




