表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

第七話

 僕はなにも考えられなかった。なにかを考えようともしなかった。ただ、世界がまったく違って見えた。東からの日はあまりにも強すぎて、僕はこれまで開けっ放しだった遮光カーテンを久しぶりに引いた。


 のろのろとした動きで、DVDをプレイヤーに入れた。初美(はつみ)が感想をくれると思った。だから僕は大学を一日休んで、ずっとずっと『サム・オア・エヴリ』を観た。


 第七巻。二十話目。


 いい話だった。


 崖のシーンでは、ヒロインが主人公を信じていたからこそ、ヘリに乗る主人公を止めなかった。主人公もまた、ヒロインの心を知って覚悟を決めた。


 泣いた。


 遮光カーテンの向こう、子供の声、車の音、さお竹売りのアナウンス、自転車のブレーキをかける音、またも車の音、そして静寂がオーケストラのように鳴った。カーテンの色は白か黄色か黒のどれかにしか変化しなかった。「初美」と名前を呼んだら、またとめどなく涙があふれてきた。明日は、学校に行かないと。……行かないと。


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ