表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
訳有り一家の長ニキとユーリーンの孫は隠れ超能力者。故郷に戻って来て全てを解決か?~気付かない内に運命急上昇中 その2  作者: 龍冶


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/26

その後の小話 その1

その後の小話書きました。

まだ思いつくことがあるかもしれないので、その1です。

 大惨事から三日目、セーンとポケットの中のヤモちゃん及びヤーモちゃんは、今日もリューン大叔父さんちへやって来た。

 ニキ爺さんとユーリーン婆が居座っているので、セーンの部屋は無い。なので、眠りに帰る地下のレン親父の家にあるセーンの部屋に、私物は置いている。昼間はセーンはそこには居ない。ところが最近セーンの私物、大した物ではないが、段々減っている。大した物ではないのだが、無くなっていると言う事は、誰かが部屋に来て、黙って持って行ってしまうのだ。

「これは犯罪だよ、はっきり言って。リューンさんにはその正体が、分かるんじゃないかな」

 ヤモとヤーモは、聞いているかどうか知らないが、リューンさんに聞けば教えてくれる。セーンにも幾分か透視や犯罪者の気配とか、分かる能力はある。ところが、セーンは生憎ピンチの時以外は、使えない能力なのだ。

 セーンはリューンさんが、今日は魚捕りの網を繕っている海岸へ近づいた。

 先日の悲劇的事件後、皆、現状を受け入れ始めている。セーンも、ヤモ一家が地下の家で壁に寛いでへばりつきだしたのを見て、これからはこんなふうに過ごすのかなと、思えて来た矢先の私物紛失事件である。段々セーンの怒りも噴出していた。

「リューンさん、ちわ。その網だけで魚捕れるの。船が無いのに」

「船が無くても、この網を持ってこの辺りの海岸近くを泳いだだけで、魚は網に4、5匹入るからな。俺らには十分なんだ」

「その網の穴、サメに食われたんじゃないか」

「そうそう、あんときゃ腹が立ったね」

「そーだよね、自分のと思っていたのに、取られちゃね。俺の部屋の物が段々なくなるんだ。大したものじゃないけど。誰の仕業かな。リューンさんには分かっているんだろ」

「うん、お前のタオルとか、Tシャツとかだろ」

「そう、まだ使えるから、犯人を捕まえたいんだ」

「着るものが無くなってしまう前に、止めてもらわないとね。わかるよ。しかし犯人が分かっても、セーンが無くなったものを取り戻せるか疑問だな」

「どうして。それ誰だよ。分かっているんだろ」

「犯行の片棒担いでいるのは、セーンのポケットに入っているよ。最近若いヘキジョウさんが卵をかえして、少し早すぎてセーンのタオルとかシャツにくるんでいるよ。ヘキジョウさんが困っていたけど、ヤーモちゃんのアイデアで、無事過ごしておるそうだね」

「何だよ、ヤーモ。俺が探していたの、知っていたろ。言ってくれたら、もしかしたらあげたかもしれないのに。ヤモも知っていたろ、何故言わなかったの」

「ヤーモがきっとしかられるから、言わなかった」

「うん、あのTシャツは気に入っていたな。その時は違うのにしろと言ったと思う」

「やんちゃん、あれが気に入ってしまったの。べつのに変えようとしてもいやだって泣くの」

「そりゃ大変だったね。でもそれ、俺のだし」

「・・・・」

 セーンはため息をついて、諦めることにした。リューン大叔父さんは網が出来上がったらしく魚取りに海に入っていった。

 セーンは暇に任せて海岸を歩いているうちに、気付いた。掘っ立て小屋が増えていた。

 おそらく、大人数で住むのも落ち着いてしまえば住み難くて、掘っ立て小屋を増やしたのだろう。と思えたが、なんだか気になる。気になる事は聞くことにしているセーン。新しく建った掘っ立て小屋に行く。

「ちわ、狭く感じて増やしたんですか、前に来た時より家が増えているから、住むとこは広い方が良いですよね。良い材料があって良かったですね」

「どなたですか」

「あ。初めまして、この前はお会いしてなかったですね。僕はリューンさんの甥っ子の息子でセーンと言います。よろしく」

「まあ、そうでしたか。失礼しました。どうぞお入りください。リューンさんには私たち一家、とてもお世話になって、この恩は返すことが出来そうもないけれど、せめてご一家のお役に立とうと思っているんです。三日は助かる可能性があると言う話で、私たちは二日と三時間で見つけてもらいましたが、それからは捜索に夫が加わり、私は炊き出ししましたら、ホントに今日までに十人ほど生きている人が見つかったんです」

「ええっ本当ですか、空洞の中を探したんですか」

「あら、この話、御存じなかったですか。そういえばリューンさん、あまり大っぴらには出来無いと言っていましたね。南ニールが最後の方だったから、潰れていなかったと言う事でしたね」

「なるほど、そうでしたか。僕ら北ニールの者ですから、きっと言えなかったんでしょうね。どうも、お構いなく、失礼します」

 意外な話で早々に引き上げたセーン。そういえば誰も魔の空洞があの後どうなったか聞く人はいなかった。リューンさんが手に入れていたのか。そして南ニールの生きている人を探したのか。おそらくリューンさんちの近所の人たちをさがしたんだろうな。

 セーンはそう思ったけれど。なんだか腑に落ちない感じがする。そうだ、『皆で探せば、もっと生存者が見つかっていたんじゃないだろうか』そう感じたが、後の祭りである。

 しかし、セーンは、別の疑問を感じた。かなり不味い事だ。

「人間は中で三日生きている可能性があるって?強い魔物はもっと生きるんじゃないか。特に魔王なんか。ヤモちゃん、どう思う?」

「取説には、十日開けてはならないになっている」

「何だって、あの人は二日と三時間で助かりましたって言ったよね。じゃあ、二日と三時間は魔王や魔族なら、ぴんぴんしていたんじゃないか。誰が開けたんだ」

「リューンさん」

「あいつ、(セーンにとって、リューンさんの立ち位置はアイツになりました)この前、取説読んだとか言っていたじゃないか。十日開けてはならないってとこ、見てないのかっ」

「見てない。後ろの方にある」

「くそう、魔王達、逃げだしていないか」

「逃げた」

 セーンは頭に血が上っていたが、ふと思った。

「ヤモちゃん、随分取説に詳しいけど、ヤモちゃんも読んだことあるの」

「ヤモが前に書きました」

「ええっ、前って何時ごろ?」

「嫌いな一族が『魔の空洞』を使っているとき、そいつらも入れて、十日ぐらい開けなかったら、十日目、死んでいた。それで、十日開けてはならないと追加した」

「どうしよう、とりあえずジジババに教えようか」

「地下に居る」

「爺さんはピンチが分かったのか」

「二日の空洞を開けたとき、レンに似たのが連れて逃げて、セピアから地下に行った」

「でも、俺らがここに来た時居たよね」

「偽物」

「それ言ってよ、ヤモちゃん」

「言えば戦いになります」

「戦うしかないんじゃないか」

「セーンが負けたら困ります」

「でも、じゃあ、あいつらはどうして俺らがのんきにやって来た時、襲わなかったのかな」

「多分、俺らに殺されたくなかったから」

「ヤモちゃん、殺せるんだったら、そうしてよ。戦いたくないの?」

「ヤーモが戦うには早すぎる」

「なるほど、ヤーモちゃんがやられちゃ困るよね」

「勝っても困る」

「よく分からないんだけど」

「戦い、癖になる」

「ヤーモは大人になってから戦うんだって」

「なるほど」

「じゃあ、さっき海岸に居て網繕っていたのは誰?」

「リューン」

「偽物じゃなくて、本物なの。リューンさんはどうして偽物と暮らしている訳。ていうか。リューンさんはどうして無事なのかな」

「本物と思っている事にしないと、ニキさんやユーリーンさんを探すから。リューンは人では強い方」

「でも逃げたのは分かっているんだから、奴ら、ジジババを探さなかったの」

「どこに逃げたかナイショ。リューンは教えない」

「ううむ。俺達、帰ろか」

「ニキ爺さん達に会わないのは不自然」

「会っても俺、嘘つけないたちだし、ばれるよ」

「ヤモ、帰ろよ」

「うん」

 黙ってそろりと帰る事にしたセーン達だが、後はどうなるだろうと思ったセーン、ヤモの意見を聞いてみる。

「俺らが帰ったら、リューンさんの立場悪くなるよね」

「あの人の話で分かったから、リューンから聞いてない。リューンは自分で考える」

「もうリューンさんにも『さん』は付けないことにしたのか」

「リューンさん良い人」

「だったよね」

「今も。生きている人は助ける」

「そうだった。ヤーモちゃんは賢い。反省だ。俺ら魔王達が逃げた事、気にしすぎたな。ヤモ」

「魔王は後でヤル」

「そうだよね。後で気が向いたら、皆でヤレばいいんだった。生きている人を助けるのが、先決だった」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ