ヌードモデル?!
恋に恋するピュアな女子高生ヒロイン”イリ”のちょっとエッチなラブコメディ
「・・・イリが描きたい」
「ん?」
ファッション雑誌を適当にめくっていた手が止まり、アタシを覗きこんでる彼を見ると・・・すっごぃこと言いそうな予感がした・・・。
「・・・いいよね? ヌード」
最後の三文字が頭の中を反復し、意味が判らなくなり、真剣な彼の眼差しの奥に・・・永遠を感じた・・・。
『???・・・ !!! え~~~ぎゃょうぅううぇえええええ~~~!』
・・・大当たりだった。
『だって、だって。まだ・・・まだ、だってぇ~~ そっちか、いきなりか~』
顔が真っ赤だろうアタシ。耳と鼻から蒸気も出てるはず。
『だめ? だめ? だめ?』そう思いながら、もじもじするだけのアタシを尻目に、彼は真新しいキャンバスをイーゼルに置いていた。
『アタシの彼。ほんっと変わってる・・・いっつも、いきなり・・・でも、でも、でも・・・』
驚いて動けないアタシは目をぐるぐるさせ、セッティング完了の彼が椅子に座りこっちをじ~~っと見ながら鉛筆で計ってる。
『いきなりすぎだよ~ まだ”あれ”とか”あれ”とか”えっち”とか”えっち”とか、セックス”してないのにぃ~~あぁぁあ~ん』
「お願い。イリちゃん」
アタシの名前は睦月アイリ。彼がアを抜きイリと呼ぶいつもの声に立っていられず、へたれるよう座り渋々脱ぎはじめた・・・けど・・・???
『けど? あれ、承諾してないよねアタシ・・・
うぁ! からだが勝手に動いてる~~~~!!!』
彼とは、アタシがレンタルビデオ店でバイトをしていたとき、目の前のタカにぃ~”惣領タカオミ”に一目惚れしてしまい、友達の後押しも受け半年もかかってやっと告白したの・・・結果、「僕の方が君より好きです」って言われ興奮して目が回り、倒れそうなアタシをお姫様抱っこしてくれたの。しかも、店内で!
『オホホホホホ♪ 良い思い出でございましたわね~ それでは皆様さようなら~』って過去のことじゃないの! アタシの恋は今の今なの! 今を生きろ、アイリ!! アタシは、あの日から、あなたの周りだけを飛ぶ天使になってしまったのぉ~♪
で、肝心の彼は、五歳年上の絵描きの卵で美大生。幻想的で優しい絵を描くけど、右の脳みそ。直感だけで生きてるようなところがあり、何度もいきなり~なデートに誘われて焦ったり、変な質問を永遠とされ、???ってなったことがあったけど。今回のは最大級の出来事。事件で、天国か地獄だと思った・・・。
デートは、今日で十三回目。でも、えっちな”あれ”なことには、いっさい興味が無いのかな? キスはするけど・・・何度もしたけど・・・さっきもしたけど、今もできたらしたいけど・・・髪も撫でてくれるけど、腰も抱いてくれるけど・・・まだアタシは、彼のほんとの”女”にはなれてないと思ってて、他に好きな子、本命の彼女がいるのでは? と、内心ヒヤヒヤしてる・・・うん。泣きそうなくらい・・・あ。目が潤んできた・・・。
『タカにーはいったい何を考えているの~~~ アタシはもう、コドモじゃいやなのぉ~~』って、ココロの中はいっつも叫んでる。
「俺さ真剣なんだ・・・」
脱ぎかけのセーターで顔が隠れ、声をかけられ、背を向けてるとは言えジタバタするアタシ。
『今度はなんだ!! ドキドキさせるな~~』
乱れ髪をうなじに束ねつつ、脱いだセーターを丁寧に畳むと言う女らしさを醸し出すも、恥ずかしくて丸かがみなアタシ・・・。
「個展やらないかって、前紹介したギャラリーの黒瀬さんに言われてさ。今まで以上に真剣に作品描きたいんだ・・・だから、だから。イリを描きたいんだ!」
「ほ、ほんと!! 個展すごいぃ~! 素敵~」
いっつも勝負下着のアタシは、思わず立ち上がると待ちうけていた彼にぎゅっと抱かれてしまった。
「好きだイリ。 大好きだ」
「ぁ」
キスされるアタシ。
大好きなタカに~ぎゅってされキスされるのが一番好き。大好き。大好き。涙が溢れて止まらない。
タカフミは続けた。「だから、作品に熱中したいんだ。当分逢えない・・・だから、君を描いておきたいんだ」
『まるでお別れの儀式?』って思った途端。
恋しくて、寂しくて、混乱して大きな声で泣きだし、鼻水も垂れてきてどうしようもなくなってしまった。
「男の子は泣いてる女の子を慰めるのが役目なんだ」って言いながら、タカに~はアタシの口を唇でふさいだ。
キスされ声は出なくなったが、肩の震えは止まらない。今度はからだじゅうをハグハグしまくってくれてどうにかこうにか、訳の分からない悲しさは治まっていったけど・・・そして、アタシは、テイッシュで涙を拭かれながら、そのことに気づいた。
『ぁあ・・・?!』
彼の目を見つめるイリ。見つめ返すタカオミ。見つめ合うふたり。そして、タカにぃ~が口を開いた。
「うん・・・。いいね?」
アタシはコクンとうなづいた。
タカにぃ~は、スカートを床に落とした。
大きなからだで包むようにブラを外し、ひざまづきながら、ショーツを脱がした。
アタシは何も恥ずかしく無かった。
「可愛いよ イリ。綺麗だ・・・」
タカオミは淡い陰毛を撫で、唇で揺らした。
驚いて、彼にしがみつつくと、今度は死ぬの?ってくらい心臓がバクバクしていた。
タカにぃを思ってするオナニーとは違う快感がアタシを駆けめぐり、あそこの奥がジュンジュンした。そっして、大好きな彼の前で、生まれたての姿になれたことに幸せを感じた。
冬の木々から木漏れ日が射し、大きな窓の外できらめいている。
「今度は、ぉ俺を。脱がして・・・」
緊張し恥ずかしそうな彼に、アタシはクスって笑った。
「アタシの方がもっと・・・恥ずかしかったんだよ? いっつも、いきなりなんだから タカにぃ~ うふ」
すっかり平常心で余裕すら出てきたアタシ。今度は恥ずかしがる彼に笑い転げそうになるのを必死で抑えた。
「おかしぃ? おかしいの? 笑ってる!!」抗議する彼。
「ううん。おかしくないの。ちっとも、でもおかしいの~ ゴホン ごめん。ごめん。真剣。うんうん・・・」
笑いを抑えつつ、服を脱がせはじめた。
でも、でも、さすがにベルトを外したまでは良かったのだけど・・・だんだん、笑いもこぼれなくなった。
ジッパーを探す指が震え、タカにぃーの大きくなったそこを傷つけてしまわないかとか、色々心配してしまった。
大きくなった部分に沿うよう、ジッパーをやっとの思いで下げると、黒いパンツの盛り上がった部分がシミていて、単純におしっこ?って思った。
ズルズルっと、ジーンズを脱がすと、酔ったパパを寝かしつけるいつものママになったような気がし、弟の汚したパンツをはき変えさせる自分も思い出した。でも、違うの・・・タカオミのそこは、信じられないくらい膨らみ、反り上がっている・・・。
『タカにぃの・・・大きくなった・・・お・・・ち・・・ん・・・ ・・・』
それが今、アタシの前に飛び出そうとしている。
「あ。そこはやっぱさすがに恥ずかしい・・・自分で脱ぐから、目を閉じてくれないかなぁ」
「・・・うん。ぁっ・・・ハィ・・・」
言われるがまま目を閉じた。ゴソゴソする小さな音が聞こえ、
シコウガトマッテイクヨウニオモエタ・・・とき、またギュゥっと抱かれ、キスされ囁かれた。
「アイリは俺の宝物だよ」
アタシは今、ふわふわの天使になれた。
そして、パンツのシミの原因を知った。
タカにぃのあそこから、ヌルヌルした液がとめどなくあふれ・・・
その液が、アタシのからだのあちこちで、糸を引いていた。
『あぁ、これってあたしと同じ・・・タカにぃ~も、アタシを欲しがってるんだ!』
アタシの中に異性への深い愛情が芽生え、”愛”っていう言葉のほんとの意味を知ったように思った。
タカにぃ~にベッドへ連れられ、キスを交わし、ただ、抱き合い、裸のまま抱き合うと、こんなに気持ちいいのかとも思った。
「リアは僕だけの物だよ?・・・でも・・・でもね・・・」
「でも? でも、の続きは分かってるよ。個展が終わったらでしょう?」
「うん。ごめんな・・・」
「いいの、あたしタカにぃ~の天使になってあげる」
「天使か、ありがとう・・・」
「でも、アタシの絵飾る?」
「飾らないよ・・・誰かに見せるつもりはないもの」
「え~~~~っ・・・」
「飾って欲しいのか?」
「えぇえええええええ!!!」
「・・・・・・・・・」
「とっても、複雑だけど、ダメ。ぜったいダメ 恥ずかしすぎるょ」
「だろう?」
「うん」
「あ!」「あ~~」
どこからかカリカリ、ガリガリ音がしてることに、やっと気づいたふたり。
「あ~~クマ♪」
窓の外に太った猫が一匹いて、どうにかして中に入ろうともがいていた。
多分前の住人が飼っていた猫だろうとタカにぃ~は言っていて、話は聞いていたが、会うのはこれがはじめて。
アタシはそのデブ猫に”クマ”と、名前を付けいつか会えるのを楽しみにしていたのだ。
シーツをからだに巻き、ふたりして窓を開けると、クマは当たり前のように入ってきて、
今までふたりが寝ていたベッドの真ん中を占拠ドンっと居座ってしまった。
クマはからだをペロペロ舐め終わると、手足を丸め、こっちを見た。
お芝居でも見るかのよう。ただ、じっとしてる。
一匹の猫と恋人同士は見合った。
そして、アタシとタカにぃ~は、顔を見合わせた。
「何?! なんなの?」
そして、またクマを見た。
置物のように動かない猫は、ただ、ただ、こっち見てる。
そして、ふたりは笑いだした。
可笑しくて仕方なかった。
猫がこっち見てる。だけなのに。
シーツに包まれ笑い転げ、やっと息が落ち着いたときアタシはこっそり声にならないよう呟いた。
「 ア イ シ テ ル 」
小さく、小さく呟いた。
「ん? 何?」
彼はそれを聞き取れなかった。
「ヒミツだよ~」
アタシは笑いながら、彼の小さくなったそこをシーツ越しに少しだけなでてみた。
「いいよ。でも、あんまりいじっちゃだめ・・・はじめてなんだね?」
「うん・・・はじめて・・・はじめてじゃだめ?」
「俺がイリを女にするだけだから。うれしいさ。な~んも、気にしない」
「ありがとう」
アタシは、ふたりを巻くシーツに潜り”それ”をしげしげと見つめた。すると、また大きくなってしまい、今度はギュッてしてみた。
「!」
あ。ごめん!
「いいんだ、ほんとはもうやばいんだよ。自分を抑えるので精一杯・・・イリが欲しい・・・」
アタシはその言葉にまた、ふわふわ舞う天使になった。
「我慢だコノヤロ~ 個展頑張れコノヤロ~」
アタシはピンっと指でそれを弾いた。
「いて! なにすんだ この~~」
「ごめんなさ~ぃ」って言いつつ今度は、なでなでしてみた。
「あぁあああ ダメ それはダメ~~ コラ!」
タカにぃ~は急に腰を引き、身をよじり息を荒くした。
「あ。気持ち良いいんだ? なでなでがいいの?」
「もうだめ。さ~モデルになりなさい。イリはモデル ただのモデルー!」
少し怒った彼に、ペロっと舌を出し、指示のままポーズをとっていく。
裸のアタシはタカにぃ~にぜ~んぶ見られてる。
いろんなポーズを、要求され、たまに、こっち来て角度変えられたり、足動かしたり、いろいろしていかれる。
胸やあそこを何かで隠さない、純粋なヌードモデル。
タカにぃも裸のままスケッチを続けてる。
アタシはちらっと自分のあそこを見ると、お毛々の先に小さな玉みたいな光るしずくが見えた・・・。
いっぱい濡れてるなって思った・・・。
『アタシは不潔でエッチでいやらしい女? ううん・・・これってとっても当たり前のことだよ・・・』って、ボ~っとした頭で、ただ彼を見ていると、クマがのそのそやって来て、アタシの組んだ足を枕に眠りだしてしまった。
つづく
乱筆乱文誤字脱字ご容赦
@このお話しは携帯用に書いておりません。
ブログはこちら>http://ameblo.jp/shizuku-no-kakera/