ゼロ金利解除は100%悪手! 日銀は何を見ているのか?
筆者:
本日はこのエッセイを選んでいただき誠に光栄です。
今日は日銀の「マイナス金利解除」について個人的な解説でみていこうと思います。
質問者:
そもそもマイナス金利っていったい何だったんですか?
私たちが預けている預金が勝手に減ったという事は無かったと思うのですが……。
◇「マイナス金利」とは日銀と一般銀行間のお話
筆者:
「マイナス金利」とは何か? といいますと、
民間の金融機関が中央銀行(日本では日銀)に預けている預金金利をマイナスにすることです。
2016年1月に「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」として導入したのですが、
日銀のマイナス金利政策でマイナス金利が適用されるのは、金融機関が持つ日銀の当座預金のごく一部です。日銀はマイナス金利政策によって、金融機関が日銀に資金を預けたままにしておくと金利を支払わなければならなくすることで、金融機関が企業への貸し出しや投資に資金を回すように促すために実施されていました。
ちなみに、2007年以来、およそ17年ぶりの利上げということのようです。
質問者:
私たちには特に関係ないという事なんですね。
筆者:
それがそうも言っていられないんです。
金融機関への貸出しが減ることから間違いなく景気に対してマイナスの影響しか出ません。
借り入れをせずに設備投資をしないとなると価格転嫁が進み、
かといって給料も特に上がらないでしょう。
そうなると政府がやることはどうなるのか? 恐らくはインバウンド需要の喚起とか、外国人労働者受け入れとかそういう狂った政策ばかりを推奨していきます。
今回は横道に逸れるので触れませんが移民と元居た国民との間の亀裂は欧州やアメリカでも多く指摘されています。
質問者:
そもそもの話「マイナス金利」だったからと言って経済にプラスにはなっていなかったのはどうしてなんですか?
◇本当の“異常”は30年間ゼロ成長であることとアクセルとブレーキの両踏み状態だったこと
質問者:
本当にどうして金利上げようとしているんでしょうか?
やっぱり異次元の金融緩和やマイナス金利が「異常」であり、今回は「正常化」という報道もありますがそれについてはどう思われますか?
筆者:
根本の問題は30年間日本経済がゼロ成長であることだと思うんですよ。
これは日本以外だと紛争地域や内乱が起きている国しかありません。
東欧では日本より人口減少率が高い国がありますが、
それでも経済成長しています。
つまり日本の経済成長の状況こそ最も“異常”であり、
それに対応するマイナス金利やゼロ金利国債というのは妥当な措置であったと考えます。
質問者:
しかしそこまでしてもどうしてゼロ成長だったのでしょうか?
国債は発行していたんですけどね……。
筆者:
要は発行した先が間違っていたという事です。
数字を見てもアベノミクスで国債を発行しまくった結果は、
企業の内部留保と配当が増えただけで国民の懐は全く温まりませんでした。
今も同系統の法人減税継続や賃上げ税制優遇などをやっているのは狂っているとしか言いようがありません。
僕はマイナス金利の間に国債を発行して消費減税や社会保障費削減などの逆進性が高い部門を是正することで経済が3年程度で回復したと思っています。
つまり、金利と経済政策の両輪が合致して初めて経済は上向くことが出来るのです。
しかし、マイナス金利をやっている間に起きた現実は消費増税や社会保険料の増額インボイス導入など国民負担が増すことばかりです。この10年で国民負担率は10%弱増えました。
これではアクセルを踏みながらブレーキも踏む状態で回復するものも回復しません。
この点を理解していない方が本当に多いと思います。
質問者:
なるほど、長期停滞が一つの政策で瞬く間に回復するわけではないですからね……。
筆者:
それで減税をして経済が過熱しすぎた時に初めて税制や金利を元に戻すなどの措置をすればよかったんだと思います。
加熱もしていないのに増税や金利を上げたら本当に景気後退しますよ。
むしろこれだけ酷い有様なのを耐えていたのが奇跡なレベルで酷いと思います。
これは日本国民の皆さんの頑張りの結果だと思いますよ。
でもいずれその頑張りももうすぐマイナスになってしまうという事です・
質問者:
マイナス金利だけではどうしても足りないという事でしょうか?
筆者:
非常に簡単なこととして、「将来の見通し」が立たないからです。
利率がゼロだろうと増税・社会保障費増額、年金不足2000万円問題などの将来不安があるために、預金を崩そうという気が起きないわけです。
また、今推奨されているNISAは海外投資がメインですので、日本経済にとってプラスにはほとんどなりません。
凄くズレた政策を永遠に続けているという事です。
質問者:
この上で利率が上がった場合は……?
筆者:
まず間違いなく景気後退するでしょうね。
僕は「100%悪手」の選択だと思っています。
◇どう見ても経済は良い状態ではない
質問者:
密かに景気が回復しているとかそういうことは無いんですかね?
筆者:
現在のインフレは需要が増えて起きているわけではないんです。
「2%達成確実!」とかドヤ顔で語っていますが需要が2%ずつ増えているわけではありません。
企業の需要すら増えていない状況で金利を上げるのは愚策です。
日銀が24年1月23日に発表した50の銀行、信用金庫が対象とした「主要銀行貸出動向アンケート調査」(四半期ごと公表)の1月調査は、企業向けの資金需要が「増加」したとの回答から「減少」を指し引いた指数(DI)がプラス1となり、前回10月のプラス5から低下。
企業向けでは、資金需要が「増加」と回答した金融機関がゼロ、「やや増加」との回答が2でいずれも前回を下回りました。ただ「横ばい」との回答が47で全体の94%となっています。
金利が上がれば上がるほど民間銀行は貸し倒れリスクから審査が厳しくなり、貸し渋りが起きやすくなるのです。
そうなると金利の上昇は経済にとってマイナスしかありません。
3月8日日発表した1月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は28万9467円と物価変動の影響を除いた実質で前年同月比6.3%減少。マイナスは11カ月連続となっています。
価格変動を除いてこれだけ削っているという事はどう見ても物価高に給料の上昇が負け続けて必要なところまで削りつつあるという事を示していると思います。
金利を上げて物価が下がるケースは消費が過熱しているケースであり、
日本の5割を超える民間消費が実質6.3%も減っているのに金利を上げるのは愚策過ぎます。
◇「お坊ちゃま」たちのメンツを保つための政策
質問者:
経済回復してないのに利率を上げるだなんておかしいですね……。
しかし、これらのことが日銀や政府の方々が分かっていないとは思えないんですけど……。東大や海外の大学を出た方ばかりじゃないですか……。
筆者:
まぁしかし、彼らは本当に庶民の生活が分かっておらず株価やら上場企業の賃上げだけを見ている可能性はありますよ。
また、分かっていたとしても新聞などで今の金融緩和が「異常」だと押し並べるために「異常の是正するんだ!」というメンツだけのためにやっている可能性もあります。
ようは報道機関が「煽っている」状況が最も問題なんだと思います。
時間のない多くの方々はメディアで盛んに報道されていることが正義だと思い込んでしまうことも無理からぬことだと思いますから。
質問者:
結局メディアが問題なわけですか……。
筆者:
彼らは完全な嘘を吐くことは稀ですが、「切り取り」を行い「これが全てだ」「正義はこれだ」と押し付けてくることが最大の問題だと思います。
あと一つ僕が有力だと思っている考えとして、
単純に日銀は政府の言いなりなので、政府の「今後の経済は外国人で回します宣言」なんだと思いますね。
大阪府では1億2万円以上投資すれば永住権付与とかいう政策を検討している段階ですから、本当に日本人は必要ないと思っているんじゃないかな? とすら思えてきます。
◇お金のかからない生活を目指す
質問者:
悲しいですね……。今後私たちはどうしたらいいんでしょうか?
筆者:
結局のところ、「お金のかからない生活」をしていく他ないです。
小さな体験で満足し、お金をかけないことで充実する方法を模索することです。
僕の場合は健康に注力して運動したりして、物を買わずに最低限の好きなモノに囲まれて過ごし、こうして僕なりの考えを発信して満足しているという形です。
こういう考えはいかにも「デフレ」みたいな考え方で経済全体のマクロで見たらよくないんですけどね。
ただ、ミクロで見た場合には一部の上級国民以外だとこういったミニマリスト的な考えで行かなければやっていけないという事です。
これは政府がマクロ単位で最善な行動をしてくれないんですから仕方のないことです。
質問者:
過酷な社会になっていく感じしかしませんからそういう生活になるのも仕方ないですね……。
筆者:
それでも、あんまり暗くならない方が良いと思います。
感情は伝播しますから、今無事で普通に暮らして生きていることに感謝して、
なるべく笑って暮らせたらなと思っていますね。
という事でここまでご覧いただきありがとうございました。
今回はマイナス金利解除は需要の減少からくる景気後退のリスクしかなく、
ただのメンツのためか、外国人優遇策促進のための施策であるということ。
そして国民としてはなるべくお金のかからない生活をするしかないという事をお伝えさせていただきました。