目的
第二章です。よろしくお願いします!
「よし、クラスに紙をばら撒くのは誰にも見られずに済んだな」
「ああ。でも、これじゃあ舞華まで巻き込むことになるんじゃないのか?」
放課後、ほとんどの生徒が出払った教室で、二人の男子生徒が話していた。
「だからそれもこれもあいつのせいにしちゃえばいいんだよ。数の暴力でな」
「ま、俺はバレたりしなきゃ何でもいいけどな。俺の目的は別だし!」
日が沈み始め夕日さす教室で、二人の密談は続く。
「てかさ、あいつが園田のことをいじめてたっての、ほんとのことなのか?もし違うなら、結構やばいんじゃないか?」
「そこは問題ねーよ。何せあいつと同じ中学の友達からの情報だからな。間違いない。だから安心してくれ」
「そうか、なら安心だな」
となれば、と一人が続けた。
「次はどうする?いっそのこと、直接脅してやるか?妥協なんてなさそうだし、手っ取り早くていいんじゃないか?」
「いや、まだ舞華との関係性は謎だからな。ここは慎重にいこう」
「確かにそうだな。となれば」
ピロン♪
「あ、悪りぃ。先輩からだ。早く練習でろってさ」
「そうか、練習終わったらまた連絡してくれ」
そんなやりとりの後、一人は足早にグランドへ向けて去っていった。
もう一人は教室を出て、廊下を歩きながらポツリとつぶやいた。
「大変だな、サッカー部のエース様は」
空になった教室に、冷たい風が吹き込んでいた。
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