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一人と独りの静電気   作者: 枕元
第7章 わがまま

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ex7 私は関係ない

 どうして。そんな疑問が頭の中を埋め尽くす。


 目の前の男が何かをわめき散らかしているが、その内容が全く頭に入ってこない。


 どうして、今さら?


 あの日のことは、もう終わったことじゃないか。私も彼も、二人して被害者。それでいいじゃないか。


 大丈夫だ、まだ間に合う。まだ何とかなるはず。


 いや、ちがう。



 ()()()()()()()()




 ーーだってなんにもしていない。




 目の前の男、篠原のしたことだって、私は何にも指示していない。ただ、彼が勝手にやったことだ。

 

 白河がやったことだって、瑞樹が勝手に暴走した結果じゃないか。私がそうしろとは、一度も言っていない。



 周りが勝手にしたことだ。その中心に私はいない。



 「なんでそんな大事なこと、今まで言わなかったんだよ!!」


 篠原がそんなことを大声で言っている。冷静になれたおかげか、やっと彼の言葉が頭に入ってきた。


 

 「ーーーー勝手なこと言わないで!!」

 

 そうだ、彼は勝手だ。私を彼女にする代わり、喜多見君から守ってくれるって、勝手にそう言ったんだ。


 私は助けを求めていないというのに、勝手にそう提案してきたんじゃない!!


 簡単な話だ。私は篠原がもともと好きで、その提案は渡りに船だった。


 だって私は、否定も肯定もしていない。


 それはなんにもおかしくない、ありふれたストーリー。


 そして被害者は、私だ。


 どうして私を責めるのだ。私が自分から何かをしたことがあったか?


 ない。あるわけがない。だから問題ない。



 悪いのは私以外で、私は何にも関係がないのだから。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 弱い人間というものがどういうヤツなのか、うまく表現してますね。 [一言] 結局、学校内は一種の治外法権を持った閉鎖社会だ。そんな中で食いものにされる弱者にはその時点では何の責任もない。 し…
[一言] 色んな意味で彼らの間に起きたいじめ問題は明らかにされるべきだったんだよな…… というか根本的には周囲の大人達がもっとしっかり彼らを見ていれば良かったんだけども。 現状の園田に不快感を感じな…
[気になる点] アレ視点か。 相変わらずの自己憐憫か。 同じ被害者は呆れるが。 [一言] 篠原も他人の意見でコロコロ意見変える所、何とかせんと、何れもっと取り返しつかない事しそうだが。
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