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一人と独りの静電気   作者: 枕元
わがまま
43/75

始まり

新章です。がんばります。

 翌日、登校した俺のことを、廊下で白河が引き止めてきた。


 「おい、ちょっとこっちこい。話がある」


 いつもよりは凄んだりはしていないが、それでも威圧的なことに変わりはない。


 「え、嫌だけど」


 そんな態度でこられたら、正直会話どころじゃない。悪いけどお断りだ。


 「ま、待てよ!板倉のことで話があるんだ!」


 出てきたのはそんな言葉。なるほど、板倉ね。


 「別に興味ないよ」

 「んなっ!?興味ないってお前、そんなはずないだろ!?」


 残念だが、本当にない。


 大方板倉に色々教えてもらったのだろう。信じているかはともかく、俺と園田に何があったのかを。


 「悪いけど白河のこと信用してないから。それに話は本人に聞いたし」

 

 別に板倉を信用しているわけでもないけどな。


 「どうせ福村にいいところ見せようとか、そんなこと思ってたんでしょ?」

 「それは」


 まぁ図星だろうな。これに関してはわかっていたことだけど。


 「別に白河を直接どうこうするつもりはないよ。だから放っといてくれよ」

 「別に、そんなつもりじゃねぇよ」


 そう口では否定しているが、その表情は苦虫を噛み潰したようなものだった。大方、保険でもかけておこうと思ったのだろう。


 反省した姿を少しでも見せておけば、もしかしたら許されるかもしれないと。


 はっきり言ってどうでもいい。


 どちらにせよ手遅れだ。俺のやることは決まってる。


 自分でまいた種だ。存分に苦しんでくれ。


 「お前、何するつもりだ?」

 「別に。お前らに何かするつもりはないって」


 あくまでこれはそう。自分のためだ。

 だからお前たちにはどうしようもない。


 勝手にお前らが自滅していくだけだ。


 

ーーーー


 「ねぇ、本当にいいの?お兄ちゃん?」


 放課後、少しむすっとした表情の幸を連れて、俺は電車に揺られていた。


 「ん、もう決めたことだからな。それよりもごめんな?俺のわがままに付き合わせちゃうことになって」

 「それは別にいいけど、大変なのはお兄ちゃんの方だし」


 昨晩は色々と大変だった。まぁ端的に言うと幸が怒った。それはもう、鬼が出たかと思った。


 結局ちゃんと理由を話したら納得してくれたけど、まだ100%許してくれたわけではないと思う。


 ともかくだ。まずは話を通さないといけない。そうしないと実現可能かすらわからないのだから。


 電車に揺られること10分。駅を出て5分ほど歩く。


 今から会いにいく人に、俺がくることは伝えていない。


 だけど連絡を取る必要もないだろう。だって俺は帰ってきただけだから。


 「ただいま、()()()


 そろそろ喧嘩の続きを始めようと思う。

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― 新着の感想 ―
[一言] こういうの好き
[一言] ブクマ何回押してもないって言われた焦った… (73/44) 結構統合されてる∑(゜Д゜)
[気になる点] 最終章が・・・。 短編から長編になり、今まで他の方も指摘有る中で、あくまで恋愛物、初めの方は鬱展開ですが、やがてと言ってたので、過去の清算も込めて話が序章として続き、それの終了後に恋愛…
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