表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一人と独りの静電気   作者: 枕元
第五章 その救いは誰のものか
35/75

恐れる者

第五章ラスト!

 水面下で、何かが動いているらしい。


 はっきり言って、俺は何も関与していない。「この件」に関しては。


 最近は「あの一件」のことも忘れかけていたし、何なら「あいつ」の名前だって久しぶりに思い出したぐらいだ。


 もう、終わったことだと思ったんだが。


 どうやら何かが起こっているらしい。特に目撃情報だとか、「あいつ」の噂とかが流れるのは都合が悪い。


 暴かれるわけにはいかないのだ。


 だけど、そんな不穏な流れはすでに出来上がってしまっているようだ。実際に会ったりしたわけではないのに、どうしようもなくそれを感じ取ってしまった。


 どうするべきだろうか。いや、どうにかするべきだ。


 そう思った俺は、手を打ってしまった。今思えば、かなり早計だったと後悔する。


 それと同時に、仕方のないことだったと思う。


 だってそうしなければ、「あいつ」の立場が悪くなければ、おそらく俺も道連れだからだ。


 だからあの判断は正解なはず。


 俺は不安に駆り立てられている心を隅に追いやり、自分の優位性を保つ。


 それが対外的に意味をなさずとも、今この瞬間の心の平穏のために、俺は自分に言い訳をする。




 大丈夫、悪いのは俺じゃない。元を辿れば、他のやつ。


 この先俺は、何かしらの追加のアクションを起こすべきだろうか。俺は今一度自分の立場を再確認する。


 大丈夫。今ならまだ部外者だ。関与はしたが、大したことじゃない。だってもともと、それはそういうものだったから。


 少し脚色して、それを流しただけ。


 そして過去の出来事は消せないが、幸いなことに「あの一件」はすでに結論が出ている。今更裁かれることはないだろう。


 そうだ、俺はまだ傍観者でいられるはずだ。

 

 だってこのままなら、きっと俺の名前は浮上してこない。


 そうならないために、わざわざリスクを冒したのだ。


 きっとうまくいく。あの時だってそうだった。


 「大丈夫だ」

 

 何度目かわからないその呟きは、誰の耳にも届かない。


 それでも不安に駆られる俺は、そう零さずにはいられなかった。

ということで、伏線を挟みつつの第五章でした!

章題は「その救いは誰のものか」でいきたいと思います。

章としては、主要人物それぞれの方向性が定まった章となりました。

もちろんそれは迷いも含めて、ですが。

次章では、物語も進行させていきます(遅い)。

前途多難、問題はまだまだ山積みではありますが、どうぞこれからもお付き合いいただけると嬉しいです。


それでですね。ブックマーク及び評価によって加算されていくptポイントがですね、この度何と!3万ポイントを突破しました!

この3万ポイントっていうのは、作者が密かに目標としていた数字でありまして、皆さんの応援のおかげさまで辿り着くことができました!本当にありがとうございました!

長くなりましたが、これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 3万ptおめでとう! これからも、気楽に気長に頑張ってくださいね〜。
[良い点] やっと大元のイジメの主犯らしき奴が出てきた!コイツこそ諸悪の根元、絶対許すな!社会的に抹殺だあ。
[一言] これが、絶対平和主義を刷り込まれた世代の考え方か、と感心しきり。いじめというのは、相手を何らかの形で圧倒しないと決して収束しない。作品としては面白いと思うが、物語としては重すぎてあまり好きに…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ