ex4 どうすればーーーでいられるか
一週間ぶりに、舞華は学校に来た。
だけど、彼女が私に話しかけてくることはなかった。
それも当然か。彼女に対する嫌がらせの発生源を、きっと彼女は分かっている。正しく理解している。
唯一の懸念事項、彼女が誰かに相談することも無かったようだ。
まぁ、あったとしても、だが。
彼女の様子を見るに、彼と関わるのも控えているように思えた。
というよりも、誰とも関わるのを控えている。いや、避けているように見受けられる。
彼女に話しかける子はいる。多分、一週間も休んだのを見て、一連の出来事の加害者になるのを恐れているんだろう。
何となく何が起こったかは、みんな把握しているのだ。
大丈夫。みんな一緒だ。
「仕方ないよね」
そう一人ごちる。
周りからどう見えているかは分からないが、私には彼女が孤立しているように見える。
周りに人はいるが、それでもだ。
そう、仕方ない。
だってこれは、自衛の結果だから。
勝手に口を挟んだ、彼女の自業自得。
彼女は、一人で独りになったのだ。
だから言い聞かせる。
ーーーー私は、加害者なんかじゃない。
ーーーーあいつらなんかとは違うんだ。
ーーーー
ピロン。
そんな音で、私の携帯がメッセージアプリへの受信を知らせた。
送り主の名前を見て、そんなに昔ではないのにすごく懐かしい感じがした。
「加奈?」
しばらく連絡なんてとっていなかった旧友の名前に、私は驚いた。
「どうしたんだろ」
私はアプリを開いて、メッセージを表示した。
そして、その内容に絶句した。
「どうしよう」
どうすればいいか。私には分からなかった。
ただ、はっきりと何かにヒビが入るのを私は感じ取った。
どこか致命的な。そんな響きが伝わった。
「何とか、しなきゃ」
私は考える。どうすればーーーーでいられるか。
どうすれば私は、可哀想な存在でいられるかをーーーー
久しぶりのexでした。
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