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鳥の調教師かも
カエルを咥えて、小鳥が戻ってきた。
お地蔵さまの頭の上で、カエルを咥えて、じっとこちらを見ている。
もしかして…
「もしかして、それを俺にくれるのか?」
小鳥は、干からびて見えるカエルを口から離して、「もっず!」と…
喋った?!
「お前、話せるのか?」
「もっず」
「カエルを俺にくれるのか?」
「もっず!」
「ありがとうな。でも、カエルはお前が自分で食べてくれよ。気持ちだけ受け取っておく。本当にありがとう」
「もっずー」
…これが、異文化交流、なのか?
いや、異世界か。
そんな感慨に耽っていたら、いきなり右後方の死角から声をかけられた。
女の子の声だ。
「ちょっといいですか?」