弱き体
僕は生まれたとき、平均よりかなり低い数値で生まれてきた
いわゆる未熟児である
母は最初、触れると壊れてしまいそうな、保育器の中で苦しそうにしている僕を触ることができなかったらしい
そんな僕に触ったのは父だった
触れると壊れてしまいそうで、誰も触れなかった僕をそんな僕を、温かみのある大きな手でそっと触れたのである
こんな経緯があったからこそ、知らぬうちに僕は父親っこになってしまったのかもしれない
保育器を抜け、退院できた後も、体が弱く、救急車で運ばれ入院する日々が続いた
そのたびに父や母、時にはおばにまで迷惑をかけた
唯一僕が迷惑をかけなかったことと言えば、痛みに強かったことである
同年代の子供なら怖がって泣き出してしまうような太い注射でさえ、僕は泣き言も言わずに涙をこらえながらじっと耐えていたらしい
そんな経験が、今のしぶとい自分を形成しているのかもしれない
うちの地域では3歳まで治療費が無料だったらしいのだが、僕は子供ながらに家庭の経済事情を察したのか、3歳以降はぱったりと病気をしなくなった
それどころか成長と共に、周りの子供以上に健やかに大きく成長していった
子供のころは周りと違って太っていた自分が嫌いだったが、両親は逆にそれがうれしかったらしい