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オタク優等生とコミュ障な俺と  作者: 東雲涼斗
第1章 コミュ障とオタクの出会い
8/11

第7話 部活初日

学校から帰った俺は佐倉と会ったゲーセンにいた。

だが、今日の俺はいつもと違う。いつもの俺なら、()()()ゲーセンに行くのだが、今日からは一人ではない。俺の隣には我が学園生徒全員の憧れであり、俺が所属している(もはや強制だが)ゲーム部の部長の佐倉舞がいる。俺たちのゲーム部は、昨日設立されたばかりで部員も俺たち二人しかいない。さらに学校にもまだ部の申請すらしていないので公式ではなく()()()だ。

「ちょっと朝倉君?何ボーッとしてるのよ。」

とゲーム部部長の佐倉が言ってきた。

「あっ、いや何でもない。」

このゲーセンに行くまでコミュ障発動していて全く会話がなかったのでそのままボーッとしてたなんてとてもじゃないけど言えない。

「とりあえず、まずは朝倉君の実力を見させてもらうわ!このスタストでね。」

と佐倉は何故か自信満々に言った。

「おう、いいぜ暁。この俺が相手になってやるぜ!」

俺は、つい佐倉のハンドルネームである「暁」をその場で叫んでしまった…...

「もう!なんで私の秘密を......」

「えっ、暁ってあのスタスト無敗のあの暁か!?」

俺の声を聞いて、スタストの台の前に居た他の客は騒然としている。

「すいません!俺の勘違いみたいでした〜」

俺は必死にさっきのことを誤魔化した。

佐倉は自分の秘密を大声で叫ばれて、今にも泣き出しそうなくらい顔を真っ赤にしている。

「あっ......ごめん。悪気はなかったんだ。」

と俺は真剣に謝った。

「ふんっ。もう別にいいわよ。」

意外と佐倉はあっさりしていて、そのままスタストの台に着いた。

もう佐倉のやつ怒ってないのかな?と安心したのも束の間、佐倉はさっき自分の秘密を大声で言われたのを根に持っていたようで、佐倉とこのゲーセンで初めて会った時よりも本気で俺をボコボコにしてきた。

そして、俺の対戦結果は――

惨敗だった......

そして俺は心の中で――

「全然怒ってるじゃねぇかよ......」と呟いた。

俺は佐倉のサンドバックになっていた......

結局、俺はスタストを佐倉と5回して全敗した。佐倉はまださっきのことを気にしていたようだったので、佐倉に謝ろうと何度も声を掛けようとしたが、コミュ障の俺にはハードルが高かった。だけど、このまま謝らないのも悪いので、俺は勇気を振り絞り、佐倉に声をかけた。


「さっきはごめんな。別に悪気があったわけじゃないんだ」


「それまだ根に持ってたの?もういいわよ。」


「よかった〜佐倉がマジでスタストやってたから怒らせたのかと思ったよ。」


「私はいつだってゲームは本気よ!けど、ありがと。朝倉君って意外と優しいのね。」

と佐倉は照れたような顔で言った。


こんな言われかたしたらこっちまで照れてくる。そんなの反則だろ......

佐倉はスタストが終わると――

「今日はこれくらいにしましょう。部活は帰るまでが部活なのよ。ということで、一緒に帰りましょう朝倉君」

と佐倉は、満面の笑みで言った。


ゲーム部の部活初日、俺は今まで想像もしたことがない状況の中、学校一の美少女佐倉舞と一緒に帰った。

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