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82

戻って仰天した。ウールちゃんが大きくなっているのである。


「ねえ二人とも聞いて頂戴!ウールちゃん、レベル12になったら進化したの!アタシびっくりしちゃったわ」


40センチ程度だった身体が80センチ程度……倍になっている。心なしか顔つきもドヤ顔でこちらを見ている気がする。羊の表情は良く解らないが。


「……ンッメ。メッメメメ」


「あー、うん良かったですね。……85?もうちょっと高い方が良いんじゃねえですか?あーあー、今から谷の方に行くしもうちょっと頑張れますって、ほら行こうですよ」


イルにウールちゃんが話しかけ、イルの反応に一喜一憂するウールちゃん。85って何だろう。レベルではあるまいから、ステータスの話かもしれないな。


「進化先って、アタシ達側が選ぶのねえ。『ウールシープ』と『バトルシープ』と『プロダクションシープ』から選択しろってウィンドウが出て困っちゃったわ」


前情報もなければヒントも無く、名前となった先のレベル1の状態のステータスしか確認できなかったらしい。仕方ないのでウィンドウをウールちゃんに1つずつ見せてどれが良かったか聞いたそうだ。


「だからウールちゃんはプロダクトシープ改めプロダクションシープになりました。ウールを作る時に形状に融通が利くようになったみたいなのよね。これはジャケットかコートを作れと言う神のお告げだと思うのよ」


へえ。2倍になってもカリスマさんの頭に陣取るウールちゃん。この調子で大きくなったら、次はもう乗れないと思うのだが。しかし、イルはレベル30で進化するとランチュウ……天草さんが言っていたのだが、魔物ごとに進化レベルは異なるのだろうか。


「どうも進化した方が良い事が多いようですね。イルも早くなれると良いんだが」


「俺はまあ、鬣も生えてきましたし。もうそんなにかからないと思うから焦らないけどです」


そう言うもんか?まあ、2時間戦ってレベルが1も上がってないのだから、イルにはこの辺りの魔物は弱過ぎるのかもしれないな。本格的にゴノース森も視野に入れておこう。


ニノース谷でも同じように分散した。カリスマさんは材料集めと言う名のウールちゃんのレべリングへ、私は文字通り材料集めである。イルは私の護衛。優秀すぎて近頃糸を使う機会が殆どないのである。困った。


石も早い所1個が2個になる不思議状態になって貰いたい。識別練習がてら崖を見つめながら採掘していると、魔力が通る所に石があると言う事が解ってきた。ただの石はどうやら魔力を通しにくいのだな。通る所を掘れば百発百中である。これは嬉しい誤算だったか。


ちらちらとステータスを確認しながら採掘していくと、30分ほどで【採掘Lv.30(Max)】になった。すぐさま【自動採掘Lv.1】へ進化。空振りが無くなったせいか、経験値の入りが良くなった気がする。どうせならレベル5まで上げて石が1個増える不思議状態まで持って行きたい。


我ながら飽きもせずに崖を掘った。どれくらいかと言えば【自動採掘Lv.8】まで上がった程度である。もっと具体的に言うと、崖が帯状に窪んだくらい掘った。さすがに飽きてきたので水筒を取り出して休憩することにした。


「またえらい掘ったですね。上歩いたら崩れるんじゃねえのですか?」


そこまで責任は持てない。出来れば崖には近づかないでいただきたいところである。


ニノース谷では崖に張り付くばかりで、上流側には全然行った事が無い事を思い出した私は上流へ向かう事にした。勿論イルにも断ってある。適当に後からついて来るだろう。


崖に沿って進みながら、魔力が通る所だけ掘る。深く掘ると前に進まないので、あくまで一堀りで出てくる範囲の石だけを拾う。残念だ、これほど便利な判別法を自ら打ち捨てていたとは。最初の使い方が悪かったんだなとつくづく反省しつつ、滝壺まで辿りついた。


割に水量も規模も大きな滝壺だ。マイナスイオンもさぞかし漂っている事だろう。水も綺麗だし、結構雰囲気の良い場所だと思う。


「お、なんか感じ良いとこですね?落ち着くって言うか」


後からきたイルも、気持ちよさそうに目を閉じた。やはり種族的に水のある場所が落ち着くのだろう。そりゃあ滝壺から王冠をかぶった大山椒魚も微笑ましげにこちらを見ている筈である。


「ん?」


大山椒魚が王冠をかぶっているってどういう事だろう。もう一度滝壺を見遣ったものの、大山椒魚は忽然と姿を消していた。見間違い、だったのだろうか?釈然としなかったが、覗き込んでも大山椒魚どころか魚一匹見えないままだ。首を傾げながら、元の方へ戻ることにしたのであった。



辰砂しんしゃ Lv.70 ニュンペー

職業: 冒険者、調薬師、魔法道具職人の弟子

HP:1185

MP:3380

Str:470

Vit:250

Agi:500

Mnd:610

Int:610

Dex:530

Luk:230


先天スキル:【魅了Lv.9】【吸精Lv.10】【馨】【浮遊】【飛行】【緑の手Lv.2】【水の宰Lv.3】【死の友人】【環境無効】

後天スキル:【魔糸Lv.12】【調薬Lv.20】【識別Lv.20】【自動採集Lv.9】【自動採掘Lv.8】【蹴脚術Lv.4】【魔力察知Lv.11】【魔力運用Lv.15】【魔力精密操作Lv.23】【宝飾Lv.7】

サブスキル:【誠実】【創意工夫】【罠Lv.13】【漁Lv.2】【魔手芸Lv.7】【調薬師の心得】【冷淡Lv.4】【話術Lv.6】【不退転】【空間魔法Lv.8】【付加魔法Lv.13】【細工Lv.5】【龍語Lv.6】【暗殺Lv.2】【料理Lv.4】【夜目Lv.4】【隠密Lv.12】【魔法道具職人の心得】【文字魔法Lv.15】【木工Lv.5】


ステータスポイント:0

スキルポイント:68

称号:【最初のニュンペー】【水精の友】【仔水龍の友】【熊薬師の愛弟子】【絆導きし者】


イルルヤンカシュ Lv.29 仔水龍

HP:7500

MP:5000

Str:1150

Vit:1150

Agi:350

Mnd:630

Int:630

Dex:400

Luk:100

スキル:【水魔法Lv.28】【治療魔法Lv.5】【浮遊】【飛行】【強靭】【短気】【環境低減】【手芸Lv.19】【アヴァンギャルド】【風魔法Lv.13】【雷魔法Lv.15】


スキルポイント:2

称号:【災龍】【水精の友】【ツンデレ】【絆導きし者】


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