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すみません、前の話と矛盾する内容があったので修正しました。大筋に変更はありません。
ブレスレットに仕上げては付加魔法を付けて並べる。紫水晶がエンチャント(水)、薔薇水晶なら火が抵抗されない。茶水晶は土、黄水晶は風で緑庭水晶は樹であった。ガーネットはどの属性も弾かれてしまった、レベルが足りないのかもしれない。
練習も兼ねて作れる限りブレスレットを作って行く。途中で色付きの水晶が無くなってしまったので、単結晶がすだれ状に下がるように繋いだペンダントも作ってみた。無色の水晶はどのエンチャントもすんなりかかるので、好みもあって水を付加した。
さすがに精霊さんにあげた程の魔力を注ぎこむと個数が稼げないので一つ当たりMPを100程使用した。さてこれらを売りたいが、売値はどれほどが適正だろうか?
「カリスマさん、今話しかけても大丈夫ですか?これはどれくらいで売れると思います?」
丁度ジャケットの様な物を縫いあげたカリスマさんに聞いてみた。カリスマさんでも解らなければ適当に決めよう。快く聞いてくれたカリスマさんに、ブレスレットの詳細を見せるためいったん手渡す。
「どれどれ?……え?魔法補助……?しかも石の色で種類が違うの?しかも耐久値おかしいわ……品質Dで100って何?材料が鉱物だから?いいえ、それなら武器類の耐久値がもっとある筈よね……。お姫様、いいえ、辰砂ちゃん。これらはかなり高くしないといけないわよ」
かなり長かった一人百面相は終わったらしい。ぶつぶつ言い始めたので、水晶磨きを続けていたのだが手を止める。しかし、高値が付くとも思えない品質だと思うのだが?
「理由を聞いても良いですか?正直、元手は掛かっていませんし品質もDですから大したことはないと思っています」
「そうねえ、魔法補助効果と耐久値がおかしくなかったらただの装飾品だから200エーンくらいが相場なんだけどね。今まで魔法の助けになる様な装備品は出てないから、普及するまでは、そうねえ……10000エーンくらいかしら」
衝撃の価格設定であった。このブレスレット6本でカリスマさんの装備が一式変えてしまうと言うのか。いやそれは取り過ぎだ。
「待ってください、このブレスレットの耐久値は私が注ぎ込んだMPと同じ数値になってるんです。500使ったブレスレットの耐久値は500でしたから間違いないです。もしかして補助する度に耐久値が減ったりとかするかもしれません、そんな消耗品には10000エーンは高すぎます」
焦りながら推測を話す。いくら私が厚かましくても素人の手芸品にそんな値段は付けられない。カリスマさんはそれを聞くと眉根を寄せた。
「辰砂ちゃん、作り方は出来るだけ喋っちゃダメよ。今のはアタシも悪かったけど、そうなのね……魔法ならそのうち追従者が出てくるか……そしたら、4000エーンくらいまで抑えましょうか。多分同業者がそのうち出てくるから、そしたら向こうに合わせたらいいわ」
大分良心的な値段になってほっとした。その通りに設定しながらマットの上に並べていると、カリスマさんの露店にパーティが来店した。
「カリスマさん、やっと西の森抜けられそうだわ。明日は来られないかも知んないからさ、頼んでた装備が出来てたら引き取りたいんだけど」
「あらそうなの?出来てるわよ、はいこれ。お代は伝えてた通り25000エーンね。……確かに、ありがと」
「わぁ、可愛い!!カリスマさん、ありがとうございますぅ。とうとう状態異常の薬が見つかったんですよぉ、薬品店の変な名前の薬がそうだったんですぅ」
「午前中に掲示板に情報提供があってな。早速買い込んで今からボス討伐だよ。ポーションが心許ないが、ま、何とかなるだろ」
「あら、ポーションならお隣さんがちょっと売ってるわよ。見ていけば?」
午前中と言うと、少女達に頼んだ書き込みだろうか。情報が行きわたっているようで何よりだ。磨ける水晶が無くなってしまったので今度は糸で編み物の練習をしながら会話を聞いていると、カリスマさんが水を向けてくれた。パーティの人達は微妙な顔をしているが、一応こちらに来てくれた。
「いや、言っちゃ悪いんだけどプレイヤーメイドのポーションは効果が低……くないな。店売りと遜色ないぞこれ」
そりゃそうだ、グレッグ氏と一緒に作ったのに効果が違ったら詐欺である。等とつまらない事は言わずにおいて、パーティが騒ぐのを見守ることにする。
「おーこれなら買った方が良いじゃん。全部買おうぜ」
「マナポーションも品質Eだけ残して後は貰お?リキャストタイムも全然長くなってないしぃ」
「値段も品質相応か。店主さん、全部貰うといくらになるんだ?」
「ポーションの品質Cが5本、Dが10本、マナポーションの品質Dが17本ですね?合計12970エーンです。瓶は次回購入時にお返し頂けたら1個につき10エーン値引きします」
このマット、端に電卓が付いている。おかしな所が便利だ。合計金額を告げてエーンをやり取り。ストレージを開いた女性がおかしそうに瓶を透かしている。
「瓶もタダじゃないもんねぇ。薬品店も同じ事言ってたよぉ。大事に取っとくねぇ?」
瓶も同じものでござい、とは言わずそうですねと流した。お見送りをして、最初の接客は終了だ。
「良いポーションなのね。一杯作ったら、明日には貯まるんじゃあないかしら?」
カリスマさんの意見に正直賛成だが、飽きっぽい私の性分を考えると調薬ばかりやると飽きる可能性が高い。気長にいこう。一週間まではかかるまい。
残念ながら、ブレスレットは夕方まで粘ったものの売れずじまいであった。これも気長に考えよう。
辰砂 Lv.16 ニュンペー
職業: 冒険者、調薬師の弟子
HP:360
MP:1400
Str:330
Vit:200
Agi:330
Mnd:530
Int:530
Dex:530
Luk:200
先天スキル:【魅了Lv.2】【吸精Lv.2】【馨】【浮遊】【空中移動Lv.3】【緑の手Lv.1】【水の宰Lv.1】【死の友人】【環境無効】
後天スキル:【糸Lv.15】【宝飾Lv.5】【調薬Lv.11】【識別Lv.10】【採取Lv.21】【採掘Lv.5】【蹴りLv.18】【魔力察知Lv.2】【魔力運用Lv.2】【魔力精密操作Lv.3】
サブスキル:【誠実】【創意工夫】【罠Lv.9】【漁Lv.1】【魔手芸Lv.6】【調薬師の心得】【冷淡Lv.1】【話術Lv.2】【不退転】【空間魔法Lv.5】【料理Lv.1】【付加魔法Lv.2】【細工Lv.2】
ステータスポイント:0
スキルポイント:5
称号:【最初のニュンペー】【水精の友】【仔水龍の保護者】