顔
掲載日:2026/07/18
まだ小学低学年の頃、母の実家に泊まった時の話。
広い仏間で家族で寝ていて、夜中にふと目を覚ますと
襖を開け放たれて見えている隣りの部屋に、でかい顔があった。
大人が両腕を広げたよりももっと大きな顔だけが。
ぎょっとなったが、何故か怖くはなかった。それはその顔が、何やらコミカルな顔だったせいもあるかもしれない。
巨大な顔は、漫画の様に太い眉とギョロ目で、分厚い唇の口元はにやりと笑っていた。
今思えば、それは笑っている達磨にも似た顔だった。
私はしばらくそのでかい顔をねぼけまなこで見ていたが……それから後の記憶は無い。
気がついたら朝だった。
母の実家はとんでもない山奥の古い田舎家なので、妖怪のたぐいか何かだったのかもしれない。




