謎の男
2025/03/06uper.ruper新作品「路の国」始発、、、 13:05
ザーッ〜 ザーッ〜
ビュゥゥー、、、 ビュゥゥゥー、、、
ビュオオォォォォォォォォォォ―ー–~
強風で何も聞こえない。それに砂が舞っていて視界は一面“肌色”だ。
この砂嵐に視覚と聴覚を奪われている。
ここは一体どこなんだ?人の気配も、その跡もなく、ただひたすらに荒野が広がっている。
かなり長い年月を植物も育たず乾燥していたからか、辺り一面砂で覆われており、左右には砂山がある。俺の歩いている地面は、時々風の影響で露出した地が見える。
風の中には、当時生い茂っていたであろう枯れた植物の残骸が 砂嵐と共に舞っている。
何故だ?何故こんなに荒れているのだ?
何故反応があったこの場所に生きた跡がないんだ?
そもそもなんだこの機体は。ここで一体何があったっていうんだ?
いや、考えても分かるわけがない。だって ここは、人類、いや、生命体の中で最初にたどり着いた場所なのだから。
────時間後、、、。男は疲れ果てていた。すると、突然 声が聞こえてくる。
ー「おい、大丈夫か?」
「!」
どこから聞こえてきているんだ? 前でも後ろでも、左でも右でも、上でも下でもない。
強いて言えば頭の中に直接話しかけているようだった。いや、冷静に考えてみろ。そんな事あるわけ、、、
「あれ、気絶したか⁈」
「!!」
いや、そんな馬鹿な、、、。これは幻聴なんだ、、、。だってどこにも誰もいないんだから。
「いや呼吸してるなぁ。おい、話しかけてんだろ。無視すんなよ。あ?あ!喋れないんだな!そうなんだな?だからかーそんなことだr、、、」
「うるさい、、、」
「おわっ‼︎しゃべんじゃん。ビビったわーっ。」
「お前は誰だ?」
「俺?俺に話しかけてる?」
「お前以外いねーよ。」疲れ切った声でそう言う。
「あそっか。俺はー うーん、何て言えばいっか。まあ、好きなように捉えてくれていいけど。」
は、話が通じた!、、、のか? まぁどうせ幻聴だと思い込み、無視して歩き始めると、
「おい、どうしたいきなり動き出して。そろそろキツイんじゃないのか? そろそろ戻った方が、、、」
「、、、」
「無視?無視はいかんって。大体、こそら中見渡してみ?さっきから全く景色変わってないだろぅ。こんなところに一体何があるってんだ。」
「生命だよ。反応してたんだから、きっと在るはずなんだ、、、」
「んー、、、そうだといいけど。」
ビュオオオォォォォォォ────
強烈な砂嵐に足を持ってかれそうになる。
「もう無理だって。引き返しなよ。」
「今更遅いんだよ、、、これから何時間もかけて着いた頃には干からびてる。」
「その戦闘機には?」
「だめだ。あそこまで衝撃を受けたら核ごとダメになる。」
「四方塞がりってことねー。」
喉が乾いた、、、今にも気が飛びそうだ。それでも、ほんの少しの希望を掴み取ろうと必死に歩く。
「ワッ‼︎」
一瞬気を抜いてしまい、うっかり砂で滑って横転する。
「大丈夫か?」
立ちあがろうとするも体が言うことを聞かない。腕を使って必死に進む、、、
「もうやめとけって、、、これ以上進んだら救助を待つことすら困難になるぞ!」
「、、、」
「おいだから無視やめろって、、、」
あーっもうダメだ 体が動かない その場に倒れ込む。砂が熱い。
「おっ、おい!大丈夫か⁉︎」
うるさいな、、、 幻聴のようなものがはしゃいでいるのは分かるが、砂嵐の音と同時に次第に聞こえなくなっていた。
っと思うとピタッと風が止む。
「おっ、あれ、止んだ?」そう幻聴のようなものがつぶやく。
「あ、 れ ? キ ノ コ ?」
視界が透き通り、横たわった顔の真ん前にはキノコがあった。
どんな種類なのか。見たことのない色をしているが、水気が噴き出している。
これしかない。
そう思った私はその得体の知れないキノコをそこから取って、口に咥えた。
おい、それ毒ないよな?大丈夫だよな と言う幻聴のようなものが聞こえるが、それを無視して飲み込んだ。
「あーーーーーっ、飲み込んじゃった!!! 、、、どうだ?息苦しくない?どっか痛んだりしてない?美味しい?」
相変わらずうるさかったので、それも無視した。
何だか、その“キノコ”を食べてから少し勇気が出たような気がする。味は最低だったが。少しずつ、少しずつ。ゆっくりと前に進む。無意識に、その先に対する希望は強くなっていったように感じる。
──── それは、何の前触れもなく訪れた。
「やっぱり人の気配なんてないぞ?そもそも景色も、、、」
「ん、どうした?目が真っ赤だぞ、、、、、」
「はっ!!!!」
クルシイ、クルシイ、、、体全体に刺激が襲う。今まで経験したことのない痛みだ。
そして頭痛がひどい。パンクしそうだ。
「おい、おい!大丈夫か?おい!」
その声と。変わらない情景も、だんだん薄れて、、、、
はっ何だこの感覚は?何だこの記憶は!!!
その瞬間、私は全てを理解した。
それを理解するのは、そう困難ではなかった。人類は、いや、生命の地獄への扉は、、、
一つ。 なのだから──
「おい!どうしたんだ!腹痛か?おいー返事しろ!おい、おい、、おい、、、、、、、、、、、、、、、、、
ダメ!飲み込んじゃダメ!
────それを 飲みこんじゃ 」
響く砂嵐。寒い風の音、、、
僕らはまた、地獄の落とし穴に、駆けていくようだ。
Nowhere near finished…
次回 2025/3/12 13:10