62 ラフィリアちゃんを、本物のラフィリアちゃんに戻すために(上)
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「レイルさんが心配ですね」
「そうね……元シャース王国のギルマスがどんな人かは知らないけれど、傲慢そう……」
「そう言う国民性だったのなら、傲慢なんでしょうね」
「ちょっと安く出すかな……気持ちだけど」
「お優しい」
こうして仕事を終えた皆が集まり、一日の出来事を話し合いながら何時城に持って行くか等、次の商売展開をどうするかなどを語り合い時間は過ぎて行ったのだった。
その夜、食事を終えて暫くすると、カシュールさんがやって来た。
一日三回薬を与えた所、かなり光の粒はまだ出ているけれど、気持ち穏やかになったようだと教えてくれた。
それでもまだ治るには長い道のりがあるだろうけれど……。
「これ渡しておきます。九本あるので三日は持つかと」
「助かるよ……こんな高級品普通では手に入らない……。俺達が此方にきた事で苦労を掛けているのに、此処まで良くしてくれて……」
「私はこの家の嫁ですから」
「……そうか」
「だが、ラフィリアは様子はどうなんだ? 落ち着いてきたとはいえ、部屋に閉じ籠っているのか?」
「ええ。心機一転このダイヤ王国で頑張ると約束したのに……」
「という事は、もう鉄の国サカマル帝国には……」
「戻っても、製薬ギルドマスターがラフィリアには仕事は渡さないと言われてしまって」
「どうして? 仕事はしていたのでしょう?」
そうセンジュ君が聞くと、溜息を吐いて「してはいたんだが……」と口にして続きが出ない。
しかし、意を決したのか顔を上げると、目線を少し下げて教えてくれた。
ラフィリアちゃんの性格が災いし、ギルドマスターと大喧嘩になったそうだ。
結果、ラフィリアちゃんは製薬ギルドを出入り禁止にされ、鉄の国サカマル帝国では製薬を作っても売る事も出来なくなったらしい。
そこで、心機一転アルメリアさんのいたこのダイヤ王国で頑張ろうと誓い来たらしいのだが――。
「心が安定せず、製薬が作れなかったんだ」
「「「えっ!」」」
「疲れたんだろうって話をしたんだが、ラフィリアは製薬が作れなくなった事で焦って、それもまたストレスみたいで」
「うーん……」
「作れたところで、品質の良い物は作れそうにありませんが?」
「セイヤクハ トテモ セイシンリョク ツカウカラネ! アルジ ヨク タオレテル」
「あ、こら!」
「そうなのかい!?」
「私、元々石を出す程度の力しか無かったんです。でも最近レアなスキルが生えてきてしまって」
「ロストテクノロジーには負けるが、超レア中のレアが生えたのう」
「余り使いたくはないですねぇ……。正直身に余るというか、そんなレベルなんです。なので、出来れば封印はしたいかなって思ってるんですよ」
「勿体ないのう……。じゃが製薬はしたいと」
「ええ、今はスタンピードがあったばかりですから、死ぬ人を減らしたり、身体の何処かの欠損を治せるのならと……」
「そこはユリの優しさだな。分かった、彫金と付与師に関しては、ユリは自分の為だけに使うといい。俺達は無理に手伝えとは絶対言わない」
「ありがとう御座います!」
こうしてある程度は封印が出来そうだとホッと胸を撫でおろすと、エンジュさんが私の頭を撫でつつ「身に余るというのなら使わなくていいのに。つい使ったんだな」と口にして私も「一応は試して見たくて」と苦笑いした。
それを偶々エンジュさん達に見られてしまったから登録はしたものの、基本的には家族の為にしか使わないという事は決めたのだ。
「ラフィリアちゃんは元々集中力のある子だったんですか?」
「いや、そうでもない。一応集中力はある方なんだが……飽きっぽくて」
「「「「ああ……」」」」
「直ぐ気移りするというか、そう言う所があってね。そこもギルマスに注意されていたよ」
「それは、その――」
「分かってる、製薬には向いていないんだろう?」
「そうですね、大体のギルドには合わないと思います」
「俺もそう思います。基本的ギルドに所属している人たちはその仕事に誇りを持って仕事をするので、飽きっぽいとか気移りするとかあり得ないですね」
「確かにそれはあるな……。何かしら自分の中で限界を突破しないと変態になれないというか」
「「「「変態になれない」」」」
「いや、実際そうじゃないか? トコトン自分を高めて集中して物を作り続けるって、ある種のトランス状態だろう?」
「そう言われてみればそうですが、兄上、言葉を選んでください」
「す、すまん」
「でも、エンジュさんの言葉を借りれば、ラフィリアちゃんは普通、一般的な女の子って事よね。どこかのお店に勤めるとか、そっちにしか行けなさそうね……」
「仕事の斡旋は何処かあるだろうか?」
「私の関係している仕事はギルド関係なので難しいです」
「そもそも、カシュールこそ仕事を早く見つけないといけないんじゃないか?」
「そう言えばカシュールさんは何かスキルを持っているので?」
そう言えばカシュールさんは何かギルドに入っていたりしたんだろうか?
それこそ聞いたことが無いから分からないけれど……そう思っていると、カシュールさんも製薬ギルドに所属していたそうだ。
ラフィリアちゃんが仕事出来なくとも、カシュールさんはアイテムを作る事が出来たし売る事も出来た。
しかし、今の状態では外に出ることも難しいとの事。
「でしたら、ポーション瓶は大量に持ってますので、置いておきましょうか?」
「いいのかい?」
「ええ、少しでも足しになれば宜しいかと。良いですよね?」
「まぁ、ユリの作ったポーション瓶なら問題はないだろう」
「使っていない部屋に置いておくのもありだろうしな」
「ただ、ラフィリアちゃんが寝ているときじゃないとあの家には近寄れません」
「それもそうか」
「一先ずポーション瓶だけでもそこの隅に山積みにしておけばいい。場所も邪魔にはならんだろう」
そうお父様に言われてポーション瓶の入ったケースを3段程積み上げておくと、「後で部屋に持って行ってくださいね」と伝えると「助かるっ!」と頭を下げられた。
「本当におんぶに抱っこで申し訳ない……なんて不甲斐ない」
「後はラフィリアちゃんが何とかなればいいですが……」
「難しいのでは? 姉様が出来る事はこれ以上ありませんよ。毎回お握りを用意したりも帰宅してから大変だというのに……。もう放置で良いのでは? 腹がすけば自分から動いて此処にも来るでしょう?」
「で、喧嘩になる可能性が高いという訳じゃな」
「悪循環だと思うのよ。まずはラフィリアちゃんの心の傷が治ってからでもそれは遅くないわ」
「は~~……姉上は甘い」
「ああ、俺達の姉様は甘い」
「だがそこに惚れたのもまた事実……」
「兄上」「兄様」
「すまん」
「何はともあれ、カシュールがアイテムを売るのならうちの店で売るといい。ポーションの売り上げだけは別にして貰うように頼むから、それで何とかなるだろう」
「すまないシンジュ……助かる」
こうしてカシュールさんの仕事復帰は何とか目途が立ったけれど、ラフィリアちゃんはまずは治療をしてから、それからという事にはなった。
しかし、その思いは中々届かない事を、この時私たちは知らなったのだ――。
翌朝、料理を作っているとカシュールさんが起きて来て挨拶をするとポーション瓶を持って行かれた。
ラフィリアちゃんはまだ寝てるのかなと思いつつ朝ごはんの準備をしていると、ドダドダと走ってくる音が聞こえた。
「おい、下請け!」
「下請け?」
「誰の事でしょう?」
「瓶作った奴だよ。下請けだろ」
「はぁ……下請けねぇ」
「センジュさん、包丁は一旦置きましょうか。ドマ、抜刀はしないで頂戴家に傷がつくわ」
「「ッチ」」
「下請けが居れば父さん仕事出来るし! 下請け凄いな! もっと瓶作れよ!」
「とは申されましても、今朝ご飯作ってますし」
「どうした皆揃って」
「ラフィリアがいるのは珍しいな」
「ああ、だってこの家に下請けがいたからな!」
「「下請け?」」
「私の事のようです」
その言葉に、エンジュさんから怒りのオーラが発生し、ドウドウと落ち着かせていると――。
「なぁ下請け! 私の分のポーション瓶ないの?」
「今度作ってきますよ」
「今から作って来いよ。使えねーな」
「とは言っても、今は朝ごはんの時間ですので」
「融通がきかねー下請けだな!! 行ってこいっていってんだろ!!」
「ラフィリア!!!!!」
と、バタバタと走ってくるカシュールさんがいて、「父さん!!」と喜んだ顔を見せた。
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