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【祝190万PV】石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!【完結】  作者: 寿明結未(旧・うどん五段)


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55 新たに生えて来たスキル【ものまね師】に驚愕する!

お越しいただきありがとうございます。

本日最後の更新です。

明日からは一日3回更新となっております。

朝8時に更新致しますので、応援よろしくお願いします!

いやいや、私にはそんなスキル無かった筈ですが?

そう思い「ステータスオープン」と告げて中を見ると――。


【鑑定スキル(物や相手の事を鑑定出来ます)・お取り寄せ(元の世界から宝石や貴金属と交換で買い物が出来ます)・テイマー(魔物を仲間にする事が出来ます)・デザイン(貴金属のデザインを作れます)・アイテムボックス(異世界人なら誰でも持ってます・無限)・調理スキル10・生活魔法スキル9・幸運6・危険察知5・悪意察知4】


此方は特に変わりなし。


【石スキルレベル:鉱石加工レベル10・宝石加工レベル6・貴金属加工レベル7・宝石細工6】


此方も特に変わりなし。

ん?


【ものまね師スキルレベル:彫金10・付与魔法10・攻撃魔法10・回復魔法10・治療魔法10・製薬10・結界10】

(※ものまね師とは、周囲の人々や使役してるモンスターに影響されて増えます。)



お、おう。いつの間にこの【ものまね師】が生えて来たんだろう。

全然気が付かなかった……。

するとお爺ちゃんが念話で語り掛けて来た。



『ふぁっふぁっふぁ!! こりゃ珍しいのう!! 超レアスキルが生えたのう!! こりゃええ、こりゃええわ! いいかユリよ、この【ものまね師】とは滅多に居らぬ存在でな? ワシ等程の者でなければ【ものまね師】とは分からぬはずじゃ。あとのスキルはカシュールのように読めなかったり、文字化けして見えたりする。文字化けして見えるスキルと言うのは超レアスキルが多い』

『でも、ものまねはタキちゃんも出来るわ』

『タキ デキルヨー』

『おそらくタキとアイテムを作り続けたお陰でいつの間にか生えておったんじゃろう。どうやって生まれる【ものまね師】かと思っておったが、そうか、ものまねを持っておる魔物と多く一緒に真似事をされる事で出来る様じゃのう』

『じゃあ、このものまね師はタキちゃんのお陰なのね。ありがとうタキちゃん』

『エッヘン!』

『それと、自分の名前の所をみてみい。面白い事が書いてあるぞ』



その言葉に一番上の名前の欄を見ると【聖女】と書いてあり気が遠くなりそうだった。

そうか、クリスタルを作ったから……。



「えっと、心を穏やかに集中させるとしか言いようはありませんが、瓶の不安があるというのでしたら、ガーネットでは不要です」

「本当かい!?」

「ガラスだぞ!?」

「ええ、今ガーネット二号店では万年筆と言う羽ペンの代わりになるモノも作っていますし、素材には色々使いますがガラスを使う事もありまして。それでガラスに困るという事は無いですね」

「一体シンジュはどうなっているんだ……ガラスなど高級品だろうに」

「お前か!! お前の仕業だな!!」

「姉様を指さすな無礼者!!」

「まぁまぁ」



ドマの怒りが爆発しないように何とかしないと駄目ね。

しかし困った。

このラフィリアと言う子はかなりのお転婆というか、口が悪い。

年齢的にはセンジュ君くらいだろうけれど、落ち着きがない。

心を落ち着かせるもの……ブレスレットかしら?



「ラフィリアちゃんが落ち着かない理由は何ですか?」

「なっ!」

「うーん、性格かなぁ……。この性格の所為で損ばかりしていてね。治そうにも治せない性格らしく、本人も困っているんだけれどね」

「多分製薬に差がでるのは落ち着きがないからですね。気持ちを静めるお守りを作ればなんとかなるかも知れないです」

「気持を静めるお守り?」

「時間を貰えるのなら作ってみますが……」



確かアメジストやラピスラズリは気持を抑える効果があるっていうパワーストーンだったのよね。

一応夏の国らしくアメジストで作ってみようかしら。

後は私の腕次第だけれど……。

腕輪で取り外しが効けばいいのよね。

ああ、それよりも常に身に着けておけるようにネックレスかしら?

そっちの方が製薬に問題なさそうだし……でもネックレスにすると他の付与アクセがね。

やっぱり腕輪か。



「取り敢えずお腹がいっぱいになったら眠くなったわ」

「それもそうだね。ひと眠りしていいかな?」

「ええ、個室にはベッドと部屋を涼しくする魔道具がありますので、そちらでどうぞ」

「何から何まですまないね」

「本当はユリとエンジュの新居になる予定じゃったとだけは伝えて置くぞい」

「こらお爺ちゃん」

「ダッテー ソレナラ トナリニ ヒッコシシヨウ ッテナッタジャナイ」

「あの家はあの家でいいんです」

「度々本当に申し訳ない。ラフィリア聞いたね?」

「……ッチ」



そう言うと走り去って行ってしまった。

うーん、イライラを落ち着かせないと駄目ね。

確かに性格の問題かもしれないけれど。



「はぁ……母親が流行り病で亡くなってからずっとあの調子だ。困った娘だよ」

「寂しいんだと思います。それに、反抗期ですし仕方ないかと」

「全く、家の娘が本当にすまない」

「気持がリラックスすればイライラも落ち着きますし、何か成功するようなことがあれば心にゆとりも出来て成長もします。そう焦る事はありませんよ」

「全く、エンジュは本当に良い妻を得た。分かった、君の言葉に甘えよう」

「はい。では私たちは仕事に戻りますが、戻ったら声を掛けますので」

「すまないね。ではひと眠りしてくるよ」



そう言うとカシュールさんも空いた部屋に向かい、私たちはそっと家を後にして馬車に乗り込む。

すると――。



「姉様は優しすぎます!! あのような無礼者放って置けばよいのに!」

「放っては置けないわよ。夫の従姉妹だもの。それに妹も反抗期の時はアレくらいあったわ」

「もう……俺も反抗期になっちゃいますよ!!」

「まぁ、それは困ったわね?」

「姉様?」

「ふふ、反抗期がシッカリないと大人になった時に苦労するって私のいた世界ではそう言われているの。将来苦労して欲しくないもの、今しっかり反抗していると良いわ」

「そんな姉様だから、甘えて反抗するんです……」

「ドマも反抗する?」

「俺はもう反抗期は過ぎました。俺の反抗期凄かったんですから」

「あらあら、それは見たかったわね」

「姉様……」

「冗談よ。ドマがちゃんとした大人になれそうで姉は嬉しいわ」



そう言って頭を撫でるとドマは頬を染めて「全くもう」と言っていたが、二号店に到着し作業部屋に向かうと、本当に自分が彫金等出来るのか試したくなる。

そこで銀鉱石を取り出し彫金してみると……確かに銀鉱石がぐにゃぐにゃ動く。

どうやら彫金は出来そうだ。

付与はちょっと分からないけれど……アイテムが出来た時にやってみよう。



「姉様、彫金師では無かったですよね?」

「それがね? お爺ちゃんがいうには凄く激レアなスキルが生えてたの」

「激レアスキルと言うと?」

「秘密にしてね? 私、【ものまね師】っていうスキルが出来てたの」

「【ものまね師】……聞いたこと無いです」

「ええ、何でも激レア中の激レアらしくて、お爺ちゃんも滅多にお目に掛かれないって言ってたわ。それになる為にはタキちゃんの持つ【ものまね】がカギみたいなの」

「へぇ……」

「私はタキちゃんと二人でアイテムを出してたでしょう? それで覚えたらしいわ」

「では、お爺ちゃんが言う通りとても激レア中の激レアなんですね」

「そうなるわね。という事でラフィリアちゃんの腕輪を作ろうと思います。用意するのはプラチナ鉱石に、宝石から作って置こうかな。アイテム生成・アメジスト」



そう言うと理想とするアメジストの素敵に宝石細工された石を出すと、大きさも問題ないしこれでいいかなと微笑む。

その横にクリスタルを入れたい。

クリスタルには邪気払いもあるし、気を浄化する効果があった筈だ。



「アイテム生成・クリスタル」



そう言うとアメジストの上下に並べるようにダイヤモンドのようにカットしたクリスタルを出した。とても綺麗だ。

これを頭の中にある取り外しが出来るブレスレットに加工すれば――。



「アイテム生成・加工」



つい言葉に出ちゃうけど、そっちの方がやりやすい。

プラチナは空気中で粘土のように形を動かし宝石も欲しいと思った時に動いて付けたい所に付いてくれる。

魔法陣が浮かんでいるから私の彫金は普通とは違うのかも知れない。

光がアイテムに集中し、頭の中で作り上げているデザインを定着させると、光の塊はパンッと弾けてフワフワと出来上がった腕輪が宙に浮かんでいる。

それを手に取ると魔法陣は消えた。

この後は付与の仕事になるけど、私が知ってるのって石に使われている効果くらいなのよね。

付けられるのかしら?



「アメジストに【精神安定付与】」



そう口にすると魔法陣が現れてそこから光が飛び出しアメジストに吸収される。

これもセンジュくんとは違うやり方だ。

続けて出来そうだったので続けて付与をして行く。



「クリスタルに【邪気払い付与】【気の浄化付与】」



そう伝えると上のクリスタルに【邪気払い付与】が、下のクリスタルに【気の浄化付与】がなされた。

鑑定してみると確かに出来ている。

後は腕輪に【強化付与】を付ければ完成だ。



「初めてにしては上出来じゃない?」

「凄いな」

「姉上いつの間に彫金師と付与師になったんです?」

「ほお……」

「……何故いつの間に皆さんが」



バッと後ろを向くと驚いた様子のエンジュさん達がいて、私からブレスレットを取ると「これは見事だな」と小さく呟いた。




読んで下さり有難う御座います!

連載頑張れ! とか 続きを楽しみにしてます! 等ありましたら

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