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【祝190万PV】石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!【完結】  作者: 寿 明結未(ことぶき・あゆみ)


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53 【緊急ミッション】結界石となる二メートルのクリスタルを作れ!

お越しいただきありがとうございます

土日は4回目の更新です。

次の更新は夜18時となっております。応援よろしくお願いします!

――翌日、城への納品の為に私とエンジュさん、ドマにお爺ちゃん達と一緒に馬車に乗りダイヤ王国の城へとやって来た。

まずは財務部に寄って頼まれていた品を手渡し、そこから「城の方々から頼まれた品ですが」と【万年筆1000個】【眼鏡1000個】も取り出すと、流石に驚かれたものの、「ありがたく後で買った者から徴収して支払いをする」と言われた。


その後陛下の執務室に呼ばれていることを伝えると、早速眼鏡を掛けた財務部長官自ら案内されて廊下を歩く。

陛下の執務室に行くにはノロンでは駄目らしい。

そこでノロンには執務室に続く道の随分手前で待って貰い、私たちは陛下の執務室へと入って行った。

そして財務部長官に御礼を言うと、にこやかに去って行かれたので眼鏡がお気に召したのだろう。



「よく来たな。何か困りごとだろうか」

「ええ、実は昨夜シャース王国の冒険者ギルドマスターのダンさんと手紙のやり取りをしたのですが、何でもシャース王国でスタンピードが起きる前兆があるそうで」

「なに? それは誠か?」

「はい、こちらに手紙を持って来ております」



そう言うと証拠とばかりにダンさんとやり取りした手紙を見せると、眉を顰めて内容を読み、「スタンピードの予兆があるのに、あの国は何をしているのだ!」と声を荒らげた。

何でも、一度スタンピードが起きれば国は必ずといっていい程滅ぼされるらしい。

一度暴れて国を滅ぼした後は落ち着くらしいが、多くの魔物が他の国にも反応して押し寄せる事も稀にある事らしい。

そのため定期的にダンジョンを回って魔物を減らさねばならない。

その為に冒険者ギルドがあるのだが――現状、シャース王国の冒険者ギルドには先の戦争の所為で駆り出された冒険者が余りにも多く、ダンジョンのモンスター対策にまで手が回らなかったそうだ。


無論シャース王国の冒険者ギルドでは、何度も国王陛下に「ダンジョンのモンスターがこれでは溢れる」と苦言を言ったらしいが、国王は「お前達の仕事だろうが」と投げやり状態で、冒険者たちに依頼しても「この国に居るのはもう止める」といって他国へと流れてしまったらしい。


ダンさんはその事も国王陛下に伝えたらしいが、「今は何処も疲弊している。他国の冒険者ギルドから要請してくれ」とこれまた投げやりで、「その資金は国から出るのか?」という問いに対し、国王は「冒険者なら無償でやれ!!」とキレたらしく、無償でスタンピードを抑えるだけの冒険者を集める事など出来なかったらしい。


結果として、後一か月もせずスタンピードは起きるだろうと予想され、シャース王国にある全てのギルドは撤退を進めている。



「という状態です」

「その様だな……シャース王国の王は愚王だと聞いていたが、正にその通りだな」

「どうなさいましょうか陛下」

「もう残り一か月も無いのではどうする事も出来まい。近隣の鉄の国サカマル帝国及び鉱石の国ノシュマン王国に手紙を送る。結界石はどれだけある」

「結界石は今から作っても間に合わないかと」

「クソッ! 弱ったな……」

「結界石と言うと……クリスタルを媒体にして作るものですよね」

「国では緊急の際のために結界石を多めに作って置くのが普通なのだ。いくら高かろうと、兎に角大きなクリスタルに付与師たちが数十人単位で結界付与を施し、それで出来上がる。結界の付与は王城の付与師しか知らぬのだが……肝心のクリスタルがな」

「どれくらいの大きさで必要ですか? モノによっては出せますが」



そう声を掛けると、ハッとした様子で私を見る国王陛下と宰相さん。

そしてゴクリと唾を飲むと「二メートルくらいの高さのあるクリスタルは作れるのか?」と聞かれたので「多分作れるかと。場所さえ用意して貰えれば」と言えば顔が明るくなった。



「おお、おお!! 作れるのか!!」

「場所を教えて頂ければですが」

「いや、二メートルもあるクリスタルが三つもあれば一つに付き五年は持つ。その間に殲滅に向かう事は可能だ。結界石がある間は此方のダンジョンも活性化を止められ、国内の魔物が暴れる心配も無くなる。魔物討伐隊や冒険者はスタンピードで溢れたモンスターのみに集中できるのだ」

「陛下、急ぎ手紙を出して結界を施すよう連絡を」

「うむ!」



そう言うと陛下は万年筆で鉱石の国ノシュマン王国と鉄の国サカマル帝国に緊急の手紙を書き連絡用魔道具で送り、二つの国からは「1つしか巨大なクリスタルは所持していない為、宝石の国から輸出出来れば後日、船にて取りに向かう」との事だったので、私の方を見て「頼めるか?」と問われ頷いた。



「無論その際は城でのお受け取りになりますが」

「分かっている。城の国宝庫にて厳重に保管しよう」

「まずは結界石を置く魔法陣の元へ案内しなくては」

「そうであったな。直ぐに城の付与師に地下へ来るよう命じてくれ。私はユリを地下へと案内する」

「はっ!」

「エンジュもドマも不安だろうが、暫し此処で待っていてくれ。外部に漏れては大変なのでな」

「ワシ等はええのか?」

「ええ、構いません。ですがこうなった以上どう庇護して貰うか」

「戦況が悪くなればワシがでるわい……仕方ないのう」

「カイフクアイテムト カイフクマホウ チリョウマホウナラ マカセテヨ」

「ありがたい……」



こうして私と陛下は地下に向かい、どれ位下に降りたかは分からないけど、城って地下深いのねと思いつつ到着した場所は、寒いくらいにヒンヤリした部屋に、ひび割れた大きなクリスタルがあった。



「このクリスタルが使われたのは五百年前だと言われている。文献によれば、ユリのような女性が作り上げたクリスタルらしい」

「私のような……ですか」

「その為、クリスタルを作った彼女を当時は【聖女】と呼んだそうだ。ユリよ、ここの場所にクリスタルをそうだな……これから先遠い未来を考え、十作れるか?」

「置く場所はありそうなので作れるかと。ただ、下に敷き物は欲しいですね」

「その心配はない。ここはクリスタルならば自然と宙に浮く付与がされている」

「なら問題は無いですね、壊れたクリスタルは退かしましょう」



そう言うと兵士たちがクリスタルを魔法陣の上から退かすと、ひびが入っていたクリスタルは役目を終えたとばかりに砕け散り、粉々になって床に散らばって消えて行った。

するとドアが開き十名程の付与師たちが集まると、私の後ろに立ってしまい緊張する。

しかし二メートルあるクリスタルか……生成するの初めてだわ。

そう思いつつ手を出し、集中すると「アイテム生成・クリスタル」と口にすると大きな魔法陣が現れた。

そして生成される二メートルの綺麗なクリスタル……。魔法陣が消えると光り輝くほどのクリスタルがそこにはあって、どよめきが一瞬起きたが、直ぐに付与師たちによる結界付与が始まった。

ちょっと見ていたかったけれど、私は他にもクリスタルを作らねばならないので壁に沿わせて十の巨大クリスタルを作り上げて並べていく。

取り敢えずはこれで良いだろう。

そう思っていると、結界付与も上手く行ったようで淡い光を放ちながら魔法陣の上でくるくると回っている。



「これで五年は大丈夫そうですか?」

「一先ず五年はこれで大丈夫だろう。そうだな付与師たちよ」

「はい、純度の高いクリスタルでしたので、付与した感じで言えば一つで十年は持つかと」

「おお、そこまで保つか! ユリには返す事の出来ない程の借りが出来てしまったな。何か褒美を取らせたいが……」

「でしたら、荒れたシャース王国が元に戻った暁には、ノヴァ様次第ですが、彼を新しい国王に据えて支えてあげて下さい」

「ノヴァをか?」

「ええ、彼が私の最初の恩人ですので」



そう口にすると、陛下は強く頷き「心得た」と約束してくれてホッとした。

これでシャース王国を除く近隣三つの国は結界石を発動させることになったが、一週間の間にスタンピードを信じたシャース王国の国民がほんの僅かにだけ避難してきて、全てのギルドが撤退し、ダンさんもダイヤ王国に来た次の日――スタンピードは起きた。


瞬く間に金の国シャース王国は一夜にして滅亡したと言われている。


そして、各国の魔物討伐隊及び、冒険者たちによる魔物討伐が始まったのは言うまでも無かった――。





読んで下さり有難う御座います!

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