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102 私に対して『女払いで寄こせ』ですか、ほうほう? うちのレンジェンド達が許すかな?

お越しいただきありがとうございます。

本日で完結です。本日だけは1日5回更新です!

朝8時、昼12時、夕方16時 夕方18時 夜20時の更新です。

どうぞ応援よろしくお願いします!!

宝石の国ダイヤ王国でも、鉱石の国ノシュマン王国でも【医療専門店ならガーネット】と呼ばれるようになってきたこの頃、知名度も上がったと思われていたそんな時期――問題の半年まで後二か月と切ったその時……新たな問題が浮上するのである。


なんと、鉄の国サカマル帝国から【医療として貢献しているガーネットを是非我が国に移住させよ】と言う要請がきたのだ。

つまり、宝石の国ダイヤ王国の王都ダリルシェイドから鉄の国サカマル帝国に移住しろと言う無茶な要求だった。


これには宝石の国ダイヤ王国の国王も怒り、「何という無茶な要求をするのだ」「この国の住民を物のように渡すなど言語道断」「貴殿の国はおかしいのではないか?」と言う旨を伝えると『わが国でも医療貢献をして欲しいだけ』と来た為「ならば輸出と言う方法を取らせて貰うが、今はそちらの国とは断交中である」と返事を返したそうだ。

すると――。



『宝石の国ダイヤ王国だけが【医療】を独占するのは極めて遺憾である。我が国でも【医療】を充実させるべきである』



と、自分の都合のいい解釈でしか返事が返ってこなかったそうだ。

そこで陛下はある事を口にした。



『鉄の国サカマル帝国では、帝王が病に伏せ全ての事を家臣たちがしているそうだが、この考えは帝王のお考えなのか、それとも家臣が愚かな提案をしているのか教えて頂きたい』



と伝えると、暫く連絡が途絶えたそうだ。

国内事情が外に漏れているとは思わなかったのだろう。

ましてや国の中心となる帝王が病に伏せている等、トップシークレット。

そのカードをダイヤ王国の国王は使ったのだ。

暫く返事がないままだったが、更に陛下は追い打ちをかける。



『また、そちらの国は密偵を使い、我が国の大事な金を盗もうとした。こちらでその者達は捕まえており、事情も吐き出させている。盗みを働く国とは今後もやってく事等不可能。断交は今後も継続する!』



と宣言したことで、流石の鉄の国サカマル帝国も慌てるどころか怒り狂った。

『今後も鉄資源などの輸出がなくていいのか!』と言う問いに対し『質の悪い鉄資源等ゴミだろう。全く必要などない』と返し『先の質問に対する答えも出せないようならば、やはり帝王は病に伏して家臣が己の私利私欲の為に動いていると判断する!』と返したのだ。

これに二つの国は緊張状態になった。

無論鉱石の国ノシュマン王国も宝石の国ダイヤ王国の考えを後押しし、『今帝王はどうなっているのか』と更に追及。

それらの返答はなかった。


返答したくとも帝王は毒を飲まされ動ける状態ではない――と言っても、その帝王は擬態したタキちゃんだけど。

また、タキちゃんからの情報で「ジョウソウブガ イライラシナガラ ユリタチヲ ゼンイン ツレテイケナイカ ハナシアッテルヨー」っとなると、【ガーネット】の面々には護衛が付くようになった。

作業倉庫周辺も厳重になり、それを密偵で知った鉄の国サカマル帝国は『せめてユリと言う女性だけでも寄こすべきである。これは女払いで其方が我が国に損益を与えた重大な問題を女性一人で片付けるのだから安い物だろう』と返してきた。



「と、言う事らしいですがロウさん如何です?」

「もうあの国の重鎮は殺していいと思う」

「一か月以上この状態ですものね。もう直ぐロウさんが見たという半年まで後半月ですか。何をしてくるんでしょう」

「恐らくユリに関することじゃろうな。ワシ等も気合を入れて護衛をしているが、何をしてくるのやら」

「姉様は我々が守ります」

「ありがとうドマ、お爺ちゃんたち」

「兎に角一人にはならぬ事だ。何が起きるか分かったものではない」

「タキモ ソウオモウ」

「デモ サクット キテクレタホウガ ズバット コロセルヨネ♪」

「そもそも、密偵の数が多すぎる。我でもこれだけの数を御そうとしたら時間が掛かるぞ」

「そんなに来てるんですか?」

「一般住民にも紛れ込んでおるわい」

「黒髪を色んな色に変えてな」

「うわ――」

「全く、重鎮達は何を考えているのだ!!」

「まぁ、この1カ月半に出来る事はしておきましたし、後はタキちゃんにドーンして貰えれば問題は無さそうですね」



そうなのだ、この一ヶ月半の間に【暁の太陽】を10個作る事が出来た。

無論タキちゃんの分裂を増やして出来るだけ安定化させての付与だった。

割れる物の方が断然多かったが、質のいい透明度の高いクリスタルに付与できたのは僥倖。

後は鉄の国サカマル帝国のお城をドーンとタキちゃんに壊して貰い、ロウさんを含め鉄の国サカマル帝国に乗り込む、もとい、帰るだけなのだが――。


流石の密偵もレジェンドモンスターがわんさかいる中私達を捕えようとは思わないようで、そんな事をすれば命取りであることは理解しているようだ。

その為、タキちゃんが分裂し、我が家の面子に一人一匹タキちゃんが護衛している状態にしてあるのだが……。



「流石に密偵も近寄れないわよねぇ」

「来たら叩き落しでプチーンだろう? そりゃ来れないさね」

「でも皆さんの頭を見ると可愛いね!」

「確かに皆頭にタキちゃんがいるものね」

「ボクモ ブンレツ アッタラナー♪」

「ん――、岩田はそのままが良いと思うなー」



岩田が分裂を覚えたらそれだけで戦力が恐ろしい事になる。

思わず全員がゾッとしたのは言うまでもない。



「全くスライム共は羨ましい」

「本当にのう。分裂が使えるのはスライムくらいじゃ」

「ボクタチ コウセイノウ!」

「ボクモ ブンレツ オボエターイ♪」

「岩田はちょっとやめておこうかー」

「そうだな、イワタは止めた方がいい。周りが血の海になる」

「シュシュ! ザシュザシュッテ ヤレルノニー」



どうやら不満そうだ。

岩田には分裂は難しいのだろうか?

すると――。



「イワタハネー ブンレツ デキルケドー」

「デキルケドー?」

「ボクミタイニ タクサンハ ムリカナー?」

「ドレクライ ブンレツ デキソウ?」

「タブンー? サンヒキガ セイゼイカナ」 



岩田更に三匹に増量。

いや、ある意味鉱石を出せると思えば美味しい……のかな?

攻撃性を無視すればだけれど……。



「タキー ブンレツ オシエテー?」

「イワタハ チノケガ オオイカラー」

「ダメー?」

「アルジタチガ イイッテ イワナイト ダメー」

「ザンネーン♪」



こうして世界の平和は保たれた。恐らくだけど。

ホッと安堵する私達だったが、岩田は不満そうにしていた。

その内自力で覚えそうな気はする……。



「そう言えば鉄の国サカマル帝国には人間の部隊しかないんですよね?」

「いや、一応ワイバーン部隊がある。だが国境警備に使っていて戦争を仕掛ける余裕等無いだろう。もし仕掛けてきたら事だが」

「ソシタラ ボクガ バチーンバチーンッテ タタキオトスヨ!」

「イイナー!!」

「でも、形振り構っていられなくなったら来るのでは?」

「レッドワイバーン部隊とブラックワイバーン部隊が来たら不味いが……流石にそう数は多くない。私が毒でやられている間にどうなっているのかは分からないが」

「鉄の国サカマル帝国が人口が少ないのに強気でいられる理由がこれで判明しましたね。なるほど……ワイバーン部隊があるのか」

「ワイバーン部隊とは、また面倒じゃのう……」

「ジジイでは戦うのは不利な相手だな」

「むう」

「お爺ちゃんでは戦うのが不利って?」

「ワイバーンはフェアリードラゴンを食べるのじゃよ、つまりワシは餌と言う訳じゃな。鉄の国サカマル帝国ではワシと言うレジェンドモンスターとタキと言うスライムのレンジェンドモンスターは伝わって居ようが……」

「我だったら、そのワイバーンとか言うクソ雑魚部隊が夜中に仕掛けてくる……と言う奇襲作戦で戦争を仕掛けてくると思うがな!」

「戦争なんてやめて下さいよ」



折角戦争のあった国から逃げられて此処で生活をしているというのに……。

でも、私たちが行かなければ国民をワイバーン部隊で人質に取る……と言う事はあり得そう。

宣戦布告もしてこないだろう。

あるとしたら奇襲攻撃か。



「でも、女払いしてこないってだけで戦争吹っ掛けるかしら?」

「普通ならあり得ないが……今の上層部や家臣たちは分からない」

「ええええ……」

「交流のある国、もしくはあった国で一番自分たちが偉いと思っている節がある。それ故の強気もあるだろうし、言う事を聞かないのなら――と言うのもありえる」

「本当迷惑な人たちですね!!」

「厄介だねぇ!!」

「クソみたいな奴等ね!!」

「何が女払いだ!! ユリは俺の妻だぞ!」


これには一斉に皆から怒りの声が上がったが、ロウさんは溜息を吐き「もうあの国は駄目なのだろうな」と口にしてから言葉を続けた。



「我が国民とも言い難い言動だ……一思いに命を絶たせてやった方がいいだろうが」

「後半月……二週間の間に何が起きるのか不安しかないですね」

「可能性としては奇襲だろうな……今すぐ我が戻って止めるという手立ても」

「行けば殺されるだけじゃろうよ。全ての責任は帝王にあり! とかいってのう」

「ではどうすればよいのです!」

「反対に引き付けて倒せばよい。タキよ。イワタに分裂教えて置け」

「エ――!?」

「今回ワシでは不利なんでな。イワタならばワイバーンくらい一撃じゃろう?」

「一撃ダネ!」

「シカタナイナー ホントウニ ユウジノサイ ダケダヨ?」

「スグ ザシュザシュ シナイ! アルジニ メイワクカカルカラ」

「ナラ オシエテアゲルー」



と、二匹飛び跳ねて行ったけど……確かに岩田なら色々な鉱石での攻撃が出来る為殲滅力は大幅に上がる。

あがるけど――……。



「大丈夫かなぁ」



あらゆる意味で不安だけはどうしても残ったのは言うまでもなく、また鉄の国サカマル帝国は更に『女払いも出来ぬとは嘆かわしい!!』と言ってのけ、対する宝石の国ダイヤ王国は『女性を金や物のように扱うなど言語道断!!』と対抗――こうして戦争へとジワジワと突入して行くのである。





読んで下さり有難う御座います!

今後も連載頑張れ! とか 続きを楽しみにしてます! 等ありましたら

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