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面接官にセクハラされたんだが…

これは俺が大学四年生の時の童貞だった頃の話だ

その日はとあるスポーツ用品の会社の二次面接の日だった。

当時の俺は大学四年の9月にもなるのに、内定が一つもない就活生だった。


それもそのはず自己PRやガクチカなんてものは全くなく、学生時代にやったことといえばコンビニでバイトを四年間続けたことくらいだ。


一年の頃には、テニスサークルに所属していたけど雰囲気に馴染めなくて数回参加したらすぐ幽霊部員になってしまった。

こんなんだったから無い内定ってのも納得だ。


二次面接に進めるだけ御の字だと思いながら、地下鉄の窓にふと目をやった。

そこに映るのはリクルートスーツに身を固め、襟足ともみあげを短く刈り上げ、潔く前髪を上げた髪型の男だ。 

確かにこっちの髪型の方が似合ってるかもな、なんて思いながら眺めた。


さっき無い内定なのは、無気力な学生生活を送ったからだと言ったが、もっと決定的な原因があった。


それは髪型だ。

俺は大学一年の頃から好きなバンドのヴォーカルの髪型を真似していた。ストレートヘアで前髪は目にかかるくらい、襟足は前から見えるくらいまで伸ばしていた。


自分はこの髪型が気に入っていたし、何よりthe就活生みたいな格好をするのが嫌だった。なんか個性がなくなるみたいな感じ嫌じゃない?

なんて考えだったので、その髪型のまま就活をしていたんだ。


まぁ内定どころか一次すら通るはずなく、泣く泣く髪を切った。

散髪をしたら親や友達、バイト先の店長からも

「絶対そっちの方がいい!」って好評だった。

嬉しいような嬉しくないような…


だって俺的には、前の髪型がサイコーにイケてるって思ってたんだぜ?

今の髪型を褒められるたびに前の髪型がダサいって言われてるような気がしてならなかった。


まぁそんなことよりも今まで一次で落ちてた俺が散髪しただけで二次面接や三次面接にいけるようになった方が驚きだった。


結局、人間なんて外見しか見てないのね、中身なんて関係ないのよね。まぁ俺は中身も空っぽだけど…


なんて考えながら、地下鉄を降り、面接会場である本社に向かった。


面接会場につくと大学、名前を受付に言って、待合室に案内された。

そして5分くらいした後、面接官のいる部屋に案内された。

3回ノックをして、大きな声で失礼します!

よし、練習どおりだ。

扉の向こうから「どうぞ」という声がしたので扉をゆっくり開けて入室した。


部屋にいた面接官は妙齢の厚化粧の女だった。

少し胸元の開けた服装でピンクの花柄のブラジャーが透けていたんだ。

俺はラッキーって心の中で思い、ガン見した。

そしてガン見しながら、椅子の横に行き荷物を置いた。


そしたら面接官が

「自己紹介をお願いします。」と言ったので

俺は大きな声で大学と学部、名前を言った。

少し声が震えたけど、まぁいいだろう。

面接官の指示通りに椅子に座り、いくつか質問に答えた。

俺の面接官への印象は少し冷たい感じがした。


質問の答えを掘り下げるわけでもなく、淡々とまるで機械のように見えた。

まぁ質問に答えてる最中も俺は胸元をみていたんだが…


そして俺の緊張がほぐれた頃、面接官が

「学生時代に力を入れたことを教えてください。」

と言った。


いわゆるガクチカだ。

俺は指示通りにガクチカを話した。盛りに盛りまくったコンビニバイトの話だ。

仕方がない、話を盛らないといけないくらい何もない大学生活だったからな。


そしてガクチカをおえると女面接官が怪訝そうにこういったんだ


「あなた今私の胸見てたでしょ」


俺の中に衝撃が走った。まさかそんなこと聞かれるなんて!

いやそれよりバレてたなんて!

冷静を装いながら、俺は否定した。


「見てません」とな。


正直この時の俺はとても愚かだったと思う。

そしたら


「じゃあなぜそんなにオチ〇ポおっきくなってるの?」


不覚だった…まさかこんなに大きくなってるなんて!


穴があったら入りたいとはこのことだってこの時痛感した。

先程、カッコつけて見てないと答えたからなのか、普通に勃起を指摘されるより100倍恥ずかしく感じた。

勃起を指摘されることなんて今までなかったけど…


赤面する最中、女はこういった


「あなた、本当にこの会社に入りたいの?」


恥ずかしさを隠すためか、ほんとにそこの会社に入りたかったのかは分からないが、俺はすかさず「はい!入りたいです!」と答えた。

すると、女は今日の面接で初めて笑顔を見せた。

愚かな俺を嘲笑するようにこう言った。


「本当に入りたかったら、面接官に欲情しないわよ?」


確かにそうだ。

面接官の胸元を凝視するような奴が本気だとは思わないだろう。

俺はもう落ちたと思い、正直に答えた。


「入りたい気持ちは本当です。僕は彼女ができたこともないし女友達もいない。なのに性欲は人一倍多く、ちょっとエッチな格好をしている人を見ると欲情してしまう変態の童貞なんです。」


すると、女は獲物を見つけた牝豹のように俺に近づいて、後ろに周り、耳元でこう囁いた。


「もう一度聞くよ?本当に入りたいの?」


「はい、何がなんでも入りたいです。」


「だったら私を満足させてみてよ」


そこからの出来事は覚えていない…

ただその後先程よりも汗をかき乱れた様子の面接官から

「合格よ」

こう言われたのは覚えている…

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― 新着の感想 ―
[良い点] いいですね。何が起きて合格になったのかは気になりますが、そこは暗黙の了解ということですよね。連載頑張ってください!
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