絵麻とヴィザールの勝手にQ&A
何で水だった?
「私が来た時って何で水に流されてきたんだろう」
絵麻の疑問に「おそらく」とヴィザールが答える。
「エマの住んでいた世界にもあって、こっちの世界にも共通して存在する害のないもの。あとは、間違った場所に行かれると困るから、流れやすい媒体的な物として使われたんだと思う」
「水と一緒に送った方が早く着きそうとかそんな程度?」
「あぁ」
魔塔は何故消えた?
「どうして魔塔は500年の間になくなってしまったの?」
「私はサーディグが亡くなってすぐに魔塔をでたから、詳細にはわからないが、内部分裂で魔法士同士が争い、多数の死者が出たと聞いている」
勝った方もかなりの痛手を負い、各国に派遣可能な魔法士もいなくなり、魔法士を育てる者もいなくなり、次第にその力を失っていった。
「まぁ、魔塔だけの問題じゃなかったと言われてるが。私はサーディグがいない魔塔に戻る勇気がなかった」
何故マラテナにいた?
「たまたまと言えばそれまでだが、魔塔があった場所の近くにタラフィットと言う名の国があったんだ。その国の王にサーディグはとても気に入られてて、オレもよく世話になった。タラフィットはもうないが、マナテラはそのタラフィット王家の血を受け継いでいる。だから、何か返すために、100年ごとぐらいに覗きにきてた」
「タラフィットがマラテナになったわけではないの?」
「そうではない。場所的には近いが、タラフィットはどちらかと言うと、マラテナの街の限界線、あの砂漠の下に眠ってる」
500年前に本はどうした?
「サーディグに頼まれた当時のタラフィットの王が管理を請け負ってくれた。本にはオレが鎖を巻き付け二度と出てこないようにしたのに、結局どう言う因果か、また表に出てきた」
「タラフィットが滅んだ時に探さなかったの?」
「探すのが怖かったから、探さなかった。正直出来るだけ関わりたくなかったんだ」
祝福と呪いの禁書は誰が作った?
「それは永久にわからない」
「ヴィザールも本当に知らないの?」
「知らない。一つ言えることは、本当に趣味の悪い最悪なやつだろうってことだ。ただ、物凄い天才でもある」
「魔法士なのかな?」
「……、多分その類だとは思う。じゃないと説明がつかない。ただ、あの本だけにあらゆることを仕込んでいること自体が、原理的には無理がある」
「魔法だとってこと?」
「あぁ、だから、あの本を通して、ずっと観察しているとか……」
「待って、それとても怖いけど」
「ただの想像だ」




