くだらない話3
2人で食事をしていると店員から美味しい酒が入ったからと勧められた。
「エマ、お酒は?」
「飲むよ」
「へぇ、じゃあ頼もうか」
そう言って勧められたワインを注文する。頼んだワインはすっきりとした味わいのお酒だった。
「よく考えたらこっちに来て初めてお酒飲んだかも。美味しいね」
そう言った絵麻に、ヴィザールがそうだなと頷く。
「オレも久しぶりに飲んだ」
ヴィザールは時折「オレ」と言う一人称を使うようになった。本人曰く自然と出てくるようになったらしい。「私」の方は、わりと王族に仕えるときようの仕様だったようだ。
それから2人で一本のワインを空にしてしまう。
「全然酔わないんだな」
ヴィザールの言葉に、絵麻が楽しそうに笑う。
「会社で鍛えられたからね〜。なんか体育会系のノリの会社でしょっちゅう飲んでたの」
ふふふと笑う絵麻はやはりアルコールを飲んでいるせいか、いつもよりにこにこしている。
「ヴィザールも強いのね」
「まぁ、それなりに」
「顔色も変わってない」
つんつんとヴィザールの頬を突く絵麻の指を、ヴィザールが捕まえる。
「何するんだ」
「突いてみた」
「ふぅん」
すると、ヴィザールが捕らえていた絵麻の指をかぷりと噛んだ。
完全にカチコチと固まった絵麻は、一拍遅れてから悲鳴の様な声を上げる。
「ふえぇあえ?!!」
慌てて指を引き抜いてもう一方の手で守る。無くなったことに寂しそうな顔をしたヴィザールに、絵麻がハッとする。
「まさか、酔ってる?」
「酔ってない」
「酔ってるやつはだいたいみんなそう言うの!」
「じゃあエマは?酔ってるの?」
「酔ってない」
「ってことは、酔ってるってことか」
「酔ってない!」
2人とも酔ってる説。




