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距離

短くてすみません。

いつもありがとうございます


 一方、その頃控えの間では、残った者達でお互いにやる事に全力を掛けることを誓い、それぞれが動き出していた。


オリヴィアとハロルドは、控えの間から出てると騎士に案内され、大広間手前の大人10人が入れるかどうかというほどの狭い小部屋へと移動していた。


 小部屋(ここ)は大広間の奥にある隠された小さな扉へと繋がっている隠し部屋だ。

 

 そこから2人はひっそりと広間へ入り、入場する予定となっていた。


 扉前まで辿り着いたオリヴィアとハロルドは静かにそこで出番を……いや、ヘンリーを待っていた。


 内側の扉の横に居る騎士により、オリヴィアたちの出番が近づけば扉が開かれるので、そうしたら素早く中に入り、中央のスペースまで進むようにと言われている。


 それまでにヘンリーが来てくれればと握った両手に力を込めて祈る。


 刻々と時が流れ、扉の前で手に汗を握り、2人は静かに待つ。


 オリヴィアは震えていた。


 マーガレットには強気に言ってみせたが、怪我をしていることや、高いヒールで踊ることが不安でたまらない。


 それになにより、自分にとって嫁ぐことになる国の多くの高貴な貴族の前で完璧な踊りを披露しなければならないのだ。


 こんなにも嫌な要素の詰まったこの状況に、怖気づかない方がおかしい。

 イザというときには強い精神力を発揮するオリヴィアだが、今回はトラブル続きで、かなり追い込まれている様子。

 ギリギリの精神状態で、自分を無理矢理奮い立たせ、この場に立っていた。


 そんなオリヴィアの様子に気が付き、彼女の手をそっと握り、ハロルドがこう言った。


「大丈夫?手が冷たくなっているね。ダメだった時は一緒に怒られましょう。怒られるのが嫌で、君が作戦を立てて場を乗り切るつもりであるならば、私も一緒に手を貸すし、企てますから言ってください。もしこのまま踊るはめになったとしても、出来る限りの力を全部出して、やり切ってみせましょう。私も、初めて踊るので、実はとても、うっ、緊張しているのですよ…ええ、本当は今にも吐きそうなのです。うぷっ。」


 あの心地のいい声で、オリヴィアを落ち着かせようとハロルドは優しく励ましてくれるのであった。


 オリヴィアは彼のジョークに思わず笑いを漏らした。

「フッ、ここでは吐かないでください、ハロルド様。そうですね…よし、もうこうなったら開き直って共に楽しみましょう。うん、やってやりましょう!」

 と、満面の笑みで返した。


 オリヴィアは、覚悟を決めた。


「ハハハ、もうどうにでもなれですよね。頑張りましょう、オリヴィア。いざ、参りましょう!」


 その時、2人の目の前の扉が開く。


 オリヴィア達は顔を見合わせ頷き、手を取りあい、気合を入れて広間へと足を踏み入れた。




果たして儀式の舞は成功するのか!?

ヘンリーは間に合うのか??

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