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【とある公爵の日記より抜粋】

馬車の中の死闘の際の公爵視点


 ああ、どうして彼女から離れたりなんてしたのだろうか…酷く後悔した。


 王子に、婚約者の元へ届けて、気持ちが心底沈んだのだ。

 あの2人が仲睦まじくするさまを近くで見るのは、恋心を抱く私には少々辛いのだ。


 俺はオジサンだから、我慢しなければ…そう言い聞かせ、馬の元へと向かったのが後悔の始まり。


 なぜあんなことになったのか?


 あの時の私は全力で彼女を救い出すことしか考えられなかった。

 絶対に守るって言ったから、俺がどうなろうともという覚悟を持って助けに来ったのさ!


 しかしながら…大きな怪我無く助かって、本当によかった。

 奇跡としか思えない。


 馬車が暴走するのを見て、あそこから連れ出すにはどうしたらよいかと、周囲を見回してブティック内のソファが目に入ったのが僥倖。


 気が付いたら店に乗り込んでソファのクッションを力づくではぎ取り、近くにあった細い布でそれをぐるぐるに体に巻き付けて馬に乗っていた。

 いきなり押し入り、強盗のようなことをしていしまったが、生身の体で走っている馬車からの落下するとなると、そこまでしないとあんな軽傷では済まなかっただろう。


 腕の一本、足の一本…下手したら腰の骨一本…頭…血の気がひくなぁ。


 美しい女神には運も最大限に味方すると言う訳です。

 あとで、あのブティックに心からの詫びとお礼をしなければいけない!!


 それにしても、オリヴィアが無事で本当に良かった。


 ただ、クッションが大きすぎて馬車内に入れず、ドアにしがみ付くしかなかったのはお粗末であったな。

 馬車から彼女を抱えて落ちる事ばかり考えすぎた。


 彼女が犯人を自主的に倒してくれたのは助かったが、彼女が襲われて怪我をしていたらと思うと、血の気が引く。


 今回の事で感じた。

 本当にあの王子に彼女を任せて良いのだろうか?

 少しばかり、いいや、かなり心配だ。


 私が…傍にずっといられれば…私が護り…いやはや、それは彼女は望んでいないこと。


 せめて私があと10、若かったなら、全力で落としに…はああぁぁぁぁ、ないものねだりだな。


 あんな時であったが、必死にくっ付いてきた時の彼女、とてもキュートだった。

 うん、可愛い。


 ああ、こんなんじゃ、どんどん好きになってしまうではないか!?


 気づかれてはならないのに、気づかれては…いいや、少しは気づいてほしい…




ハロルドは頑張っています

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