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【とある公爵の日記より抜粋】

小さな変化の際の公爵視点


 彼女に初めて出会った時、体中でドクドクと脈うったのを覚えている。

 最初は外見に引きつけられた。

 

 だが、彼女には妙な噂や面倒な父親も居るのだ。

 だから、彼女の外見に凌駕され溺れぬことが無いようにと、距離を置くべきだとそう瞬時に考えたのに。


 次に会った時には、内面にも夢中になっていた。

 彼女を知っていくうちに内面もとても魅力的であることが分かってしまい、堪らなくなった。


 こんな年上のおじさんにお世辞に違いないが、あんなに可愛らしく照れながら自分には魅力があるのだと語ってくれる。


 そんなことを言ってくれる純粋な君の方が、私よりも何万倍も魅力的だろうに…


 ああ、なんてキュートなのか!!

 反則過ぎやしないか!??

 なんでこんなに、おじさんを悶えさせてくるのか!?


 本当に君は小悪魔ちゃんだ。


 私はこんなにも我慢を強いられていると言うのに、この気持ちを悟られまいと必死で押しとどめ、君に触れたいという衝動を押さえつけているというのに…限界突破しそうになる。


 微笑み1つで…もう…たまらん。

 誰も居ない2人きりで生活していける場所へと攫いたくなってしまう。

 

 もしかしたら、そちらの方法も計画し始めた方が良いのかもしれない。

 もしもの場合は、私が彼女を連れ去ればいい!なんて脳裏に過る時がある。


 あったばかりの父親と年の近い男が、こんなことを考えているなんて、思いもしないだろうな…

 それでも、君が幸せになってくれればと、願わくば私が幸せにしてあげたならと、そう心から思ってしまうんだ。


 とは言え、オリヴィアに隣国の王族の婚約者のいる今、私がそれを強行するならば、彼女の立場を悪くするだけ、彼女を不幸にするだけだ。 


 この彼女に対する気持ちが知られることの無いようにしなければならないのは分かり切っている。

 知られれば彼女を困らせることになるだろうから。


 より一層しっかりと気を引き締め、オリヴィアを守りきらねばならない。


 そうすれば私の役目は終わり、遠くの大地から、彼女の幸せを祈るほかないのだ。




ハロルド、苦しい胸の内

悲恋に好かれる男



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