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蓮華 代宗伝奇  作者: 大畑柚僖
345/347

貞懿皇后の埋葬

夏、

四月二十八日、

吐蕃が霊州に侵入した。

朔方節度使の代理、常謙光がこれを撃ち破った。


六月二十四日、

ろう右節度使の朱せいが、同じ乳を飲んで育ち、お互い害さない猫と鼠を “目出度い印”だと、代宗に献上した。

常袞が百官の先頭にたち、“目出度い”と称えた。

中書舎人の崔ゆう甫は、一人、“目出度くない”と云った。

物は反して、常に妖しさをなします。

猫が鼠を捕らえる。

それが仕事です。

今、同じ乳を飲む。

妖しいことです。

何が目出度いのですか。

法に携わる役人が、妖しさを察知しないのを戒めるのは良いことです

周りの役人も、敵を防げません。

天意として承りましょう。

代宗は、喜んだ。

崔ゆう甫は、崔べんの子である。

秋、

七月、

崔ゆう甫は、これまでのことから、吏部の選事となった。

崔ゆう甫は、公事で度々、常袞と争った。

だから、常袞に嫌われた。


七月十四日、

郭子儀が上奏した。

回鶻がいまだに砦の上にいて、周辺の人が怖れています。

ひん州刺史の渾かんを将とした“振武軍”を遣わすようにお願いします。

と、請うた。

代宗は、この上奏に従った。

回鶻は、去りはじめた。


七月二十七日、

吐蕃の将軍・馬重英が二万の兵士で、塩州、慶州の二州に侵入した。

郭子儀は、朔方節度使の都虞候・李懐光を遣わし隙を突かせた。


八月二日、

成徳節度使の李宝臣が、旧姓の“張”に戻したいと、請うた。

代宗は、許した。


吐蕃の党項の二万の兵士が銀州、麟州に侵入し、種々の家畜を奪い取った。

郭子儀は、撃ち破るために李懐光を遣わした。


代宗は、貞懿皇后を悼むのを辞めなかった。

遺体はこの三年間、内殿で葬儀の時と同じような状態で置かれたままであった。

臣下がとやかく云う筈であった。


八月二十四日、

貞懿皇后の埋葬が細柳原の“荘陵”で行われた。

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